主役は3人。雑誌編集長の水島香苗(演:広末涼子)、完璧な殺し仕事人のコンドウ(演:香川照之)、三文役者の桜井武史(演:堺雅人)。内田けんじ監督。
それぞれ無関係に三つの出来事が起きる。水島は相手もいないのに日取りを先に決めて結婚宣言する。彼女の父親が重病で間もなく他界することを知っていて、親孝行のつもりだ。コンドウは例のように完全殺人のあと、汚れた体をきれいにするため、銭湯に立ち寄る。三文役者の桜井は所持金が2000円を割った段階で自殺を試みるが失敗。しかたなく疲れた体で銭湯に行く。
ところが、コンドウが石鹸を踏んで転倒し頭を打って病院に運ばれる。ふと魔が差した桜井は裸で病院に運ばれたコンドウの衣服や所持品を自分のものと交換してしまう。その後、コンドウは病院で過去の意識を失ったことを知り、自分が桜井であると思い込み、汚いアパートで演劇の本で勉強を始める。その頃、水島と出会い、交際が始まる。
一方、桜井はコンドウになりすまし、高級車に乗ったり、高級マンションで生活したり、クッキー缶に隠されていた大金を見つけ、使い始める。
しかし、コンドウ(実は桜井)にかかってきた一本の殺しの依頼電話からストーリーは動き出すわけだ。役者は殺人の計画を練るが、被害者がかわいそうで逃がそうと考えるし、桜井(実はコンドウこと山崎)は水島と一緒にベートーベンのアナログレコードを聴いたとたんに、記憶が復活。大慌てで全員が走り始めることになる。
で、この映画は、ここからが面白いのだが、一見して喜劇的に終わる。殺し屋は実際には今までに誰も殺さず、殺したことにしてターゲットの人間に新しいIDを探して逃がしてしまう。つまり両サイドから依頼料をとるわけだ。不動産取引と同じだ。
しかし、よく考えると、本当に逃がしていたのかどうかは、映画の中でコンドウが語っていたに過ぎないわけだ。なんとなく不安を感じる。こども一人が行方不明のままだ。
日本では、様々な映画賞を受賞したものの興行的にはパッとしなかった。この手の登場人物が実際には日本にいないからリアリティが足りなかったのかもしれない。
しかし、その後、隣のK国でリメイク映画が2016年に公開され、こちらは観客の評判が高かったそうだ。やはり、「できないことでも、目標をたてれば必ず実現すると信じる人」や、「利益を得るためには、周り中に嘘をついてもいいと思っている人」や、「苦しいときには死にたいと口走りながらも、他人の成果を横取りする人」の存在にリアリティがあるからかもしれない。
それぞれ無関係に三つの出来事が起きる。水島は相手もいないのに日取りを先に決めて結婚宣言する。彼女の父親が重病で間もなく他界することを知っていて、親孝行のつもりだ。コンドウは例のように完全殺人のあと、汚れた体をきれいにするため、銭湯に立ち寄る。三文役者の桜井は所持金が2000円を割った段階で自殺を試みるが失敗。しかたなく疲れた体で銭湯に行く。
ところが、コンドウが石鹸を踏んで転倒し頭を打って病院に運ばれる。ふと魔が差した桜井は裸で病院に運ばれたコンドウの衣服や所持品を自分のものと交換してしまう。その後、コンドウは病院で過去の意識を失ったことを知り、自分が桜井であると思い込み、汚いアパートで演劇の本で勉強を始める。その頃、水島と出会い、交際が始まる。
一方、桜井はコンドウになりすまし、高級車に乗ったり、高級マンションで生活したり、クッキー缶に隠されていた大金を見つけ、使い始める。
しかし、コンドウ(実は桜井)にかかってきた一本の殺しの依頼電話からストーリーは動き出すわけだ。役者は殺人の計画を練るが、被害者がかわいそうで逃がそうと考えるし、桜井(実はコンドウこと山崎)は水島と一緒にベートーベンのアナログレコードを聴いたとたんに、記憶が復活。大慌てで全員が走り始めることになる。
で、この映画は、ここからが面白いのだが、一見して喜劇的に終わる。殺し屋は実際には今までに誰も殺さず、殺したことにしてターゲットの人間に新しいIDを探して逃がしてしまう。つまり両サイドから依頼料をとるわけだ。不動産取引と同じだ。
しかし、よく考えると、本当に逃がしていたのかどうかは、映画の中でコンドウが語っていたに過ぎないわけだ。なんとなく不安を感じる。こども一人が行方不明のままだ。
日本では、様々な映画賞を受賞したものの興行的にはパッとしなかった。この手の登場人物が実際には日本にいないからリアリティが足りなかったのかもしれない。
しかし、その後、隣のK国でリメイク映画が2016年に公開され、こちらは観客の評判が高かったそうだ。やはり、「できないことでも、目標をたてれば必ず実現すると信じる人」や、「利益を得るためには、周り中に嘘をついてもいいと思っている人」や、「苦しいときには死にたいと口走りながらも、他人の成果を横取りする人」の存在にリアリティがあるからかもしれない。