夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

呉州餅花手 その2 瑠璃地白花花卉文盤

2018-07-11 00:01:00 | 陶磁器
七五三の準備。男の隠れ家から小生が幼少の頃に着たらしい?七五三の着物を家内が引っ張りだしてきて息子に着せるべく段取りをしているようです。駅前の和服店まで出かけて洗いと仕立て直しの手配をしました。

小生の着物は北国用にできており、綿入りの重ね(二重)で着るようになっていますが、元旦は郷里での初詣もあり、寒さ対策で綿入りはそのままとし、上の着物は羽織に仕立てることにしました。羽織にすると帯で隠れている文様がすっかり見えて見栄えがするようです。息子の着物まで骨董品?



さて本日は最近投稿した「呉州餅花手 茶褐地白花花卉文盤」ですが、本日は同手の二作品目の「呉州餅花手」の作品の紹介です。

「呉州餅花手」には柿釉といって鉄の釉薬をかけた茶色のものと、呉須をかけた本日のような瑠璃手と2種類ありますが、柿釉の茶褐地より当時呉須のほうが釉薬の値段が高かった推測されます。本日の作品は呉須の藍色をふんだんに使った作品です。現在では遺っている作品で「茶褐地」の方がか格段に少ないので評価は逆転しているかもしれません。

この作品の入手で運によく「餅花手」の2種類の作品が揃いました。意外に「餅花手」の出来の良い作品は少ないものです。美術館では見かけることがありますが、茶釉と藍釉の対であることはまずありません。



呉州餅花手 その2 瑠璃地白花花卉文盤
合箱
口径399*高台径*高さ104



「餅花手」に関しては前回の作品の紹介で詳細は記事にしてありますので、説明は省略させていただきます。

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「餅花手」:中国・明時代末期の呉須手の一種。粗い胎土の上に白濁釉をかけ、さらに器全体へ瑠璃釉(藍地)あるいは茶褐釉(柿地)をかけて素地を覆い、その表面に白濁釉やコバルト顔料で絵付けをしたり、白泥で点を連ねて表現された文様が特徴で、その独特の文様が正月飾りの餅花のように見えることから日本で名付けられた呼称で、藍呉須とも呼ばれている。
江戸時代には多くの中国陶磁器が日本に輸入されたが、「餅花手」(もちはなて)に関しては現存するものが少ないといわれる。

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裏は相変わらず豪放な作りになっています。



裏側が無頓着なのは明末民窯の作品の特徴です。



無傷の作品はたいへん貴重価値があります。呉須赤絵の作品は意外に割れがあって無頓着で評価にあまり影響しませんが、このような綺麗手のものは割れなどの損傷は致命的なものになります。

*餅花:柳の細長い若枝に小さく丸めた餅や米粉のだんごを刺したもので、五穀豊穣や繁栄を祈願して小正月に神棚に飾り付けるもの。



美術館などで五彩や赤絵、青絵の作品はよく見かけますが、餅花手は見る機会が非常に少ない作品群です。



餅花手の両作品を同時に鑑賞できるのは珍しいと思います。当方のガラクタばかりの蒐集の中では自慢の一揃い。とはいえ「餅花手」というのはかなりマニアックな存在で知る人はおそらくマニアでも知る人は少ないと思います。



数的な希少価値は褐釉の作品、美しさでは藍地の作品ですね。



藍釉がこれほど鮮やかに発色している作品は稀有です。



割れのない完品もまた・・。



まるで花火のような美しさです。

骨董の蒐集も着ている物も、晴れの場では男の身につけるものは粋でありたい。



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