流れていく

目にするもの、すべてが句になり、歌になり。
そして書き留めなかった言葉たちは、そのまま流れて消えて行ってしまう。
市井の人々の延々と続いてきた生き様のように、歴史にとどめられることもなく、言葉も消えていく。
季節ごとに咲いては散っていく花。夜の湿った空気のにおい。
明け方の細い月。
仄明るくなっていく東の空。
鳴き交わす小鳥たちの声。
みんな、いつの間にか消えていく。

今日、ツバメの巣が空になっていた。
昨日、撮影した時には四羽して固まっていた雛たち。
無事に巣立てただろうか。
そこらには、もうセキレイや雀たちしか見えない。
巣立ちは、安堵と不安を呼ぶ。
どちらでも、現実にあたしにとっては何も変わりのない出来事だ、と思ってしまえば、まったくそうなのだが。
自然の営みのうねりの中で、同じ時と空間とを所有し合った、小さな縁。

幸せでありますように、とだけ、祈る。

朝顔が芽を出して。
少し伸び始めたので、手をやった。細い竹を切ったもの。
うまく巻き付いてくれるといいな。
今年はどんな花が咲くだろうか？



心は、落ち着いただろうか、と、わが身に問いかける。
震災はもう遠くなったというのに。
雨が降ると、胸の奥がざわざわする。
この気持ちは、いつ、薄れてくれるのだろうか。

うーのが、なんだかおとなしい。
とってもめずらしく、そばに来て、さわらせてくれた。
すぐ脱兎のごとく逃げたけど、ね＾＾；；

猫も、雨だからおちついている、だけなんだろう、と思うけど。
いつもと違う、ということが、なんだか胸に小さなささくれのように刺さる。

東北地方も、梅雨に入った、らしいですよ。
例年より二十日も早い、とか。

写真は撮っているけど、パソコンに取り込む気力がわかない。
雨のせい、だよね。たぶん。
うん。