新潮社の書評誌「波」に連載中の椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』の第四回、23年12月号の小文はチベットのこと。その末尾に有名な鳥葬のことが書かれている。
今まで、鳥葬というと、死者を山の上に運んでおくと、大小の鳥類がつついて、そのうちに後片付けに行くのだろうと思っていたのだが、椎名レポートを読むと、そんなに生易しいことじゃないようだ。
まず、鳥葬に集まってくる鳥は、「はげたか」だそうだ。かなり大型の鳥だ。そして動物の死肉が好物である。地球上を覆い尽くすような大災害が起きた場合、はげたかだけが生き残るといわれている。そして、遺体は「まないた岩」というまないた状の岩にうつぶせに乗せられる。その段階ではげたかが群がってきて、追い払うのが大変だそうだ。
そして、鳥葬士という職業の人間に、背中をまっすぐ切られて内臓を取り出される。うなぎみたいだ。そして、細かく切り分けられるそうだ。食べやすいようにだ。骨はハンマーで砕かれ、麦の粉で作るナンにくるんで食べやすいようにされる。
そして、数十分ではげたかは食事を完了する。後には何も残らない。他の土葬や火葬に比べて葬儀料金が安いそうだ。
ところが、最近、チベットにもジャンクフーズが押し掛けてきて、そういった自然界にない味のものを食べ続けた人間の遺体を、はげたかが食べ残すということが起きているようだ。
というのは椎名誠氏の意見なのだが。本当は違うのではないだろうか。
確かに、人間が食べる肉牛だって、エサの種類によって味が変わっている。
はげたかが食べ残すというのは、味がケミカルっぽいからではなく、まだ、その味に慣れていないということなのだろうか。
今まで、鳥葬というと、死者を山の上に運んでおくと、大小の鳥類がつついて、そのうちに後片付けに行くのだろうと思っていたのだが、椎名レポートを読むと、そんなに生易しいことじゃないようだ。
まず、鳥葬に集まってくる鳥は、「はげたか」だそうだ。かなり大型の鳥だ。そして動物の死肉が好物である。地球上を覆い尽くすような大災害が起きた場合、はげたかだけが生き残るといわれている。そして、遺体は「まないた岩」というまないた状の岩にうつぶせに乗せられる。その段階ではげたかが群がってきて、追い払うのが大変だそうだ。
そして、鳥葬士という職業の人間に、背中をまっすぐ切られて内臓を取り出される。うなぎみたいだ。そして、細かく切り分けられるそうだ。食べやすいようにだ。骨はハンマーで砕かれ、麦の粉で作るナンにくるんで食べやすいようにされる。
そして、数十分ではげたかは食事を完了する。後には何も残らない。他の土葬や火葬に比べて葬儀料金が安いそうだ。
ところが、最近、チベットにもジャンクフーズが押し掛けてきて、そういった自然界にない味のものを食べ続けた人間の遺体を、はげたかが食べ残すということが起きているようだ。
というのは椎名誠氏の意見なのだが。本当は違うのではないだろうか。
確かに、人間が食べる肉牛だって、エサの種類によって味が変わっている。
はげたかが食べ残すというのは、味がケミカルっぽいからではなく、まだ、その味に慣れていないということなのだろうか。