乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

4月の乙女高原自然観察交流会(兼 ヤマアカガエル産卵調査

2018年04月07日 | 乙女高原観察交流会

参加した井上さんがレポートを書いてくださいました。 

4月7日、観察交流会が行われました。今年は春の訪れが早くて、集合した道の駅も新緑の季節になっていました。そんな中、初めて参加する方も含め、6名が車に分乗し、出発です。今回はヤマアカガエルの産卵調査もかねてということで、途中のポイントに立ち寄り、観察しました。まず金桜神社上のポイントですが、ここでは産卵は確認できませんでした。もう3年くらい産卵は見られないとのこと。林道わきにキブシやアブラチャン、ヤナギの花などたくさん見られました。

 昨年、カタクリを見つけた山の神の所に立ち寄ってみました。まだ、開いていませんが、数輪のカタクリに出会えました。ここでは林道わきの斜面にヒナスミレがたくさん咲いていました。薄ピンクのかわいい花です。エイザンスミレも咲き始めていました。

 次にカエル池と呼んでいるポイントです。3月の観察会で卵塊と親のヤマアカガエルも確認された所です。ここではもうみなオタマジャクシになっていて、小さな池の中にオタマジャクシがたくさん泳いでいます。オタマジャクシが塊になっている所が2カ所あり、なぜだろう、エサになるものがあるのだろうかなど話し合いました。ミソサザイのさえずりがよく聞こえ、タチツボスミレやアカネスミレ、ヒトリシズカも咲き始めていました。

 しばらく行ったカツラの大木の所にも立ち寄りました。芽吹きの赤い色が遠くからもよく見えます。カツラの木の根元まで降りて行くと、ヤマエンゴサク、コガネネコノメ、レンプクソウなどが咲き始めていました。渓流沿いにはハナネコノメ、ツルネコノメ、ユリワサビなども咲いていました。キセキレイが岩の上で尾を振っていたり、茶色いヘビにも出会いました。少し前の暖かさで冬眠から目覚めたのでしょうが、この日は冷え込んで、ヘビもあまり動きませんでした。家に帰って調べたら、ジムグリというヘビでした。こんな調子で、いつものことながら、なかなか高原にたどりつけません。

 柳平でゲートのカギを開けて中に入り、次のポイントの湿地帯へ。ここにはヤマアカガエルの卵がありました。1週間前に植原さんが確認した3腹と新たに確認できたものが6腹で、合計9腹でした。ここまで登ってくるとさすがに風が冷たく、まだ木々の芽吹きもほとんど見られません。3月の観察会で発見したシカの死骸は影も形もなくなっていて、誰がどこに持ち去ったのか謎です。

 

 昼近くになり、ようやく乙女高原へ。谷地坊主のある湿地でカエルの卵調査です。ここではたくさん見つかりました。1週間前のものも合わせて、20腹もありました。まだ産んだばかりと思われる新鮮なものもありました。流れの中にも1腹あってびっくりです。まだ新鮮で、透明できれいでした。植原さんが触っているうちにひっくり返ってしまい、裏側には卵の一つ一つに白い点があることも発見しました。バッコヤナギは花が咲いていました。枯れ草の上に土や枯れ葉が混ざったものがソーセージ状にあり、植原さんから「春のエボジと呼んでいます」との話を聞きました。エボジ・・・初めて聞いた言葉でした。ヒメツチハンミョウをいくつか見かけました。青いきれいなメタリックカラーです。オスの触覚の特徴を教えてもらいました。

 

 

 ここで2人が先に下山するので植原さんがゲートの所まで送っていき、その間に塚田さんからコケのレクチャーを受けました。雌花と雄花があること、その生殖の仕方など、昼食時もこの話で盛り上がりました。植原さんが戻ってきてから、もう一か所、奥の湿地も調査しました。1週間前の1腹と新たに2腹ありました。湿地ではクリンソウやバイケイソウの芽吹きが見られました。

 昼食後、塚田さんが準備してきたコケの表示を付けながら、森のコースを登りました。ミズナラの広場のミズナラの木についているコケだけでも数種類あり、3つの小さい表示板をつけました。また登山道わきにも何カ所か表示を付けました。コケは何百種類もあり、見分けにくいので、表示板と一緒に写真に撮ったり、見分け方を教えてもらったりもしましたが、なかなか難しいです。乙女高原でコケにも興味を持ってもらえるといいと思いました。

 

 

 

 展望台では雲も多かったですが、富士山がよく見えました。スミレがないかと探しましたが、小さい葉がでたばかりです。やはりまだ時期が早いかと思っていたら、紫色が目に飛びこんできました。スミレが一輪、それも何とエゾアオイスミレです。上品な青みがかった色の花と、毛深い葉が出はじめたところでした。ここでエゾアオイスミレを見たのは初めてです。嬉しかったです。草原を下って行くと、ツノハシバミの赤い雌花が咲いていました。草原内には小さな草が芽吹いたばかりで、花は全くありません。ゴジュウカラやヒガラの鳴き声やコゲラのドラミングなど聞こえてきました。

 高原を後に、塩平への林道を下りました。途中にマンサクやミツバツツジが咲いていて、ヒカゲツツジも咲き始めていました。自然観察路の入り口で、スミレを探しました。フモトスミレが咲き始めていましたが、以前見たエゾアオイスミレは見つかりませんでした。他のスミレもほとんどありません。まだこのあたりは浅い春というところでしょうか。塩平から西保地区の辺りは桜が満開でミツバツツジもきれいでした。下界は色とりどりにさまざまな花が咲き、春たけなわです。この時期は高度差でさまざまな春に出会えて楽しいです。春は徐々に山を登っていきます。毎週のようにその様子を見に行きたいと思う季節です。楽しく、有意義な一日でした。

 

コメント
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