「ゆわさる別室 」の別室

日々BGMな音楽付き見聞録(現在たれぱんだとキイロイトリ暴走中)~sulphurous monkeys~

20110227

2011-02-27 | 矮小布団圧縮袋

○地震災害など傷ましいニュースの多い中、毎度突貫工事中です。月~金の朝から夜までに限らず、ここ毎週土曜も出張や出勤で休めないので、やっと日曜になって洗濯と掃除をして図書館に本を返しに行って買物して、帰りに大雨になって、映画館に飛び込んで映画を見てきた。(たれぱんだたちはパンフを見ているのだ)

本日の映画:「英国王のスピーチ(The King's Speech)」(2010)
 ※それにしても「原題主義」なのかもしれんが、The King's Speechつーのはわかるけど(※実は、映画の中の人物の台詞にもややそこんところとひっかけた洒落が出てくるしね)、邦題はなんかちょいと粋なやつ考えらんなかったんかね?という…
 個人的には毎週自宅のお茶の間で見ているCSの英国ドラマの延長線で、おなじみの顔がたくさん出そうだわ、という勢いでチョイス。コリン・ファース(Colin Firth)も自分の中では「Another Country」とか「ひと月の夏」「アパートメント・ゼロ」の時が第一印象なので、やんちゃそうでも結構ナイーブな「お兄さん」な俳優な気分、なはずだったのだが、もう本当に素敵な紳士である。というかColin Firthによく似たお父さんだなあ、と思ったら、25年後の本人だったとか(爆)そういうノリに近い←なんてこったoh my god><(←そんな自分だって25年老けてるんだぞ!)。去年のKBCシネマの「シングルマン」jは上映期間中に行く時間が全然無かったので(反省)、こういう映画は、気づいた時にすぐ行っとくしかない!と思って飛び込んできました。
 さて本編は、もちろん英国のクラシック調なドラマ映画ですからロケーションや画面の質感、美術と音楽などいつもCSで見ている気分で老舗の安定感のある制作です。そして内容は、自分の中のノリとしては(東宝系の同じ上映館だったからってわけじゃないが・爆)、前に見た映画版「デトロイト・メタル・シティ」のテンポを思い出した(英国王室にももーしわけないっ・笑)。いや、お下品な言葉のギャグが、では全然なくて、人間の中の自己認識のズレと心の傷の「克服」的な展開が、それも歴史的実話もので、ってことで←この展開はある程度予告編やCMからも予想されてたけど、詳しくは本編でお楽しみに。しかし、コリン・ファースって人は有名だし、自分の中でも普通の時はどんな声でどんなしゃべり方かわりとわかる人(※ルパート・エヴェレットがちょっと囁く若僧系声だとすると、コリンの方はちょっと張りのある明朗な大人声)なのだが、そのしゃべり方から思うと考えられないようなこんな役も演じちゃって、そうなっちゃうんだな、という。わりと「化けちゃう」感の人なんですよね(そっか、そういえば「ひと月の夏」の時も、トラウマありそうな若者だったか)。その上、伊丹十三でも伊藤雄之助でもないジェフリー・ラッシュ(Jeoffrey Rush、最初は「シャイン」でたまげてパイレーツオブカリビアンでわろた・笑)が、こりゃもうなんにでも「化ける」人ですから、出てきちゃったらただですむとは思えない(笑)。結束信二の用心棒シリーズじゃないけど、こん人たちの味な応酬が秀逸なんですな。英国映画といえばみな皮肉屋で口は悪いしとりすました貴族的な一癖二癖ある奴らがじたばたするので、じわじわ来るわけです。出オチじゃないけどティモシー・スポール先生登場とかね。これは字幕付きでもいいから英語で聞いた方が絶対、いい台詞とか洒落とかわかって面白いはず。細かいエピソードのシーンが実は無駄なくつながってたりしてね(モース警部じゃないけど、この手の英国なドラマはテレビなら録画しといて2回目3回目に頭から見ていくと、意味がわかってきてまた笑える)。どっちかというと観客席はストレートな爆笑じゃなくて、いかにも英国映画ファン?だなあという感じのくすくす笑いが連続(これはもう、“これ”系が好きな大人が見に行く映画ですね)。世代的には近いはずのヘレナ・ボナム=カーター姐様はいい感じな「夫人」になってるし(うう、みんなこうして歳…もとい円熟していくのね…涙)、あのNHKシェークスピア劇場のリチャード二世の時にどきどきしたデレク・ジャコビ先生(なんで子供の時からこーゆーのが好きなんだよ自分…)が大司教(!)だったのはびっくりした(でもよく見ると確かにそうだわ)。つくづく浦島太郎のような日曜の昼下がりであった。
 ちなみに、お茶の間で英国映画とドラマを趣味で見ているわりにはハリー・ポッターもナルニア国も映画を全然見ていない(※喩えるならば時代劇が好きなのに忠臣蔵物はいまいちこれという好みの作品がなくてちゃんと見てない、みたいなもんか・爆)自分であるが、今度、見てみようかな?と思う。シャーロック・ホームズとポアロとモース警部とミスマープルの全話あたりから英国音楽のPVに至るまで、だらだら見ているうちに、本当に「顔は見たことあってしゃべり声も覚えてるのに、名前が全然わからない」俳優女優が脳内にたまってしまっていて、もしかしたらファンタジーものであっても、そういう興味で「イアン・マッケラン先生キタ━━━ヽ(∀゜ )人(゜∀゜)人( ゜∀)人(∀゜ )人(゜∀゜)人( ゜∀)ノ━━━ !!!」とかそういうふうなノリで見られるかもしれないからである。(←やだなそんな観客…^^;;)

雨の中、そんな帰りのBGM: クラリネット協奏曲 A dur K.622/Mozart
 イギリスものはほんまにようクラシックを使わはるのだが、印象的な美しいオリジナルテーマ(これはぜひオリジナルサウンドトラック盤希望ですね)の他に、有名なクラシックの定番が幾つか、映画の中で効果的に用いられていて心を打つ、その一つ。「うお!K622イントロキタ━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!」と脳内一人実況状態。ちゃんとシャッフル君にもmp3音源が入っているのでBGMにしながらジョージ6世の気分で今日も帰る吉宗であった、by若山弦蔵(ってちがうか) (20110227)

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