公開:1951年
■制作:松竹
■監督:黒澤明
■助監:
■脚本:黒澤明、久板栄二郎
■原作:ドストエフスキー
■撮影:
■美術:
■音楽:
■主演:森雅之
黒澤を愛してやまない私が、果たしてこれは秀作なのか、はたまた、愚作なのか、全くわからない。
しかし結局見てしまった、そういう初めての不思議な感じの作品だった。
ドフトエフスキーの「白痴」が原作らしく、(私も見てない。)その風俗(風土)上の奇妙な生活観になじめず、映画の内容にスムーズに入り込めなかったのだ。
まるで、チェホフの舞台を見ている感じ、お芝居なら許せるけど・・・ でも黒澤だぁ、愛してやまない黒澤なんです。我慢、我慢!
この物語は、精神的にも何もかも全て「完全に美しい人」という役を「森雅之」が演じている。(森雅之は、市川昆の「おとうと」でタンタンとした父親を演じていたのが印象に残っているが・・)人を疑う事を知らない、純粋な人間、心の中から優しい人間。
この映画は、心の中を描いているので、顔の演技が全てで本当に素晴らしい。原節子はグレタ・ガルボみたいだった。
ただ私は日本人はこのような開けっぴろげなフェミニズムといおうか、日常生活とかけ離れた、大陸的な生き方に戸惑いを感じると思う。
黙っていても通じる私好みの男の生き様とは少しかけ離れているから。
そして、久我美子演じる綾子の言葉「そう!・・あの人のように・・人を憎まず、ただ愛してだけいけたら・・私、私、なんてバカだったんだろう・・白痴だったの、私だわ!」
この言葉が、この映画の全て・・
東山千栄子は「東京物語」のように、おっとりしたお母さんばかりじゃなく、はきはきした、お母さんもまたステキだった。
それでもやはり、黒澤の失敗作らしい。
という設定にする以外になかったのだとか。
今週は「生き物の記録」と「悪い奴ほどよく眠る」です。
あとビデオで「独裁者」やっと見つけてきました。
観てばかりで感想文が全然おっつかない状態。
「武蔵」の五部作も早く書かないと忘れそう。
「生き物の記録」は私のストックにありません。
もし、@アットさんの映画評を見て良かったらレンタルします。
「武蔵」も見たのね。
浪速千栄子のおすぎばぁはいいよね。