アブダビとドバイの関係は、東京と大阪のようなもの

2009-12-16 00:00:06 | 市民A
dubaiドバイショックが起きている。政府系の不動産会社である「ドバイワールド」がデフォルト状態になり、さらにドバイ政府がこれを助けないということである。かなりのでたらめぶりだ。しばらく前には世界最高の贅沢航空会社であったエミレーツ航空が破綻の危機に陥り、これもドバイ政府が見捨てたものを、UAEとして連邦を組む隣のアブダビが出資して危機を脱している。

このあたりの事情は、裏が複雑でよく見えないが、まずUAEというものを考えてみる。

United Arab Emirates が英語名である。日本語ではアラブ首長国連合となっている。このEmirateという単語を「首長国」と苦しい訳語を当てているのだが、本来は「酋長(しゅうちょう)」という意味で、国民ではなく「土人」が住んでいるわけだ。「酋長」も「土人」も差別用語となっているため「首長国」の「国民」ということにしたのだろう。

親米国家ということになっているが、民主主義からは北○○以上に離れているということすらできる。選挙権は選ばれた非常に少ない人たちに限られている。さらに、各国の王室は封建君主の座を享受している。以前、アブダビの皇太子邸(敷地は球場位)の横の道を通過した時にチラッとみたのだが、皇太子邸の四方に四人の奥方用の大邸宅が配置され、空中回廊で行き来できるようになっていた。


そして、UAEとして連邦を組むのはアブダビ、ドバイ以外に5ヶ国で、計7ヶ国だが、豊かなのはアブダビとドバイ。原油が産出されるからだ。

といっても、実はドバイの原油は、油田の生産量も少ないし、埋蔵量も少ない。UAE全体の原油生産量は、日量260万バレル前後であるが、うちドバイは20万バレル程度。埋蔵量から言えば、UAE全体の4%しかない。

しかも、最近、原油生産量についてのOPECの生産カルテルの外側として、各石油生産国は、天然ガスとか天然ガソリンといったカルテル枠外品の生産に力を入れているが、ドバイにはそれがない。

ドバイワールド社はじめ多くの不動産会社によるハコモノ再開発の結果、国内消費エネルギーが不足して、アブダビや隣国カタールから天然ガスを輸入。輸出する原油より多くのエネルギーを輸入することになってしまった。(つまりエネルギー価格が上がると、損をする)

では、なぜドバイ原油がWTIや北海ブレント原油といった指標原油と並んで、中東原油の指標して有名なのかだが、たいした理由はない。普通の国は、原油を安定的に売るために、かなりの数量については、特定の会社や国と長期(1年~3年)契約を結ぶのだが、ドバイ政府は何もしなかったわけだ。放任主義だったために、価格はそのつどのマーケット価格で決めることになった。スポット価格方式である。

そんなことで、将来、原油を掘り尽くすと「砂漠に戻るだけ」というのが実態だったので、次の産業が絶対に必要と思ったわけで、「大リゾートセンター」の建設を始めた。このあたりは規模の違いはあっても中東産油国共通の課題であり、それぞれ違う道を模索している。

それらの努力が、実際に成功しているかどうかは微妙なところだが、ドバイは「ハコモノ」に邁進し過ぎたわけだ。夏に行けばわかるが、気温45度、湿度85%が快適かどうか、もう少しマーケットリサーチが必要だったのではないだろうか。ハコモノの特徴としては、「作ることに意義があり、できた後は、なるべく維持費が高いほうがいい」というのが世界共通のルールであり、まさに将来の破綻が約束されたようなものだった、とは言い過ぎだろうか。

結局、UAE全体の首都であるアブダビがドバイのあけた穴を埋めることでとりあえずの危機を脱するのだろうが、ドバイ発の次なる不安な兆候は高騰中の「金相場」かもしれない。大きな金市場であった中東マーケットはすでに飽和状態で、私見で言えば「Xデイは来る」と思っている。その時、再びリーマンショックの第二ラウンドが始まる可能性はあるだろう。

ところで、こういうドバイとアブダビの関係だが、大阪と東京の関係に似ているように思える。根拠なきハコモノを大量に建てた大阪府(大阪市)は、すでに破綻危機に陥っている。

さらに調べていて発見したのだが、ドバイと大阪とは、姉妹都市の関係になっていたわけだ。

室蘭語に惑わされないように

2009-12-15 00:00:40 | あじ
hokkaido1鳩山首相の「こども手当」のアイディアは、自ら超高額の「こども手当」を受け取っていたことからの発想だったのだろう。「贈与なら贈与税を払う」と宣言したようだが、「贈与なら贈与税を払わなければならない」というのは、単に義務である。もっとも「稼ぐ脳科学者」の茂木先生も、税務署を税理士代わりに利用したようだから、現首相もそういうつもりだったのかもしれない。

さらに、「高速無料化」の原点だが、彼の選挙区である室蘭にある、白鳥の姿をイメージした「室蘭大橋」にあるのかもしれない。室蘭市内から札幌方面ではなく反対側の函館方面への近道としてすばらしく巨大な構造物である。もともと利用者が少ないのに有料にしたら、ほとんど通行車両がいなくなる。しかも補修費だけでも赤字になる。

hokkaido2結局、引き受け手がない橋になり、管理主体がないため結局無料になった。(また有料になったという未確認情報もある)

しかし、当初から橋の材料となる鉄骨は地元の製鉄所から、
高炉閉鎖しないための政治工作という噂もあった。「コンクリート」という用語を公共事業の象徴としてイメージ付けしているのは、有権者が「鉄骨」をイメージしないための作戦なのかもしれない。

室蘭の調査を目的としたわけではまったくないが、先日遊びにいった北海道シリーズの追加として、都内で北海道料理の追加を食べることになる。

hokkaido3そして、いきなり驚いたのが、「室蘭のヤキトリ」。

ヤキトリというのが「鳥」でなく「豚」であるところがフェイクである。それも脂ギトギトである。これぞ室蘭語だろう。彼のコトバを鵜呑みにしてはいけないということだ。

次に、南幌の「やみつきキャベツ」。キャベツにジンギスカンのタレがかかっている。私は平気だが、嫌いな人の方が多いのではないだろうか。

さらに「鮭のからあげ」。これはあまり出ない料理だが、見た目よりもずっと美味しい。

そして飯寿司。「いずし」と読む。食べた素材は、紅鮭、ホッケ、ハタハタ。飯寿司というのは飯の寿司と書くのだから、お腹に溜まるものだろうと予想していたが、まったくハズレ。ちょっと酸っぱい発酵食品だ。

hokkaido4室蘭、いとおそろし。

薄井ゆうじ氏を2作

2009-12-14 00:00:15 | 書評
毎年目標にしている「年間100冊読み」だが12月の中旬になって95冊。いつものように10月頃の状態では達成可能かどうか怪しい状態だったが、いつものようにたぶん達成できるだろう。そうなると、冊数を増やすために、厚さの薄い小説とか読むのだが、名前からして「薄い」作家である「薄井ゆうじ」氏の小説を2冊読んだ。

usui「竜宮の乙姫の元結の切りはずし」と「彼方へ」。

今までに読んだことのない作家だったのだが、小説の構想はしっかりしている。たぶん、来年には、さらに何冊か読んで、それでさらに読み続けるか、やめるか決めるのだろう。

「竜宮の乙姫の元結の切りはずし」は、浦島伝説をベースにして、現代の浦島太郎を地で行く老人と、竜宮探しをする女性ダイバーと主人公の若者の何気ない話なのだが、「浦島体験」を過去に味わって、もう一回竜宮城に行きたいという怪しい夢を小説の基軸にドーンと置いてしまって、それなりに筋立てを組み立てられるのはストーリーテーラーとしても腕前なのだろうか。

「彼方へ」は、短編集。書き飛ばしているような感じはなく、芥川の短編のように、かなり細かく定跡どおりの古典的短編小説というのだろうか。一編ごとの完結感がある。

ただ、主人公が本の中から実社会に逃走して、私の目の前に登場するのではないか、というような迫力には少し欠ける。

もっとも2作しか読んでいないので、そういう超小説的作品があるのかもしれないし、作家としてまだ未完成で、そのうち大作を仕上げるのかもしれない。

ということで、続きは来年ということ。


まだ100作に到達していないのだが、今までの中では村上春樹『1Q84』に触れるべきかもしれないが、私の中では『ねじまき鳥クロニクル』の方が上ではないかと、思っている。「ねじまき」も当初2冊が発売され、翌年に完結編という流れであったが、「1Q84」も同じことになりそうだ。

余計ながら気になるのは、『1Q84』の1部2部でかなりの「不可解な謎」をばらまいてしまったので、果たして最終編で完結できるのだろうか、ということ。(でも、たぶん書き上っているのだろうが)

柔道グランドスラム

2009-12-13 00:00:38 | スポーツ
柔道など観に行った。東京千駄ヶ谷の東京体育館。2階自由席。そういえば数ヶ月前にここに来た時には、将棋大会で、一階のアリーナ中央で対局していた。上から下を見下ろすのと、下から上を見上げるのではずいぶん風景も異なるし、気分も違う。

judo1やはり、観客になるよりも選手の方がいいが、そんなこと言っても柔道の国際大会だ。しかもこういう国際試合のポイントの積み重ねが世界ランキングに結びついて、オリンピックや世界選手権の出場資格になる。旧嘉納治五郎杯が少しレベルアップしたようだ。2009年は、パリ、モスクワ、リオデジャネイロと柔道の盛んな都市を回って、最後が東京。(解説書には、25都市を結ぶワールドツアーの総決算!となっているが、意味はわからない)

それでいつも柔道の試合で思うのだが、開始時間だけがチケットに書かれている。午前9時半とかだ。そしてテレビの放送が夜7時なので、うっかり夜6時ころに行くと、表彰式だけを見ることになる。

もっとも、観客は元柔道マン(ウーマン)と現役柔道マン(ウーマン)がほとんどなので、そういうことは常識なのかもしれない。

judo2本当はヒイキ選手もいるのだが、日程の都合で他の日に行ったのだが、やはり現地で観るのはテレビで映らない部分も観ることができる。

決勝の前の休憩時間には、表彰式に登場する振袖ギャルが大人気で、外国選手やコーチ(もちろん男性)は、ギャルの中に入って記念撮影をするのだが、記念撮影の順番待ちの列をごまかす奴等が現れる。もちろん欧州の二流国だ。

試合の解説など書けるわけもないのだが、この競技はやはり、若干のかけひきとか頭脳プレーも必要というように思えるわけだ。ただ、あまりにも卑怯に逃げ回る選手が、結局逃げ切れずに投げ飛ばされると、より会場が盛り上がるわけだ。

観客席の方の事情というのもやや複雑で、どうも柔道をするような人たちって、かなりお行儀が悪い。私語は多いし、前のあいた席に後席から足を伸ばしたりする。くさい。

judo3そして、表彰式だが、韓国の国旗というのは、本当に難しい。縦横右左裏表微妙に異なる。かなりの確率で表彰式の国旗掲揚で向きが異なる掲揚となっているのだろうが、日本人が間違えた場合のみ国際紛争になるのだろう。その点、日本とスイスの国旗は、お気軽だ。間違えてもOKだ。

そして、国歌。全員起立までして、国歌吹奏に合わせて歌う観客はほとんどいない。感じでは5%。外国人選手からみたら、まったく理解できないだろう。もちろん原因は国歌のメロディではなく、歌詞の方だ。

戦後日本の長年の課題。

社民党も、どうせ1年しか政権に就かないのだろうから、ただ1点、国歌の作詞について提案したらどうなのだろう。(ただし、社民党は国歌のメロディについても否定していたのかな?あれはあれで、雅楽と洋楽の折衷案みたいなところもあって、近代日本の苦悩みたいな気分がよくでているのだと思っているのだが)

みたいなところもあって、近代日本の苦悩みたいな気分がよくでているのだと思っているのだが)

そして賞金大会だった。優勝者が受け取るパネル大の小切手には、『●5000』と書かれている。●の文字が遠目でよく読めないが、たぶん「円」とか「ウォン」ではないだろう。

SHOGI-BAR?

2009-12-12 00:00:09 | しょうぎ
時々まとめて読むブログに、渡辺竜王の『渡辺明ブログ』があるが、12月6日号に橋本七段が最近、池袋に開店した「SHOGI-BAR」に行った夢をみた、と書かれていた。

それを読んだからかもしれないが、私もSHOGI-BARに行った夢を見てしまったのだが、そのBARの店内が、レム睡眠中に夢の中で組み立て可能だったのは、以前、別のSHOGI-BARに行っていたからだろう。

それは、赤坂にあって、元松下社員ではあるもののどうみてもコワソ系のマスター(社長)が、何人目かの奥さんをママにしていた。

単価は3000円で、将棋客は3割位だったか。マスターは四段位で、たいていの客よりは強いのだが、手を抜いて負けそうに指すのが得意のように見えた。ママは初段位で普通のお客さんは、ママの方と指して喜んでいた。

お客様を5人集めて職団戦にも出場していて、一度は、助っ人にいったが、まあ相当弱いチームで、BARに戻ってから練習すると(練習と試合の順番が間違っているとしか思えないが)、二枚落ちでちょうどいいくらいだった。つまり、そういうレベルのお客さんが多いわけだ。

客として嫌だったのが、プロ棋士などの話で、「何々先生が来てくれた」とか、「○○ー将棋部の部長」が来たとか、元小中学生名人が来たり、※長氏にリストラされたと自称する元女性職員とか。

しかし、将棋を新聞やテレビでみて、「将棋指しを尊敬しているような人」はあまりSHOGI-BARには来ないようだ。単に自分で将棋を飲みながら指すのが好きな人が、やってくるわけだ。ゴルフやサッカーなんかもそうだが、見る人とプレーする人は別の感覚ということ。

だから、単価を3000円から4000円に改定したとたんに客数が激減。さらに、ママ(奥様)がGという病気で長期治療が必要ということになり、ついに閉店。

(世の中には、「Gが治った!」と、はしゃいだように闘病記を公開する人もいるが、『ついに未完に終わった闘病ブログ』がいくつもNETの海に漂流しているのを読んでみれば、普通の感覚の人なら、謙虚な気持ちにもなるはずだが。)

ということで赤坂の店がなくなってからは、ちょっと手持ちぶさただったので、SHOGI-BARの話題性が消え失せ、プロ棋士や元プロやアマ高段の来店が一巡し、それらの人たちがまったく興味を失って、顧客数が一晩で10人を切った頃を見はからって、のぞいてみようかと3月初め頃を念頭に入れている(現役プロ棋士にとって、もっとも酒場に行かない時期だろうし)。

池袋という設定だが、将棋連盟から徒歩5分にある東京メトロ副都心線の北参道駅を利用すれば、ドアtoドアで30分程度。棋士の財布を狙っているのかもしれないのだが、現在の棋戦スポンサーであるマスコミ、タバコなどの過去産業性を考えれば、まもなく棋士のサイフの中身は満州国紙幣のようなものになるのかもしれない。

さらに、BARのまわりには「あいまい宿」とか「石鹸屋」が多いらしいので、たどりつけるのかな。

さて、11月28日出題作の解答。



▲1四飛 △2三玉 ▲4一角成(不成) △3二桂 ▲2四飛 △3三玉 ▲4四金 △同桂 ▲2三飛成まで9手詰。

途中の▲4一角成に対し桂以外の合駒は7手詰めになる。

2手目に△2三玉ではなく△2二玉だと、▲1一飛成 △3三玉 ▲3一竜 △2三玉 ▲2一竜 △3四玉 ▲4四金で題意と同じ9手詰めだが歩が一枚余るので、玉方の逃げ方としては不正解になる。

5手目と7手目がそれぞれ桂の効き筋に駒が入るので、目の錯覚を起こしやすいというだけの問題なのかもしれない。


今週の出題。攻め方の駒が大量に存在。



あれこれと動かして王を捕まえるのだが、いざ貼り付けてみると、紛れ筋が少ない凡作に見えてきたが、まあしかたない。

わかった、と思われた方は、コメント欄に最終手と手数を記していただければ正誤判断。

ブラジルセミナーで聴いたブラジル料理

2009-12-11 00:00:39 | あじ
先週後半に都内で開かれたブラジルセミナーに行った。ある証券会社が、ブラジル関係の投資信託を顧客に安心して買ってもらうための説明会と言ったらだいたい正しい。

brasil0第一部は、ブラジルそのものの現状ということで、ジェトロの方のトークだが、いきなりボサノバの生演奏から。中村善郎さんという名人による「ブラジルの水彩画」という曲目。

そして、ブラジル講座が始まる。過去を思い出せば、軍事クーデター(1964年)があり、外国民間銀行からの融資に対する「モラトリアム」があり(1987年)、年率2000%のハイパーインフレ(1990年代前半)がある。大統領が裁判にかけられたり、政界汚職は多い。

そんな国でも、安心だ、ということを言いたいわけだ。もちろん、実際にブラジルに行くと、あまり安全じゃないのは自明なので、国家財政が破綻したり、企業が国営化されたりとか、そういう方面の安全の話である。

結構、聴いていて日本と似ているところもあるなと思ったのが、政治の未成熟ぶり。民主主義が幼稚な段階なので、たいして政策の違わない政党がたくさんあり、議員の方も当選したら政党を鞍替えしたりする渡り鳥が多いそうだ。

また経済的には1970年代の年率10%の成長率を続けた結果、破綻。その後の危機を乗り越えて、再び5%成長路線を歩もうとしているそうだ。

brasil1現在の大統領であるルーラは、労働者党に所属し、左翼的政策を打ち出し2003年に当選。チャべスと仲良しとか副大統領はゲリラ出身とか色々と懸念されたようだが、政権につくと一転して「安定から成長」に路線変更。実際には、前政権はインフレ対策に追われ、やっと経済が落ち着いたところで、汚職発覚ということで、「単に運がいいだけ」という人もいるらしい。

「運がいい」というのは資源価格の高騰も後押し。慢性的な対外債務国から脱却し、債権プラス国に格上げ。その他の幸運に恵まれ、安定的な成長路線が始まったというようなことらしい。

その結果、富裕層と貧困層の間にある中間層の数が増えて、内需も旺盛になっているそうだ。

どうも日本を出し抜いて国連の常任理事国の椅子を狙っているようである。


ゲストとして、HSBC、ゴールドマンサックス、日興アセット(シティ)と、世界三大マネーハンター民族(華僑、ユダヤ、バイキング)のアナリストが、いかに魅力的で安心な国であるか、強調していたが、3社の中で、ブラジルに行ったことがあるのは一人だけのようだった。

brasil2そして、中休みには、地元シリーズということで、ブラジル産コーヒーの試飲会。『カルモ・シモサカ・ボルボン』というサッパリ系と『カルモ・シモサカ・エスペシャル』という王様系を飲んでみる。

やはり、本物だ。

そして、ブラジルに行ったことがないに決まっている帝国ホテルのパティシエ氏の手によるブラジル風とは思えないケーキを食べた後で、ブラジル料理の話になる。

主食は、コメとフェイジョン(インゲン豆のスープ)。それと牛肉。コメの上にフェイジョンをカレーのようにかけて食べる。最近はパスタの上にかけたりもするそうだ。おそらく、名古屋名物の「あんかけスパゲティ」と同じ味なのだろう。

その他、キャッサバ芋など。牛肉はシュラスコ料理というのが有名で、日本にもある。以前、私がよく行っていたシュラスコ店が、本セミナーで紹介されてびっくりしたが、そこには多くのブラジル人Jリーガーたちが、カソリック国らしく子沢山で押しかけていて、肉の食べ放題コースを攻略しているのが見られる。サッカー以上に速攻がうまい。

そして、変化を続けるのがブラジル料理の特徴ということで、スシ(太巻き)やテマキスシも現れているそうだ。日本の手巻き寿司は、説明不要だろうが、ブラジルのテマキスシは、コメより具の方が多く、一本食べれば満腹になるらしい。

brasik4さらに、1990年代から「Por Kilo」というレストランが繁盛しているそうだ。バイキング形式で、仕切りのない大皿に、さまざまな料理を盛り付けて、御代は、種類にかかわらず重量に対して計算される。コメや野菜や肉も寿司もすべてが平等である。

日本でもお子様ランチは、こういう一緒盛りだが、皿には仕切りがあったような気がする(よく覚えてないが)。仕切りがないから、結果として刺身とビーフストロガノフが混じったりするのだが、ブラジル人はまったく気にしないそうだ。

さらに、わざわざ、色々と皿の上で混ぜ合わせて食べたりする人も多いそうだ。

これは、ブラジルそのものが、さまざまな民族と地域性が混ざり合いながら常に新しい方向を模索するという文化を持っているから、ということらしい。


なお、私見だが、ブラジル関連投資については、今から大金をつぎ込むのには、ちょっと出遅れという感じもするので、まあ、自己責任でどうぞ、ということである。

不気味さが漂う

2009-12-10 00:00:53 | 市民A
新橋のオフィス街の一角に居住していたEさん(21)が、自宅に乱入したストーカーに襲われ、祖母とともに刺殺されたのが8月3日。

事件の一般名称としては「新橋耳かき嬢殺人事件」ということになっているようだ。40台の犯人の男は、千代田区(神田?)の耳かき店に入り浸り、Eさんを指名して、月に30万円以上使っていたそうだ。相場は30分2700円ということだそうで、30万円使うには111時間通わなければならない。

典型的なストーカー殺人であり、祖母まで刺殺してしまったことで、裁判員制度で初の極刑判決ではないかと予想されている。犯人に同情すべき点は見出せない。

mimikakiところが、犯行現場から約5分もあるけばJR新橋駅があるのだが、最近気付いたのだが、「耳かき店」の広告が正々堂々とホームに大露出している。

「○○耳かき店」

どうも、駅の近くにあるらしい。

30分2700円。ひざまくらである。極上の癒しだそうだ。

しかし、・・・

ちょっと犯行現場と近すぎるのではないだろうか。


ところで、30分も耳かきをすると、耳の皮が擦りむけてしまいそうなのだが・・

Just do it! の男

2009-12-09 00:00:11 | スポーツ
tw1「Just do it!」というのは、NIKEの有名なコピーだ。「すぐにやろう」という意味や、「やるっきゃない」というような感じだろう。実際に、Just do it!を実行したのは子ブッシュ大統領ぐらいだと思っていたら、NIKEの看板男であるTiger Woodsがそうだった。

現在のところ、発覚した愛人が11人だそうだ。モデル、ウェートレス、ホステスにAV女優まで登場。実名公開の人と公開していない人がいるそうだ。当初1ダース(12人)に届くか、と言われていたが、今度はクラブの本数(14人)とかホールの数(18人)とか噂されている。

どうも長続きしないタイプで、こういう刹那的な関係でも「愛人」と言っていいのだろうかと少し思う。単に売春クラブみたいな感じだ。

思うに、彼のゴルフは4日間のトーナメントの最終日になって爆発することが多い。土曜から日曜にかけてアドレナリンが過剰に出てきて、たぶん日曜の夜とか月曜には、余ったアドレナリンのせいで、do itをしたくなるのだろう。

さらに、新しい話として、現在の妻エリンさんも、元々モデルであって、タイガー氏が別の女性と交際中に浮気相手として登場したそうだ。だから、その時交際中の女性から見れば、エリンさんだって愛人バンクの一人ということになる。

つまり、結婚(婚約)してから後のことだけが問題というわけじゃなく、その前のことだって同じということだろう。思い出すと、婚約と結婚の間がずいぶんあいていて、さらにその時、調子が悪く、「結婚準備が多忙で調子が悪い」というような説明をしていて、少し気になった。長々と結婚準備をするのも変だし、それで調子が悪いというのもなかなか信じられない。今まで名前が登場していない別の愛人たちに手切れ金を渡していたのだろうか。


ところでNIKEの話。

tw2NIKEのゴルフクラブを何本か使っている。ドライバーなどのウッドとサンドウェッジ。さらにボールにキャディバッグ。このうちドライバーはいい当たりをすると、乾いた高音が響くことになる。NIKE特有の音である。

練習場で少し恥ずかしいわけだ。最近思ったのだが、銃声の音ではないだろうか。

そして、シューズのこと。NIKEの靴はデザインはカッコイイが試着すると足に合わなかった。ちょうど足の中央部分が絞られているわけだ。日本人には向かないタイプである。

ところが、最近、ワイド型の靴が発売される。

無知な日本人は、「やっと日本人の足に合わせてくれたか」とか、のんきなことを言っているが、狙いは中国市場だろうか。

旧型インフルエンザの予防接種

2009-12-08 00:00:44 | 市民A
季節性インフルエンザと呼ばれる旧型の予防接種にやっと成功した。

11月の中旬に接種を受けようと思っていたところ、どこも在庫切れで、以前ピロリ菌退治に健康保険を融通してもらった某女医さんに頼むと、「12月Xデーなら」ということで予約できた。

新型ワクチンの製造を優先したため、旧型の生産量が落ちているということらしい。

別の意味の理由もあるわけで、某世界的大手の外資系製薬会社の方に聞いたところ、「儲からないから」と言われていた。

ということで、そのXデーが来るまで、インフルエンザに罹らないようにするということが健康上の命題となってしまった。何か変だ。インフルエンザに罹らないようにワクチンを接種するまでの間にインフルエンザに罹らないようにする。

さらにいうと、ワクチンの効果が出るまで2週間ほどかかるそうで、その間にインフルエンザに罹らないようにしなければならない。


ところで、会社の中でも何人か「新型インフルエンザワクチンの接種」の通知が来ているようだ。

「リスクの高い人」というカテゴリーらしい。糖尿病の人と、糖尿病予備軍の人だ。

ところが、・・・

そういう優先順位の人たちの特徴として、「暴飲暴食」「不規則生活」「病気の自覚なし」ということ。

糖尿病で何らかのクスリを飲みながらも体重は90キロクラス。飲み屋に行けば他人の二倍の面積の椅子が必要だし、注文する肴も「ジャンボチキンカツ」とかだ。今までの人生で、あまり「ジャンボチキンカツ」で酒を飲んだことはない。そういう脂ぎった高カロリー食を食べながら、医者に通院し、糖尿病の治療を続けるというのも、同情を買わない。

それなのに、そういうジャンボチキンカツ派の人たちこそ、無神経なのである。「先に注射したから、もう罹らない」というようなことを言いふらす。ひっくり返って入院しても、誰も見舞いに行かないわけだ。

賞金王、石川遼君の原点では、・・

2009-12-07 00:00:46 | スポーツ
tojigaoka0男子ゴルフの賞金王に石川遼君が輝いた。まだ18歳。本人が賞金王である上に、集めているスポンサーの数、金額など果てしない大金のようだ。知っている企業も、やっとスポンザー群の一角に潜り込んだらしいが、画像使用権がないそうだ。だいたい、遼君自体がスポンサーのすべてを知っているわけではないそうだ。

他のプロにとっては、「部分的には賞金をさらわれる嫌な奴だが、マクロ的にはゴルフ界におカネを吸い寄せる集金マシーン」ということなのだろう。

だから、トーナメントで遼君と同じ組で回る時に、うっかりボ-ルをラフに打ち込むと、「追っかけオバサマ」が大挙してそのボールを踏んづけてしまい、地面にめり込んだボールを打たなければならないわけだが、じっとガマンすることになる。(かつて、野球上がりの巨漢ゴルファーがデビューした時は、ギャラリーの中に、足でボールを深いラフから蹴りだす特定のファンがいたという伝説を聞いたことがあったが、真偽不明だ)

そして、賞金王が決まったちょうど同じ週末に、岡山の児島半島にあるリゾート系ゴルフ場に行ったのだ。

東児が丘マリンヒルズ

tojigaoka1海の見えるゴルフ場で、フェニックスの木があちこちに植えられている。名物ホールの18番は、池とグリーンの間が白い砂浜になっていて、プロがそこに打ち込むとゴルフシューズを脱いで裸足でビーチショットをする(靴は脱がなくても反則ではないが、・・・)。

デパートやマラソンで有名な天満屋が経営していて、2008年までは、トーナメント大会が開催されていた。マンシングウェアオープンKGBカップである。

と、ここまで書けば気付くと思うが、現在の彼の原点である「世界最年少優勝記録」を打ち立てた最初の優勝コースである。2007年12月15日。16歳だった。

まあ、偶然というかタイミングがピタリというか、2ヶ月ほど前に決まっていたのだが、遠路岡山に向かう。岡山駅からタクシーに乗るしかないが、結構かかる。さらに運転手氏は帰りの足を心配してくれて、帰りのタクシーの予約を勧めるが、軽く断る。いきなり周辺ビジネス的だ。

そして、クラブハウスに入ると、遼君がお出迎えである。スポンサーのヨネックスが作った等身大の写真切り抜きパネルが玄関の内側に立っている。それも二人もいる。ロビーには、その時の試合で使用されたクラブが展示されている。パターがないと思ったら、日本のどこかで開催中の「石川遼展」に出品中というようなことが書かれていた。そのうち博物館ができそうだ。

どうも、プレーどころじゃない。

ビジターの名簿に名前を書こうとすると、名簿にはかなり県外客の名前が書かれている。駅からタクシー4,800円組が大勢いることになる。

tojigaoka2さらに、本来は18番のビーチバンカーが売り物なのだけど、遼君が優勝した時、17番パー3のショートコースで、奥のバンカーから第二打を直接カップインして優勝を決めたのだが、このホールを「遼君ホール」と呼ぶそうで、その時のバンカーを「遼君バンカー」と言うらしい。

そのショットがあり、優勝があってこそのプロ入りであり、賞金王ということだそうだ。

実は、密かにそのバンカーから直接狙ってみようかと思っていたのだが、キャディさんに聞いたところ、そういうお客様だらけだそうだ。実際には、グリーンの奥のバンカーを狙うのは、グリーンを狙うよりずっと難しいはずだ。

そして、調子は良くもなく悪くもなく、順にホールを進み、キャディさんの運転する乗用カートはついに17番ホールに到着。と思ったら、そこでちょっと寄り道をしてティグラウンド横の海の見える特設展望台に。

そこは、記念撮影エリアになっていた。要するに、みんなカメラを持ってくるのだからここで記念撮影ということで、集合写真や一人ずつがモデルになる。まったく邪道だ。

とはいえ、美しい瀬戸内海と浮かぶ小島を背景に一枚。

「数十年後の遼君」の様な写りだ。体の疲れが漂ってくる。ポーズの付け方もよくわからない。

tojigaoka3写真左後方に写っているのが、「犬島」だそうだ。例のベネッセが仕掛けた「直島アートの島プロジェクト」が大成功した二番煎じを狙って、密かに進んでいる「犬島プロジェクト」の話をしたら、キャディさんが驚いていた。「仕事は、『スパイ』ですか?」って。

そして、やっと17番。まったくのミスショットから始まり、ボギーの4。スコアカードに、1パットだった痕跡が残っているが、あまり覚えていない。何しろ、バンカーのそばには、ホールインワンのような「記念植樹」まで育っている。

このように、どうも「遼君ネタ」を最大限活用してのおカネ儲けが、あちこちで進んでいて、実際いつまで効果があるのかよくわからない。

遼君があちこちに歩けば、波及効果というか、新ビジネスモデルが発生するというか、エライことだ。

tojikaoka4歴史上のどこかで、そういう人がいたように思っていたら、やっと思い出した。「空海」である。別名「弘法大師」。彼は全国を布教活動中に井戸を掘ったり、新しい商売を教えたりとかあちこちでビジネスモデルを伝授して歩いた。だから1000年経った現在でも、全国各地にその足跡を残している。

まあ、将来、奥様にゴルフクラブで殴られたり、新事業に失敗して破産宣告とかならないことを祈っておこう。

増上寺、徳川家霊廟

2009-12-06 00:00:05 | 美術館・博物館・工芸品
zojoji東京田町にある港区郷土資料館で開かれていた『増上寺 徳川家霊廟』をのぞく。

増上寺は徳川菩提寺であり、本来、徳川家当主、つまり代々の徳川将軍の墓地であるはずなのだが、実際には必ずしもそうでもない。

15代の将軍のうち、実は6人だけが増上寺に眠っている。

2代秀忠、6代家宣、7代家継、9代家重、12代家慶、14代家茂。

では、残りの9人はどこにいるのかと言えば、

日光東照宮に初代家康。日光輪王寺に三代家光。

増上寺と張り合っていた上野の寛永寺に6人。4代家綱、5代綱吉、8代吉宗、10代家治、11代家斉、13代家定。

そして最後の将軍である15代慶喜にいたっては「谷中墓地」と、民間人と一緒だ。

さらに、将軍には多数の妻妾がいたわけだが、そのうち正妻とナンバー2である側室については、徳川家の墓地に眠っているようだ(例外があるかもしれない)。

しかも、将軍にしても奥方にしても、自分で増上寺か寛永寺か決めるのではなく、亡くなった後、何らかの協議というか埋葬権の奪い合いとかあって、増上寺か寛永寺かどちらかの寺に運ばれるということになっていたようだ。

また、資料を見ていると、わかってきたのだが、将軍が増上寺なら正妻も増上寺にいるかと言えば、そうではなく別々になっていたりする。前述の増上寺に眠る6人の将軍のうち、正妻の墓も増上寺にあるのは2代秀忠、6代家宣、14代家茂の3人だけ。12代家慶にいたっては、正妻ではなく側室の方と住所を一にしている。

この中で、二代秀忠の妻というのは、「お江(通例では、『おごう』と呼ぶ)」。織田信長の妹「お市の方」の末娘である。つまり淀君の妹。秀忠とお江の娘の一人が千姫で、豊臣秀頼といとこ婚をしたが、その後は知ってのとおりになる。

お江の最後の子は和子であり、後水尾天皇の中宮となる。さらに娘はついに、日本史上最後の女帝である明正天皇(第109代)となるのである。女帝の母親である和子は、「かずこ」と読まず「まさこ」と読むそうだが、何らかの符号だったのだろうか。

話を戻して、お江だが、その死には大きな謎が残っている。たまたま秀忠が京都方面に行っていた間に急死したのだが、春日の局に毒殺されたと言われている。そして通例では、塩漬け等の防腐処置を受けた遺体は秀忠が江戸に戻ってから埋葬されるべきところ、秀忠の帰りを待たず火葬されている。

土葬されていたならば、没後380年の現代でも、砒素等の何らかの痕跡を見つけることができるかもしれないが、火葬されているなら無理だろう。

最近の法務大臣は、過去の犯罪にも遡って殺人事件の時効廃止の検討を始めたようだが、春日の局にはお見通しだったのかもしれない。

千夜一夜

2009-12-05 00:00:17 | しょうぎ
senyaichiya1以前、先崎八段の著書の中で、「プロ棋士が頭の体操のために解く詰将棋集」としてとりあげられていた堅山道助氏の「千夜一夜」。

いわゆる実戦形とは対極にある珍形図式ということだそうだが、実際にはあまり気にならない。ある程度詰将棋を楽しむようになると、実戦形というのはちょっと鼻につくようになる。だいたい、香車と桂馬を配置し、コーナーを使うのだから、詰みやすい。

そういうことで、適度な難易度の作ということだろう。ただし、手数は長い物が多い。正確な読みが要求される。


senyaichiya2ところで、この堅山氏だが、外交官だった。大使経験もある。

たまたまボリビア大使だった平成8年に、同様に将棋好きの大使仲間に隣国ペルーの青木大使がいた。そして、青木大使が主催のパーティに行こうか行くまいかという状態で、たまたま妻の企画していた旅行の方を選んだがため、日本大使館襲撃大量人質事件の難を逃れたということだそうだ。

そして、今度は人質解放交渉の中心として活躍されたそうだが、有名な「詰将棋パラダイス差し入れ」という作戦が行われたわけだ。そこに何らかの指示が書かれていて、特殊部隊突入の情報が伝達されたとも言われるのだが、それらについて、この詰将棋集「千夜一夜」の後半のエッセイ集のところに記載されている。

その件については、少しまとめてから、改めて章を改めることにする。


さて、11月21日出題作の解答。



▲3四飛成 △同桂 ▲1七桂 △3六玉 ▲1四飛成 △3五玉 ▲2五馬まで7手詰め。

下から上に追い出すという妙な構造である。狭いエリアに大駒を配置すると、余詰めとか受け方の変同とか、面倒なことが多い。手数が短いと特にそういうことがおきる。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題は、再び「ややこし系」。大技なのか小技なのか。




最後のとどめは、どの駒か?

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手を手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

『魯山人の食卓』に読むマグロ寿司

2009-12-04 00:00:44 | あじ
rozanjin東大西洋と地中海でのクロマグロ漁が、40%カットされるようだ。

日本に影響があるかどうか、よくわからないが、価格は上昇するのだろう。デフレ経済下では、予期せぬ救世主かもしれない。

さて、このクロマグロだが、本マグロとかシビマグロとかいうそうだ。たまたま読んだ北大路魯山人の本には、三陸宮古の岸網で獲ったシビマグロが最高と書かれている。

一方、回転寿司に行くと必ず注文してでも食べるのが、脂ののった鬢長マグロだが、とんでもなく一刀の元に切り捨てられている。

まぐろの中で一番不味いのは、鬢長という飛魚のような長い鰭を備えているもので、その形によって鬢長というらしい。これは肉がべたべたとやわらかく、色もいやに白く、その味、もとより悪い。とうてい美食家の口には問題にならぬ代物である。


それと、寿司店の話。戦前は、寿司は立って食べるものだったらしい。そして、お茶を飲む。

当時は酒を飲むためには、居酒屋と高級料亭に二分化されていたそうだが、寿司店や天ぷら店などで、座らせてから酒を勧めて客単価をあげることがはじまったそうだ。その流れの中で寿司店にも座敷や椅子が登場するわけだ。

つまり、中流階級が楽しむ場所が寿司屋だったようだ。案外、海外での「スシバー」ブームというのは、正統なのかもしれない。

ただし、魯山人に言わせると、寿司の味をウンヌンするためには、高級店を数多くこなしてからにすべきということだそうだ。

そのためには、ある程度収入を得て、40代になってからということだそうだ。

まあ、そう簡単に本質を突いたことを言われると、ちょっと嫌だ。

ハイドンイヤーだった

2009-12-03 00:00:33 | 音楽(クラシック音楽他)
haydnそういえば、ハイドンイヤーである。

フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(Franz Joseph Haydn, 1732年-1809年)。没後200年である。

大バッハは別格として、現代に残るクラシック音楽という芸術分野は、このハイドンから始まったといったら言い過ぎだろうか。

交響曲、協奏曲、弦楽四重奏曲。そしてオペラ。

どの分野も、大量制作である。交響曲は100を超える。全作品は1000を超えるというのだから怪物である。まあ、たくさん作ればいいというものじゃないけど、ハイドンの時代には他にそういう能力を持つ人物がいなかったのだろう。だから、独占企業みたいなものだったのだろうか。その後、我も我もと参入して、古典派という分野になる。もちろん、古典という言い方は、ずっと後の呼び方で、後の野心的な作曲家たちが、モーツアルトとかベートーベンとか総括して、たんすにしまおうとしたに違いない。

haydn1それで、ハイドンにとって不運なのは、大量に作曲したがために、後の作曲家と比較され、「格下」みたいに思われていたこと。大量生産の中国製品みたいなイメージだろうか。確かにベートーベンの交響曲なんかは、9つしかないし、それなりに一つずつ別の世界が構築されていて、「どれを聞いても似ている」というようなことはない。

ただ、当時のハイドンのファンにとっては、「どれを聞いても少し似ている」ということが求められたのではないだろうか。比較にはならないが小室哲也だってそうだった。


近くの図書館のホールで、ハイドンの「驚愕(交響曲94番)」と「時計(交響曲101番)」のDVD鑑賞会があったので、ハイドンイヤーの年末に聴きに行った。

『驚愕』はフルトヴェングラー+ウィーンフィル。『時計』は、ジェーン・グラヴァー+ロイヤルフィル。このジェーン・グラヴァーさんは、今でも珍しい女性指揮者である。となれば、二人の指揮を堪能しようと思ったのだが、これが少し間違いだった。

なぜか演奏ビデオ画像ではなく、ウィーンの町並みが紹介されるわけだ。まあ、フルトヴェングラーのビデオなんか簡単にあるわけないのだろうということに気付く。それに、図書館であっても映画みたいに公開することは著作権や肖像権とか色々と問題があるのかもしれない。

haydn2ということで、演奏の音を聴きながら、ウィーンの街に残るハイドン関係の史跡などを観ることになる。

音楽的には、ハイドンのある部分は、モーツアルトによく似ていると思うところがある。ハイドン自体が、楽曲中で盛り上がった箇所(サビ)で弦楽器の一斉大合奏をするところを、モーツアルトは適当に借用して、サビとサビの間の適当な場つなぎに使っているように感じた。そういうのもありかな。技術の伝承ということで。

ところで、実はハイドンのイメージに、先入観があった。よく紹介されていた肖像画というのがあって、雰囲気が政治家のような世間臭さが漂っていたのである。米国大統領の肖像みたいな感じである。しかも大量制作。世間にあふれる「格下感」。

ところが、彼が終焉の地として選んだウィーンには、彼の彫像や胸像などの史跡がいくつか残っているようだ。DVDではそれらが紹介されていたが、全然肖像画とは似ていない。

まず、大男だ。さらに、筋肉マンみたいだ。胸が厚いし、横幅もある。厚着をしているのがもったいないくらいだ。ギリシア彫刻みたいに裸になってもいいかもしれない。顔も大きく広く、肖像画とは似ていない。中曽根康弘みたいな顔立ちである。なかなか、このイメージのギャップについて納得できないわけだ。


haydn3調べてみると、彼の死にはエピソードがあった。ちょうど、死の床にある時に、ナポレオンがウィーンに侵攻してきた。大砲の音を聞きながら息を引き取ったそうだ。驚愕とか時計というような交響曲を書いた作曲家にふさわしい幕切れだったのだろうか。

しかも、亡くなった後、重大な事件が起きる。熱烈な彼のファンが、こっそり彼の遺体の一部を持ち去るわけだ。よりによって頭部である。バラバラ事件だ。持ち去られた頭部は、腐敗防止の処理をほどこされ隠匿されていたのだが、後に発見され、胴体と一緒に埋葬される。なんと145年後の1954年のことだ。


肖像画の顔と彫像が似ていないことと関係があるのだろうか。


ということで、今年は胴首合体後55年のメモリアルイヤーと言うこともできるわけだ。

ゴルフと事故、2題

2009-12-02 00:00:26 | スポーツ
11月29日、Kochi黒潮カントリーで開催されていたカシオ・ワールドゴルフで、TBSスタッフが運転するカートが下り斜面で暴走。石川遼選手のおっかけオバサンの集団に突入し、カートの下敷きになった30代の女性は眼窩底を骨折し、顔・手・脚に擦り傷を負うという惨事を起こす。

このスタッフ、事前にも「運転が粗い」という注意を受けていたようで、問題ありだ。もちろん、中継スタッフといっても、本職はカメラマン。カメラマンがカートの運転というような、テレビ中継と本質的に関係ない仕事をするような状況を考えれば、人手不足が原因ということなのだろう。

テレビカメラを担いで、選手のショットを撮影し、打ち終わるやカートに横っ走りする。そして、選手の方は真っ直ぐ前に歩いていくのだから、必然的にカメラマンはカートのスピードを上げて突っ走らないと追いつかない。しょせんはカメラマンの数が少ないことに原因があるわけだ。(あるいはデジタル機器が不足しているとか)

そして、カートというのは、結構危険なのである。乗用車のように、安全装置がたくさんついていたりしない。ブレーキがちょっと壊れただけで、暴走を始める。外国製のものも多い。

個人的にも弊2009年2月2日「ゴルフを100倍楽しむ方法」で書いたが、下り斜面で暴走を始めたカートからダイヴして命拾いしたこともある。富士山の方のあるコースではカートごと谷底に落ちて亡くなった方がいたという噂を聞いたこともある。

あれだけの人並みの中をカートで突っ走れば、どういうリスクがあるのかわかりきっているのだが・・


次のゴルフと事故の話。

フロリダ州オーランドのタイガー・ウッズの自宅。

11月27日の深夜に、タイガーが運転するキャディラックのSUV車が自宅の前で迷走して消火栓に衝突。タイガーは唇に軽傷を追い、奥さんのエリンさんが、ゴルフクラブでクルマの窓を割って、タイガーを救出した、ということになっている。

あまりにも不自然な話だ。

しかも警察による任意の事情聴取を断り続けているという。

どうも、ウッズが1歳年上の女性と不倫関係にあると報じられたことで、エリンさんが逆上して、まず顔面攻撃をしかけたらしい。唇のけがは、その時のものらしい。さらに、家の外に逃げ出したタイガーをゴルフクラブを手に持って追跡。クルマに逃げ込んだところを、窓ガラスをクラブで一撃して破壊。あわてたウッズがクルマでウロウロしたところ、立ち木や消火栓にぶつかってしまった、ということらしい。

確かに、衝突した車から助け出すのに、ゴルフクラブで窓を割るというのは、やや不自然だ。

しかし、ゴルフクラブの一撃でキャディラックのガラスがすぐに割れるというのも、やはりGMは・・ということなのだろうか。あるいは、何かゴルフクラブに特別な仕掛けがあるのだろうか。そのゴルフクラブを押収されるとまずいから警察を遠ざけてでもいるのだろうか。