事故米騒動

2008-09-16 00:00:23 | 市民A

世界各地では、昨年から「米騒動」が起きていて、これから日本でも一騒動あるのかと思っていたら、同じ米騒動でも「事故米騒動」とは、やはり日本って世界からズレた国だ。

まず、太田農水大臣。どうにもならないので、話題にもならないし、国会がないので平然と放言を繰り返している。しかし、自民党の総裁選挙で新総裁が首相になって、ただちに解散総選挙であるなら、基本的に大臣は現状と変えないはず。たぶん、この人だけが交代なのだろう。そして、落選の目もあり、ということだろうか。

次に、農薬とカビの話が混同されているが、実は全然違う。太田大臣が言うように、濃度が低いから問題ない、というのは農薬の方の話だ。農薬は人工物でその効果は知られているし、使用するときは濃度を希釈されている。そして農薬の常として、均一に散布されるのだから、「濃度の問題」と言うことも間違いではない。

しかし、カビ毒(アフラトキシンB1)について考えれば、まず猛毒であることだ。wikipediaには書かれていないが、生物兵器の原料にも考えられているようだ。さらに天然物であり、効果にはバラツキがある。強い発ガン性もある。しかも、もっとも重要なことは、「カビ」の濃度は均一ではない、ということ。事実を想像してみれば、「カビ」というのは、一箇所にまとめて発生し、ほっておけば発生箇所はドンドン拡大する。米の内部に浸透し、表面を削っても駆逐できない。サンプリング調査で全体濃度を推定しているのだろうが、濃度の高い部分もあるはずだ。数字の読み方を過つと、正しい対策が立てられない。第一、発ガン性のある米を工業用とはいえ、転売してもいいのだろうか。

今後、事故米を生産国に返す、という「ありえなさ」。貿易実務をやった経験があれば、すぐに感じるだろうが、一旦買ったものを返すというのは、まず困難である。コメの受取場所で農薬検査などを行い、不具合なら、その場で受け取らないというのが正しいやり方だが、最大の問題は、契約上の受け渡し地。海外の倉庫、あるいは積出港で引き渡すことが多いだろう。その場合、返品はムリだ。せいぜい保険をかけておくことだろうか。

事故米起源の焼酎の廃棄について。一部には、「もったいない」という声もあるのだが、実は買った方にも数パーセントの責任はある。きちんと来歴を調べずに原料に使ったこと。少なくてもコメのブレンドには過去から不正はつきものなので、もっときちんとした業者から買うべきだ。痛い思いをしないと変えられないものだ。(近くの「いなげや」系のスーパーでは、問題のニッカ製焼酎を安売りしていた)


さて、実はかなり前のことだが、米穀店の仕事に絡んだことがあった。東京の東の方の米穀商と付き合ったことがある。ちょうど、ブランド米のビニール袋だけを転売したことが見つかり、散々な目にあっていた。その時に、その米穀商から受けた感触なのだが、まず「犯罪意識が皆無」であった。姉歯事件と同様に、この業界に対しては、「詐欺罪乱発」が必要なのだろう。


パソコン高熱対策に苦心惨憺

2008-09-15 00:00:20 | マーケティング
今年の夏が暑いからか、安いパソコンを酷使しているためか、僅か3年で寿命なのか、あるいは単に設計上の不具合で、もうすぐリコールが発表されるのか実のところわからないが、特に難しい「詰将棋のソフト」など使って思考させると、20分程度でパソコンが熱くなり、シューン・・といって、いきなりダウンする。もちろんリカバリーも何もなし。30分ほどで立ち上げ、さらに一回再起動してから使うが、2回目のダウンは10分後。根本的対策が近づいているのだが、とりあえず簡単にできるクールダウンをしようと、考える。ミニマムコストで、延命工作ということ。



1.リコールを疑う
  まずメーカーのN社のホームページを見ると、同一グレードの機種が数ヶ月前にリコールになっている。これで問題解決で、無償修理か。と思って、詳しく型番を合わせると、リコールされた機種は、自分の使っている型より以前のもの。さらに、その前の機種はパソコンが熱くなるという欠陥を持っていたらしい。今まで、2年間は時々夜の間に回しっぱなしにして思考させたりしていたので、早めに寿命がきているのかもしれない。つまり、来年頃、リコールになる、とか。期待したいようなそうでもないような。

 感じは、コンデンサの劣化ではないかとも疑うが、安い部品でも解体修理はすぐ数万円だ。新型が買えそうだ。ただし、新型はVISTAになるという不都合がある。

2.温度測定ソフト
  CPUなどの温度を測定するフリーソフトをダウンロードしてみた。一般に、50度程度が妥当と言われるが、思考型のソフトを動かすと、60度、70度、80度とうなぎ上りになって90度に到達。パソコンが自動停止する。しかし、色々トライしていると、「バッテリー」と「電源」の両方を使うと、熱くなるということがわかったきた。バッテリーと電源のどちらかだけを使うことによって5度から10度くらい下がる。さらに、マルチウィンドウをたくさん開くと5度程度高くなる。こまめにウィンドを閉じながら作業することが重要。

  さらに、この温度レポートの窓を常時開いておいて、CPUの温度を見ながら、バッテリーを抜いたり、使わないウィンドウを閉じたりして90度に達するのを防ぐ効果がある。

3.メモリー増設の検討
  メモリーが不足していて、思考時間が長くなり、それがCPUの負荷に関係があるのではないかと思い、増設を検討してみる。現状が500MBで1GBまでOKのようだが、開けてみると、250MBが二枚入っていた。これが500MBが1枚であれば、500MBを1枚追加で買えばいいが、250×2だと、二枚とも新品に交換しなければならない。8,000円ほどであり、しかも効果については、まったく不明。

4、デスクトップの整理
  もともと、少しずつ整理しているので今回は「背景」をなしにした。

5.パソコンを冷やす
  パソコンを冷やす方法を研究してみると、パソコンについている空冷装置をもっと大きくした器具(冷却台)があるようだ。要するに扇風機と、アルミ板による放熱。3,500円程度。

そして、もっとも安上がりな方法からトライしてみる。



まず、掃除機でゴミを吸い込む。ファンのゴミを吸い取る。これは簡単だが、ゴミが少ないので、効果はあまりなさそうだ。

次に、放熱板として、飼い犬から却下されたアルミ製のペット用冷却板を敷いてみる。しかし、失敗。パソコンの冷却用の空気を底面から吸い込む方式なので、冷却板とパソコンを密着させると、空気取り入れ口が塞がれてしまう。だいたい犬が使わないのにパソコンに使えるはずはないのだろう。犬の体温は90度じゃない。

そして、ついに有楽町のビックカメラに行く。といってもパソコンを買うのではなく3,500円の(ファンが3つついた)冷却台を購入。機種は多様であり、選択に悩んでいる間に、駅前での石破候補の演説会が、聞くことなく終わってしまった。政策がないのだろう。「安心と安全」というキャッチフレーズらしいが、中学生のディベート大会みたいだ。

さっそく、パソコンを乗せてみると、3つのファンは景気よく回り続け、いかにも効果がありそうだが、やはり空冷というのは心もとない。

その結果、このパソコン冷却台をペット冷却板の上に乗せ、さらにバッテリーだけで動かす。(充電が必要になったら電源に切り替える)

その結果、今のところ、通常で60度台の下。酷使パターンで82度ということで、なんとか復活したようだ。もっとも82度というのは異常もいいところだ。やはり次の機種の選定もボチボチと始めることにする。



そして、次なる問題が発生。この冷却台だが、パソコンの熱を周囲に放熱させる方式だが、そのせいか、室温が極めて高くなる。結局、部屋をエアコンで冷やすことになるのだが、単にその結果、パソコンの温度が下がっているのかもしれない。

そして、エアコンの室外機から排出される熱は、外気を温暖化し、エントロピー増大の法則が実証されているのだろう。

金総書記関連記事を読むと

2008-09-14 00:00:18 | 市民A
奇妙なもので、金総書記が重病との報道が世界を駆け巡っていても、おそらく当の北朝鮮国内では、ほんの少数の人間しか、その事実を知らないだろうということ。もっとも、情報リークはアリの一穴から始まるのが常だから、1ヶ月程度で全土に知れ渡る可能性もある。つまり、北朝鮮国内への影響が、大きいのか小さいのかについて見極めるには、ある時間の単位が必要なのだろう。

そして、いくつかの同じような情報の中に、奇妙な記事を発見した。

「金総書記影武者説」紹介=英メディア
9月10日18時57分配信 時事通信

【ロンドン10日時事】北朝鮮の金正日労働党総書記(66)の重病説が世界を駆け巡る中で、英国のメディアは「金総書記は既に死んでおり、現在は影武者が使われている」との重村智計・早稲田大学教授の説にも言及している。

英各紙の記事は、米国や韓国で報じられた重病説の転電だが、9日夜のBBC放送は「日本の学者の中には金総書記が既に死んでいるとの説がある」と伝えた。また10日付のタイムズ紙やインディペンデント紙は、重村教授が新著で「金総書記は2003年に糖尿病で死去し、それ以降、北朝鮮指導部は影武者を使っている」との説を唱えたと紹介した。

テレビによく登場する重村先生が、そういう事実を掴んでいたのか知らなかったが、2003年以降、微妙に性格が変わっているということも指摘されているようだ。

影武者説は従来から、「影1号」から「影3号」までいるとか、よく言われていたし、本人だけじゃなく「おやじ」の方にもその疑惑があったようだ。影武者というのは、日本では古来から聞く話で、クロサワ映画にもなった武田信玄、関が原で死んだともされる徳川家康にもその例がある。純粋な影武者ではないが、二・二六事件の時に、岡田首相に似ているということで、身替わりの犠牲になった警備隊の松尾伝蔵大佐の例もある。

仮に、重村説が正しいとすると、今回の脳卒中(けいれん?)は、身替わりの「影1号」が病気になったのか、あるいは、もう「影」の出番は終わりで、国際的にバレる前に清算しておこうという陰謀、ということになる。仮に中枢グループにそういう清算的な思考法があるとすると、拉致被害者のことも心配になる。

あるいは、単に「影1号」が病気になったため、「影2号」の出番になり、トレーニング中なのかもしれない。


ここで、話を、前述のクロサワ映画の「影武者」に転回すると、武田信玄没後、その死を秘すため、盗賊の死刑囚が信玄を演じることになる。

最初は、まったく小者であったのに、地位と名前が彼に貫禄と大将の叡知を与え、ほぼ信玄並みの機能を満たすことになる。そうなると面白くないのは、正統な後継者である武田勝頼。勝頼の手勢は実戦には弱く、合戦では、いつもニセ信玄の助けを必要とするのだが、信玄が生前に設定した秘匿期間が過ぎるや、タイマー発動を狙う。ある時、ニセ信玄の体に、川中島で謙信に斬られた時の刀傷が消滅していることが側近に見破られ、ついにゲームオーバー。

ニセ信玄は、そのまま口封じは免れたものの、足軽の身分となり、戦場の修羅場に自ら突入していくのである。

さて、日経NETは、政府筋として、次のように報道する。

「金総書記、決裁は金オク氏を通じて」 日本の外務省幹部

日本の外務省幹部は11日、北朝鮮の金正日総書記の病状に関連して「今は金オク氏しか近寄れないし、決裁も取れないようだ」と述べ、総書記が発病後、金オク氏を通じて意思決定をしているとの見方を示した。金オク氏は総書記の個人秘書だった女性で、現在は「事実上の夫人」として一緒に暮らしているとみられる。金オク氏の政策決定への関与の大きさは、同氏が後継者選びにも発言力を有していることを示しているとの見方もある。

影っぽい話である。

一方、左半身不随になっている、との報道もある。右脳側に障害があると、左半身に影響が出るといわれる。右脳は論理性ではなく、図形認識とか直感性に関係するといわれるのだが、日本と米国と中国とか大きさとか位置関係とか間違えて危険な指示が出たりしないように、願いたいものである。

個人的には、後継者は、現在休職中の元上級公務員である「盧武鉉さん」が適当ではないかと推薦しておきたい。 

奨励会、女流育成会が終わったが、

2008-09-13 00:00:06 | しょうぎ
先週、9月7日の奨励会、女流育成会の前期最終日のことに予測的に触れたが、おおよそ波乱なくおわる。

奨励会では、13勝3敗で最終日を迎えた佐藤慎一三段と西川和宏三段のうち、佐藤三段が2勝0敗、西川三段が1勝1敗となり、二人ともプロ四段に昇段。11勝5敗だった吉田正和三段は2勝0敗で13勝5敗となり、前期に続いての次点となる。次点を2回取ると、順位戦に出場権のない(そして、月給のない)フリークラス棋士としての四段になる権利が得られるのだが、この権利を行使するかどうか、すぐには意思を明示しなかった。意思表明までの猶予は1週間だったらしいが、4日後にフリークラス編入の意思表示を行なった。

そして、女流育成会の方は、11勝2敗だった香川愛生さんが2勝1敗で13勝3敗。追っていた渡辺弥生さんが3連勝で13勝3敗で並んだが順位上位の香川さんが15歳の女流プロ2級となった。女流は2団体に分かれているが新団体の方ではなく旧団体の方に所属するようだ。おそらく、最初に新団体に所属すると、後で旧団体に鞍替えできそうもないが、旧団体に所属すれば、いつでも新団体に転籍できそうだからだろうか。

さて、まず奨励会の方だが、一つの話題が、西川新四段のこと。親も現役の七段である。と報道はそこまでなのだが、勝負の世界で親子が活躍する例は多い。政治家ほどではないが、五輪でも二世選手は結構いた。ハンマー投げとかレスリングとか(モントリオール五輪のクレー射撃選手は、大久保利通の5世らしいが)。また、話題の大相撲の世界にも二世は多い。

しかし、政治にしてもスポーツにしても親子というのは親が引退したころに子供が登場するというのが通常である。同じ選挙区で親子が1議席を争ったり、亀田親子がリング上で殴りあったりはしない。ゴルフなどでは例があるかもしれないが、直接対決ではない。そういう例があるのかどうか、よく考えてみても思いつかない。西川対決というのは、新しいタイプの構造なのかもしれない。

映画「とらばいゆ」は、女流棋界を映画化したもので、姉妹対決でB級リーグ戦陥落の一局を描いたのだが、西川親子の対戦は、今後、どういうところで実現するのだろうか。世の常として、いずれ親が弱くなり、子供に追い抜かれる日が来るのだろうが、「こどもに負けたことが、引退を決意した理由です」とか、ありそうな、なさそうな。アマチュアの世界では、こどもを将棋教室に入れたりすると、あっと言う間に父親はこどもに勝てなくなり、「最近、相手がいなくなったんだよー」と、こどもが教室でボヤいたりするわけだ。


ところで、態度不鮮明だった吉田正和三段(22)だが、次点2回の権利でとりあえずフリークラス棋士になり、「10年のうちに成績を上げて、順位戦参加資格を取る」という裏口コースか、「権利を放棄し」、あくまでも裏口ではなく玄関から入ることを狙うのか二者択一ではないか、と思われていたが、本当は三者択一だったようだ。三択目は「退会」。というか、二択目はなかったようだ。

思えば、彼はいきなり特例で奨励会初段から参加。アマチュアとしても異例のコースで、人口の少ない北陸の県に移住し、ほとんどネット将棋で将棋の腕を強化し、県代表からアマトップクラスに上っている。奨励会に入るということは、年齢的にも速攻でトッププロを目指しているはずだ。将棋のメジャータイトルは7つあって、順位戦はそのうち一つの名人位への挑戦の道であるだけだ。もう一度三段リーグでがんばる意味など、ほとんど考えられなかったわけだ。

しかも、半年前のリーグでは、リーグ終盤に3連敗して圧倒的なリードをフイにして次点に泣くとか、三段リーグが向いてないのではないかとは本人も感じていたはず。

では、第三の道である「退会」を考える背景があったかと言えば、それは自分の能力への不安ということなのではなかっただろうか(まさか、師匠の神吉六段とフリークラス対決するのが嫌ということではないだろう)。フリークラスのまま、勝てないのではないだろうかとか・・

まあ、色々考えた末、フリークラス四段で妥協すると思うのは、「なってから辞めるのは簡単なこと」だからだ。一回プロになればやめても「元棋士」であるが、棋士にならずに退会すれば、漂泊の真剣士、小池重明スタイルになるからだ。


そして、女流育成会。同点で順位の差で届かなかった渡辺さんだが、この順位の差は、前期のリーグで1勝の差があったことによる。それまでは香川さんより上位だったのに、この1勝差で順位が抜かれた。まあ、制度が続く限り、そのうち上がれそうである。

が、実は、この対局の行われた9月7日、彼女のよく知るアマチュア強豪が、地方都市で凶悪事件に関係したようだ。将棋一筋のアマ強豪、奨励会員、若手プロといったメンバーで「研究会」という集まりを持つ例が多いのだが、そういうメンバーの一人のようだ。もちろん大麻みたいなセコいレベルではない事件なので、知人、交友関係者が関連を疑われたりするわけじゃないので、単なる迷惑以上の何物でもないだろう。

相撲ではないが、将棋だって、強ければいいということじゃないと思う。

よろしくない話を重ねると、故真部九段の元妻の草柳文恵さんが佃島の高層マンションからハンギングダイブをしてしまった。「世界自殺防止デー」の前日、9月9日のこと。女性特有の病気で悩んでいたと言われるが、その元々の原因が、元亭の一日200本になることがあったタバコの「受動的被害」ではないことを祈りたい。

111c02b0.jpgさて、8月30日出題の詰将棋の解答。

▲4九飛 △3八玉 ▲3九香 △2九玉 ▲1八銀 △1九玉 ▲3八香 △2八玉 ▲1七銀打 △3八玉 ▲2七角 △3七玉 ▲3九飛 △4八玉 ▲4九飛 △3七玉 ▲4七飛まで17手詰。

3手目の▲3九香と7手目の▲3八香と一つ上がる手のセットと、後半の駒の組み換えがテーマだが、あまり好かれそうな問題ではないみたいだ。全体に地味だったか。

動く将棋盤は、こちら






111c02b0.jpg今週の詰将棋は、見る人が見れば、「どこかでみた名作の盗作ではないか?」と感じるかもしれないような図式。

正確に言えば、ある名作を見て、思いついて組み立てたので、盗作ではないが類似性は感じる、ということだろうか。結構、微調整を続けている図で、最終完成まではもう少しかかるかもしれない。

さっき、似たようなことを書いたが、詰将棋だって、難しければいい、というものでもないだろうと思っているので。

わかった!と思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評いただければ、正誤判断。

歩ける高速道路

2008-09-12 00:00:52 | 市民A
建設中の高速道路の上を歩いたついでの話だが、先日、尾道に行った時のこと。日本四大赤字橋道路の一つ「しまなみ海道」に、その歩行者、自転車、小型バイク用の道路があるということを聞き込んだ。(ちなみに、四大赤字橋道路とは、瀬戸中央自動車道、神戸淡路鳴門自動車道、西瀬戸自動車道(しまなみ海道)ともう一つだ。もう一つは最後に)



しまなみ海道は大きく言えば、広島県の尾道と愛媛県の今治を結ぶ高速道路である。その間には6つの島がある。4つが広島県で2つが愛媛県。島が6つなので、大きな橋は7つある。算数で言えば「植木算」である。そして、高速道路はほぼ島の中央を通るので、山の上と上を道路で結ぶという高額な構造になっている。開通当初は、橋以外の部分に完成していない箇所があり、いったん島にわたると、島の周辺部を一回りして次の橋に入るというような箇所があった。

実際には、どこにも車の渋滞はないし、島にはほとんど信号すらないのだから、それでも十分と思ったが、計画は着々と進み、とりあえず、全線が自動車専用道路として開通した。

しかし、そこを通ってみると違和感があるのは、「橋だけが特に立派」なことである。橋は片側2車線、往復4車線の幅を持つのだが、そこに繫がる専用道路は片側1車線、往復2車線である。もちろん、よくみるとさらに2車線を作るスペースは確保されているように見えるのだから、当初の予定では、全線4車線で設計されていたのは間違いないのだろう。というか、まだ未完成で、隙をみて4車線にしようというのだろうか。(麻生政権になって復活するかもしれない)

実際に、超高額道路なので、うかつに走る車はほとんどないし、必要な人は、1時間に1本の路線バスに乗っているようだ。

そうなると、現在問題なのは、「広すぎる橋」ということになる。この部分を使って、アルバイトが行われているわけだ。橋によって料金は異なるが、通行料50円、100円、200円と、超低額で専用道路を通ることができる。もちろん、橋を渡ると、すぐに一般道に降りなければならないので、全部の橋を一気に渡り切ろうというには時間がかかるが、だからといって、歩行者、自転車、小型バイクは高速道路を走れないのだから、それはそれでしかたないのかもしれない。

ところが、問題はこの料金支払いシステム。

あらかじめ書いておくが、このブログは「不正行為を勧める」ものではない。最近、都営地下鉄の御成門駅で女子高校生が、こども料金で自動改札口をスルーしようとして駅員に見つかり、個室に連れ込まれて暴行されそうになった事件があったが、何しろ小さな犯罪行為でも見つかると、後ろめたさから、かなり痛いしっぺ返しをうける時代だ。ヒントを得てマネをしないように。あくまでも夜の飲み屋で聞いた話ということ。

この通行料の支払いは現金払いということだそうだ。それも賽銭方式で、係員の前にある現金支払い箱に投げ込むそうである。ポイッ→チャリーンということ。



賢明な読者は、もうだいたい察したと思うが、つまり100円玉を投げたのかどうか、係員にはよくわからないわけだ。50円玉かもしれないが、5円玉かもしれない。係員が「あやしい?」と思っても、箱の中にはコインが多数入っていて、5円や1円があっても誰が投げたものかわからないわけだ。(「1円は音が違うから」という会話もあったのだが。)

しかも、夜何時かには(何時か聞いたけど、忘れた)係員が引き上げてしまって、無人料金所になるそうである。その時間になって突如現れるのが、大型のバイクだそうである。

繰り返すが、あくまでも飲み屋で知らない人から聞いた話なので、真偽は不明であるし、何か不法行為を実行して捕まっても、罰金を肩代わりする気はまったくないので、要注意である。

もともとは戦国時代までは海賊の跋扈したエリアなので、この位で驚くことはないのだろう。アデン湾でシージャックを繰り返す現代の海賊とは大違いだ。


ところで、冒頭に日本四大赤字橋と書いて、最後の一つを書かなかったが、それは室蘭にある「白鳥大橋」。

まわりの風景から切り離して橋だけを見れば、きわめて美しい橋なのだが、もともと通行車両がないことが簡単に予測できる場所に、製鉄所の高炉停止防止対策として無理に作った橋である。

その結果、多くの鋼材が投入された効果かどうかは判定できないが製鉄所の高炉は停止されず、しかし、市の人口は減少し、しかも運営を予定していた日本道路公団が受託しないということで、宙に浮いたまま、料金無料のまま、年間数十億円の維持費がかかっているという、まったくの無責任状態になっているわけである。

この橋を通ったこともあるが、わずかに小雪が舞い始める初冬には、まさに絶景になるのである。

第二東名工事現場訪問

2008-09-11 00:00:39 | 市民A
6ebaa1f6.jpg日本三大急流の一つである富士川に新しい橋が完成している。高度は70メートルだが、両サイドにトンネルがある難工事だったようだ。しかし、コンクリートの橋に厚さ8センチのアスファルトが舗装され、一般に供用されるのは、もう少し先になるはずだ。最近、第二東名の工事現場をお邪魔する機会があった。

写真をいくら写してもいいとは言われたが、さすがに腰の高さまでの欄干から身を乗り出すのは勇気がいる。しかも、高速走行用に道路は僅かにカーブの内側に傾斜しているので、垂直感が怪しくなる(よろけそうで本当に怖い)。

完成時の制限速度は未定だが、現在の東名よりも、はるかにカーブや勾配が緩やかに設計されているので、130キロ程度になるのだろうか。ということは150キロ程度で走り続けるクルマもあるだろう。燃費を気にしなければ、性能上はそれくらいのスピードは軽々と出るのだろうが、例えば、この富士川の橋のように空を飛ぶようなイメージのあと、見るからに狭いトンネルに突っ込むには、かなり恐怖感がある。片側三車線道路の両サイドはトンネルの天井にぶつかりそうな錯覚を感じる。

6ebaa1f6.jpgまた、この橋の東側には「富士インター(仮)」が予定されていて、正面は遥か先まで展望が開け、南は駿河湾、北は富士山と運転中、横を見る余裕があれば、すばらしい眺望が開けるが、なにぶんインターチェンジなので、クルマの輻輳で危険だろうか。


なぜ、そんなところに行ったのか、という話は、ちょっと書かないが、元々、第二東名、第二名神について、大きく勘違いしていた。富士山の裏側を走るものと思っていた。目的の一つが、東海大地震の時の動脈確保という観点なので、かなり山の中だろうと思っていたわけだ。ところが、まったくの誤解で、第二東名については、現在の東名の1キロから15キロ程度北側に平行するそうだ。だから、東名の静岡区間であちこちに垣間見える建設中の橋やトンネルは、これなのである。

しかも、第二東名は西側が豊田で東名と交差してから一転南下し、名古屋市の南側の伊勢湾岸自動車道になり、さらに亀山から紀伊半島を突き抜けて大津から京都大阪間を通って六甲山の山中で終点になるようだ。つまり、全区間の中で、豊田から亀山という中京圏だけはすでに完成して運用されているわけだ。

6ebaa1f6.jpgで、今更、第二東名の必要性といっても何ともならないのだが、冒頭に書いた東海大地震の備えというのは副次的な話で、最大の問題は、既存の東名の交通量が多すぎて、危険であること。特に大型車が多いということらしい。設計能力より30%~50%程度多いそうだ。となれば、現在2~3車線の区間を4車線にすればいいようだが、事実上困難。こういうのも最初の構想が甘かったために、あとで巨費が必要になる原因だ。

道路は、一般に土を切ったり盛ったりする通常工事と、主に橋やトンネルをつくる構造工事と分かれるそうで、既存の東名は構造工事の比率が20%以下なのに対し、第二東名は構造工事が60%を超えるそうだ。だから、費用は桁外れらしいが、実は、この工事費の予測は、現在の道路料金にすでに織り込まれているらしいのだ。

3年前に道路公団が民営化した際の計算では、45年後には、有料道路はタダになることになっていて、既に3年経っているが、予定よりも早いペースで返済が進んでいるそうだ。実際に売上げ高はETC割引の普及で、減少しているのにもかかわらず、収益が上がるというのは、『民営化効果』ということなのだろう。ただし、42年後に一気に無料にするというのが、本来、合理的かどうかは、大いに異論があると思えるわけだ。今と比べれば、半額だって十分に安いのだから、もう少し前から徐々に引き下げて、最終的には有料でもいいんじゃないか、という意見だ。

しかし、方針を見直すには、まだ早すぎるのだろう。


6ebaa1f6.jpg工事の進捗だが、ちょっと変わったやり方になっていて、普通はエリアごとに6車線を作っていくのだろうが、いつ震災がきてもいいように、とりあえず、場所によっては、上りや下りのどちらかを先に作り、未開通部分はを工事用の側道で結んで、静岡県内に緊急道路を1本確保する、という方針になっているそうだ。現在93%がカバーされているそうだ。

ところで、耐震性だが、太平洋上の「東海地震」などには100%安全で、阪神淡路(関東大震災)のような直下型の場合は「ひび」が入る程度になっているそうだ。短期間で修理可能ということらしい。橋げたには落下防止のワイヤーがついているそうだ。橋げたが落ちてしまうと、直すのが困難になるので、何とか落下しないようになっているそうだ。もちろん橋を走行中のクルマにはワイヤーはついていないので、高度差70メートル、ノーリターンだろうか。安全で快適走行の第二東名と、地震に危険で道の細い既存東名が同一料金だったら、既存東名を走るクルマがなくなってしまうではないかと思うのだが、どういうことになるのだろうか。

二つの道路の関係について質問したが、明確な答えは得られなかった。


ところで、この第二東名だが、東側の起点は海老名南だそうである。既存の東名で言えば、厚木インターチェンジのあたり。既存東名はそのあと、「横浜町田」「横浜青葉」「東名川崎」で「用賀」から首都高3号線につながっている。

仮に、海老名南で道路が終わってしまうと、神奈川県内はが渋滞の山になるのは目に見えていて、にっちもさっちもいかない。「まだルートは決定されていない」ということだそうだが、実は、多摩ニュータウンの南側に謎の巨大道路予定地が東西に延びているのだが、そこが多分都内への入口なのだろう、と憶測しているのではあるが、もしかしたら、道路ではなくリニア新幹線の予定地なのかもしれない。

結局、最後は細くまがりくねった首都高の問題になるのかも知れないとは、私の予感である。

甲比丹(カピタン)・森瑤子絶筆

2008-09-10 00:00:38 | 書評
6ebaa1f6.jpg森瑤子さんと、かすかな縁ができて、そのあとすぐに、彼女は亡くなってしまった。1993年、享年52歳。縁があった1冊以外を読むのはちょっと辛いものがあるのだが、数年に一冊という感じで、読んでいたのだが、あえて遠ざけていた「甲比丹・カピタン」を手にする。

幕末を描いた彼女の初めての歴史小説。長崎出島を舞台として、薩摩藩と幕府によるオランダ貿易の交易権をめぐる抗争が描かれているのだが、実は、未完である。第10章まで書かれている。彼女の創作ノートによれば、全15章の予定だったらしいが、第9章まで書かれた段階で、彼女の筆が止まる。

この小説が書かれる、かなり初期の段階で、彼女は自身の癌を告知されている。おそらく、その段階で、自らに残された時間が容易ならざる短さであることも知ったのだろうか。第9章まで文庫本でも400ページである。15章まで行けば650から700ページ。おそらく、第10章は、この小説がついに、自らの計画通り完成させることができないことを覚悟し、闘病の苦闘の中、せめて、小説らしく登場人物を史実の中に開放し、ストーリーの完結は読者に任せることにしたのだろう。小説家は、自分の作品こそ、何よりも愛しているのだから。

そういう意味で、ストーリーについて、あーだこーだというのは空しいし、力尽きた小説家に対し、失礼と思う。

ただ一つ、小説の冒頭で、長崎本紙屋町の町医者の娘「せき」が、末期癌の女性に漢方薬を届ける場面が鮮やかに描かれている。西洋医学解禁の方向に小説が向かうのかと思えば、実は、そうではないのである。この場面は、ストーリーの中でやや浮いているように感じられるのである。

残された創作ノートからも、この場面の意味は解することができないので、単に私の推測の域だが、森瑤子は、小説が未完に終わった場合、残されたこの場面を、自分の闘病中の苦闘と重ねて読んで欲しかったのではないかと思うわけだ。仮に幸運にも書き上げられた場合は、別の場面と差し替えるつもりだったのではないだろうか。

鬼気迫るというのは、こんな表現。

病人には二種類しかいないと、せきは思う。治る病人と死んでいく病人と。


そして、実際のところ、この小説は、それほど未完とは感じない。その意味で、彼女が最後に登場人物を歴史の中に帰してしまった技法がぎりぎり成功したのではないだろうか。この小説に拘らず、彼女の描く人物は、常に普遍的な人間性を持っているからこそ、読者にゆだねられたのだろう。「あとは頼むね。はい、ここまで。」って。

アネハ構造と同じ農水省

2008-09-09 00:00:27 | 市民A
三笠フーズの「事故米食用転売事件」は、まさに姉歯事件と相似している。形だけの行政関与を見透かされ、巨利の追求という甘い汁を業者に吸い取られてしまい、一般の国民は単に報われることのない犠牲者になる。

姉歯事件は、強度計算ソフトの数値の改竄だったが、調べる気があるなら、サンプリング検査でも簡単に発覚したはずだ。余計な不正を見つければ、忙しくなるだけだし、運が悪ければ内部で叱責される。それが役人根性というもの。今回の転売事件でも、食用で転売した先を、工業メーカーの名前に書き換えて出荷していたのだが、そのメーカーに電話一本かければ一発でわかるものを何もしていない。

なぜ農水省がメーカーの調査をしなかったか、まだ発表していないが、真の答えははっきりしている。工業メーカーは経済産業省の縄張りだからだ。

農水省のHPに毎日の調査情報が更新されているが、三笠フーズ以外の全国15業者の名前も掲載されている。予見を持つことは危険だが、なぜか酒どころ、米どころの県が多いようでちょっと不気味である。

当初、実名での公表が遅れたことについて、憶測(中国バッシングの誘発、風評被害、隠蔽工作、政府買い上げ制度への批判誘発など)が飛んでいたが、私の推測は別だ。

つまり、事故米になった原因として、残留農薬どころじゃない危険物質が含まれている。

アフラトキシンB1

地球上に存在するもっとも発ガン性の高い物質。ダイオキシンの10倍だそうだ。かなり高率(100%に近く)でガンとなる。魚の焦げた皮なんかの比じゃない。世界中の多くの国が、この物質を厳しく禁止している。しかも、急性肝炎をも引き起こすそうだ。なにしろ、「生物兵器」にも使われているそうだ。もともとはカビから発生すると言われている。


事故米といってもこれだけの猛毒を含む物質なのだから転売ではなく焼却処分にしなければならないのではないだろうか。農薬の場合は、ある一定濃度になると危険、という言い方が正しいのだが、発ガン性物質の場合は、少量でもDNAに影響してガンが発生する可能性があるわけだ。工業用(例えば糊)に使われても、加工業者の従業員などへの影響もある。

今のところ、このアフラトキシンB1は鬼界島酒造と西酒造の焼酎に混入していることがわかったようだ。

さらに役人の話だが、この会社二重帳簿だったそうだ。農水省検査用と実際の帳簿。税務署に提出していたのも農水省用だとすれば、脱税事件だが、おそらくは実際の売買(つまり不正利得を得ている)による帳簿だったのではないだろうか。税務署員は、ぼろ儲けの構造を知っていても、守秘義務で黙っていたのだろうか。本来、こういった帳票の裏を読む仕事は税務署員の得意分野である。

唯一、三笠フーズの言い分で合理的だったのが、合併した「宮崎商店」が、以前からこういう不正工作をしていた、という部分。合併時に気付かなかったわけだが、世界中で、この手の問題は、「キズ物企業を買った側の泣き寝入り」と決まっていることだ。「調査不足!」。


ところで、役人の隠蔽工作の例の一つが、大分県教育委員会。点数嵩上げして合格させた教師たちが突然クビになり、現場は大混乱。

しかし、この事件、よく考えれば、「実際に点数を加点して、不合格者を合格させた」のは、受験者ではなく、教育委員会そのものである。クビにするのは、別の人たちではないだろうか。

「江戸の禁書(今田洋三著)」の続編は

2008-09-08 00:00:20 | 書評

78dc87e3.jpg東京国際ブックフェアで2割引で買った『江戸の禁書』を読んだのだが、実は最も知りたかった「海国兵談・林子平」については、触れられていなかった。なぜなら、本書は、作者の今田洋三氏自身の言葉によって、「タイトルは『江戸の禁書』となっているが、これは江戸時代前半期の禁書、として読んでほしい。残された江戸時代後半は、『続江戸の禁書』としてまとめたいと思っている。」と書かれている。

そして、この本は1981年に出版され、その後、続編が出版されたような形跡は見出せず、1998年に作者は65歳で他界。2007年に復刻になっている。つまり、江戸後半の禁書については、ついにまとまることがなかったのだろうか。

まあ、書かれていないものを蒸し返してもしょうがないが、簡単に「海国兵談」に触れると、作者である林子平が全国行脚の末、諸外国の状況を分析し、「ちゃんと外国ウォッチをしていないと、どんどん攻めてきますよ」という警告を書いた本だが、内容が軍事書であるところから、スポンサーの出版社がつかず、自費出版。

1787年から4年かけ1791年に完成したのだが、一説では全部で39部しかないとも言われる。全財産をつぎこんで39部を完成させたにもかかわらず、松平定信の逆鱗に触れる(外交は幕府の専属事項だからだ)。そして、発禁になり版木は処分される。さらに林子平は幽閉の身となり2年後に亡くなる。そして密かに流通していた、「海国兵談」の出版が許され、林の名誉回復が行なわれたのは1841年のことだ。流通している本は、1851年版と1856年版のようだ。


そして、江戸前期の発禁本といえば、おそらく「好色系」と思われるだろうが、実は最初の頃はフリー。禁書の代表は、キリスト教。実際に横文字の本はほとんどなかったのだが、漢書の中にキリスト教の記載がある場合があったそうだ。長崎出島経由である。ところが、実際は、長崎奉行が仕事をしたフリをするために、キリスト教でなく単に西洋の風物を記した漢書も現場で取り締まっていたそうだ。何しろ長崎奉行の仕事の評価は、禁書摘発数によっていたそうで、これを後に見抜いたのは吉宗で、無闇に漢書を摘発してはいけない、としたそうだ。

次に幕府批判。よく知られた方法として、江戸幕府ではなく鎌倉幕府批判の形になったりする。読む方はすぐわかるわけだ。多くは、政治批判ではなく、将軍の私生活を暴露するようなものが多い。

そして、政治批判。有名なのは1758年9月(今から250年前)に起きた文耕獄門事件。馬場文耕という講釈師が、郡上藩で起こった百姓一揆を題材にした「金森騒動記『森の雫(しずく)』」の口演が摘発され、文耕他大勢が死刑や追放になった事件がある。この事件には謎が多く、もっと歴史小説家が掘り下げてくれると面白いのだけど。

さらに、大名などの系図の出版も禁書だったそうだ。しかし、禁止となるとたちまち現れるのが『偽書』。偽系図屋が跋扈していたようだ。なぜ、幕府が偽系図を禁止していたのかと言えば、「徳川家の過去は天皇家に繋がる」という公式見解が覆されると困るからだようだ。今でも大久保利通から数えて5代目、なんて言っている幹事長もいる。単なる二世議員には系図は要らないだろうが、三代以上続けば系図が欲しくなるものだ。

そして、近松。彼も発禁処分を受けている。心中物の表現が好色過ぎたわけじゃなく、やはり政治の世界にクビを突っ込んだからのようだ。吉宗批判。庶民に緊縮を押し付けて、鷹狩なんかするな、と言いたかったようだ。

一方、吉宗は読書家で幕府の紅葉山文庫に読書暦が残っている。彼が、読んだ本を記録に残すことをルール化したため、後の将軍が好色本を読めなかったのかもしれない。そして、近松が好きじゃなかったのだろう。権力者の驕りだ。


モノクロの昭和

2008-09-07 00:00:05 | 美術館・博物館・工芸品
d036a642.jpg汐留にある「旧新橋停車場・鉄道資料展示室」で、『昭和を白黒(モノクロ)で旅する 薗部澄(そのべ きよし)写真展』が開かれている。

薗部澄氏(1921-1996)は東京に生まれ、岩波映画製作所で『岩波写真文庫』を担当、1957年からはフリーカメラマンとして独立し、雑誌・写真集・個展と精力的に活動を展開されたそうである。今回の写真展は、昭和25年から30年頃までの、日本各地の風景や生活がテーマである。今回は、東京を中心とした都会の写真と、農村。思えば、没後10年記念展。


しかし、古き良き時代とは、その当時の米国のことだったのだが、どうも戦後の日本の写真というのは苦手である。みんな生活苦しそうだ。都会は雑然として、美しくなく、また農村は貧しい。そんな時代から頑張って、現代の繁栄に辿りついた、という観点で感傷を持つべきなのだろうが、現代の日本の繁栄は、既に構造改革の遅れで、崩壊感覚になってきた。貧困と雑然と排他精神が団塊世代のエネルギーの源だったとするなら、これから20年位の逆回りのタイムマシーンが始まりそうである。

東京タワーの写真はどこから撮影したのだろうか。浜松町方面からなのだろうか。無数の電線と無秩序に走る、都電や乗用車。町並みは看板だらけの商店街。やや霞んで見えるタワーから察するに、空気も汚そうである。

d036a642.jpgそして、小豆島の学童写真。こちらの風景は、今も変わらないのだろうか。瀬戸内少年野球団の世界だ。今でも横浜高校野球部なんか、こうなのだろうか。全然違うのだろう。

ところで、カラー写真では雑然としている風景も、モノクロに焼き直すと、少し、客観的になる。そういえば、「あなたとは違うんです。私は客観的に見ることができる。」と豪快に言い放ったエリート政治家は、「前の人のような健康問題ではなく、ただ、最近視力が少し落ちて・・」とこぼしていたのだが、案外、世界がモノトーンに見えてきていて、客観的に見ていたのかもしれない。


ということで、最近、自分で写した画像をモノトーンに変えてみた。別に没後10年記念展用じゃないから、念のため。

d036a642.jpg一枚は六本木アマンド。撮影は日曜の朝。

あるロシア人がタバコ原料を買った地区である。近く、タバコ販売ができないように、全部更地にして森さんが再開発をする予定らしいが、サブプラ問題がどういう影響を与えるのだろうか。上海の超高層ビルで終わっちゃうのだろうか。井上陽水の「なぜか上海」では、♪海を越えたら上海、君の明日が終らないうちに♪と既に予言されている。


もう一枚は、京都先斗町(ぽんとちょう)。雨が降ったり止んだりの祇園祭の昼下がり。なんといっても空中の電線塊がすばらしい風景だ。電脳国家日本だ。確かに地下埋設しようにも、次々に無数の業者が現れ、電話や通信や音楽や画像やさらに最近は地震速報などさまざまな情報ネットワークを構築するのだから、こういうことになってしまうのだろう。道が狭いので、空中が網で塞がれてしまう。

d036a642.jpgなにかのはずみで、電線の塊が落下して悲劇が起きなければいいのだが。

大詰めの奨励会、女流育成会

2008-09-06 00:00:24 | しょうぎ
まず、公益法人の相撲協会が大揺れである。大相撲と将棋のどちらが一般的かと言えば、競技人口では将棋で、観客人口は相撲ということだろうか。相撲の場合は、テレビ中継自体は綿々と過去から続いて、「見るスポーツ」に化している。国内の競技人口は激減というか稀少生物なみになってしまい、外国人力士に頼るようになった。

単なるショービジネス化している相撲が公益法人と認定されるのなら、将棋だって公益と認定されそうなものだが、相撲の巻き添えで、男女プロゴルフ協会などと同類全部まとめて、「グレーゾーンは黒!」と、単に、税制優遇措置がなくなるのかもしれない。そうなれば、資金の入り口の段階で寄付金収入がなくなり、もっと商業的活動に徹することになり、新展開に進むことになるはずだ。個人的には、払うべき税金はキチンと払うべきと思うわけだ。納税の不平等はいけない。


ところで、毎年2度の将棋界のイベントが奨励会と女流育成会の最終日。新しいプロの誕生である。既存プロの数+新規プロの数-引退棋士数-物故棋士数=プロ棋士の数、となるが、こういう方式を「プロフェッショナル・バースコントロール方式」といって、弁護士などがそうだ。ミルトン・フリードマンの経済書には、プロボクシングのライセンスという例も書かれている。業界の資金規模が決まっていて、比較的技術が一般的な場合、こういう方法で、収入の安定化をはかるようだ(これに対して、アマチュアの有段免状なんかは、無制限産卵方式というのだろうか。まあ、関西棋院の六段免状みたいになるとジンバブエの通貨みたいになる)。

そして、9月7日が両リーグの最終日になる。まず、奨励会だが、13勝3敗が二人で11勝5敗が3人。最終日は二局指すため、11勝3人のうち2人は、順位の関係で逆転できる可能性が僅かにあるが、かなり厳しい。しかし、問題は11勝5敗で順位1位の吉田君。特例措置で初段から参加し、前回三段リーグはトップ独走していたのに、最後に失速。次点に泣く結果になる。このまま行くと、二度目の次点となる可能性も高いのだが、その場合、「フリークラス・10年限定・プロ正会員昇格規定あり」というパート社員みたいな条件を呑むのか、あるいは正社員にこだわるのか。

意思表示は、いつするのかな。あまり、ごちゃごちゃ悩んでいると、権利確保どころか、負けてしまってノーチャンスだろうが、あまり歓迎されていないような雰囲気なのだろうか。


次に、女流育成会。こちらは1日3局も指すので、トップの香川さん(11勝2敗)と2番手の渡辺さん(10勝3敗)の二人に絞られたとは言い切れないが、すでに上位5人が昇級点を持っているため、トップになれば、女流2級棋士が一人増える。香川さんなら15歳棋士。渡辺さんなら二人目の東大棋士ということになる。こちらは、あまり急いでプロになっても、どうかな。乗る船が泥舟なのか筏(いかだ)なのか、なかなかはっきりしない。

女流育成会は、昇級者がいる場合は、昇級点を持っていない最上位の人に昇級点が与えられるという複雑なルールがある。香川さんも渡辺さんも、このルールで昇級点を得ている。すでに上位5名が昇級点持ちなので、そうなると、第6位の飯野さんということになるのだが、現在6勝7敗。負け越しても昇級点かと思って調べてみると、勝率が6割以上という条項があった。残る3試合を全勝しても9勝7敗。6割未満である。

ところで、女流棋界はご存知のとおり二団体があって、LPSAの方も強い小学生の囲い込みとか始めているのだが、今後の女流棋士というのは、どういうプロセスで誕生するのか、今ひとつ不明瞭である。まあ、私の娘はまだ三歳で、たぶん将棋のルールは覚えられないだろうから関係はないのだけど、「オマワリ」と言うと、ぐるっと一回りするので、「回り将棋」ぐらいはできるかもしれない。


5d94bcea.jpgさて、8月23日出題作の解答。

▲2三桂成 △同玉 ▲4一角 △2四玉 ▲2三金(途中図1)△2五玉 ▲3六飛成 △1六玉 ▲5二角成 △2五歩 ▲2七竜まで11手詰。

5d94bcea.jpg途中、▲2三金に△1四玉は▲3四飛車成まで。

よくある筋は、▲1三角△同玉▲2三金△1四玉▲3四飛成(失敗図)だが、△2四飛と合駒されると、詰まない。

収束がもう少しきれいにできないかと思うが、余詰が出現しそうな構図なので、なかなかうまくいかない。

動く将棋盤はこちら







5d94bcea.jpgさて、今週の問題は、「飛び道具活躍の図」。難易度はあまり高くなく、ちょっと笑ってしまう最終手である。


「わかった!」と思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評いただければ、正誤判断。

マタニティマークで問題は解決した?

2008-09-05 00:00:14 | マーケティング
2a66508b.jpgよく電車の中で、妊婦に席を譲る光景が見られるが、実際に、はっきりと妊婦とわかる場合は問題ないが、単に、少し太いというだけでは、なかなか声をかけにくいものだ。

論理的に考えると、

1.妊娠初期は外見ではわかりにくいので、妊婦であることを周囲に気付いてもらえない。

2.妊婦の方ではないかと思っても、勘違いかもしれないと思い、席を譲ることができない。

ということになる。

1は、妊婦の側からの論理で、2は席に座っている人の側からの論理である。譲られた方が、単に太っているだけだったら、あるいは単に体型が幼児型の人もいる(胴が太い方が内臓が大きく、長生きできるという説もあるかな)。

それらを一気に解決しようと登場したのが、マタニティマーク。自己申告制である。実は、全国共通ではなく、地域によってマークは異なるが、大同小異である。

これで、問題は一挙に片付いた、と思うわけにもいかないのは、別の問題が考えられるから。

もともと単に太っている女性は、「妊娠しているのかもしれない」と他人が考えてくれることもないわけで、「単に太っているだけ」とすぐに判ってしまうからだ。

しかし、男の場合、デブにはなんの言い訳もなく、単に対策を考えなければならないのだが、去年の今頃は「ビリー隊長に入隊」が流行っていたのだけど、隊長は今、どこに行ったのだろうか。おーい。


ところで、先日、東京メトロ半蔵門線から有楽町線に乗り換えようと、すでにホームに停車していた最後尾車両に乗ろうとしたら、なぜか女性客が圧倒的に(というか全部)多かった。何か変だな、と後ろから二両目にいくと、ほとんどが男性客だった。あまりに奇妙なので、時間にも余裕があったから、どちらにも乗らずに次の電車を待つことにしたのだが、後で考えると女性専用車両だったわけだ。ホッ。

しかし、女性専用車両の隣の車両には、逆に女性がほとんどいない、というのは、どういう現象なのだろうか。

ウクライナ政権崩壊か?

2008-09-04 06:54:29 | 市民A
大統領派と首相派(国会の多数派)の大連立でなんとか国政を運営していたウクライナの大連立が崩壊したようだ。連立の期間は約1年。

議会が大統領の権限を制限する法案を可決し、大統領は議会の解散を宣言。憲法で選挙後1年以内の解散は認められないので、9月末の総選挙か。


ロシアが、”絶好のチャンス”と、クリミヤ自治共和国の独立を狙えば、さらに黒海情勢緊迫化は明白。

クリミヤはウクライナから黒海の中にポリーブ状に突出した地形から、ロシア海軍の最重要基地がある。

ちょっかい出すなら、日本海に突出した半島の方を頼みたいところだけど。

『虎撃ち』の「怖~い」裏読み

2008-09-04 00:00:08 | 市民A
日本ではあまり報じられなかったが、プーチン首相の『虎撃ち』がEU方面では話題らしい。

ただ、報道によって若干、ニュアンスが異なる。

CNNジャパン


プーチン首相、お忍びで「トラ狩り」、極東で麻酔銃手に麻酔銃を構えるプーチン首相

麻酔で眠るトラへ発信機装着を手伝うプーチン首相モスクワ(AP) ロシアのプーチン首相がお忍びで極東地域に赴き、トラ狩りしていたと、同国の国営テレビが9月1日に伝えた。麻酔銃でシベリアトラの5歳メスを撃ち、追跡調査用の機器を装着する手伝いを行った。

テレビ映像には、山奥に分け入って横たわったトラの横で、発信機装着に協力する首相が映っている。

ロシアから中国にかけて生息する、世界最大のシベリアトラは、環境破壊や密猟などが原因で個体数が減少しており、野生の数は現在、400頭未満と見られている。

ロイター


プーチン首相、トラの襲撃からカメラマン助ける
9月1日14時29分配信 ロイター

[モスクワ 31日 ロイター] ロシアのメディアは31日、プーチン首相(55)が、野生のアムールトラの襲撃からテレビ局のクルーを助けたと報じた。同首相は、研究者らによる野生のトラの監視方法を視察するため、国立公園を訪問していたという。
同国の主要テレビ局によると、プーチン首相はわなにかかったアムールトラを見るため、野生生物の専門家たちと一緒に現地に到着。その際にトラが逃げ出し、近くにいたカメラマンに向かって走ってきたが、旧ソ連国家保安員会(KGB)出身のプーチン首相がすばやく麻酔銃を打ってことなきを得たという。
プーチン首相はその後、トラの歯の計測や、首の周囲に衛星発信機を装着する仕事も手伝った。


97d06f04.jpgお忍びで虎を撃ちに行ったのか、偶然、暴れる虎に遭遇して、おもわず、KGB時代の訓練の成果を発揮したのかわからないが、プーチンが虎を保護している国立公園に行ったことは事実である。

しかし、グルジアがあんなことになっているのに、気の短い新大統領にモスクワを任せておいて「虎撃ち」に行ったりしていいのだろうか、とはロシア国民のみならず外国からみても奇異に感じる。実際、何だったのだろうか。


ヒントは、この前日の彼の行動。国立公園の近くの石油パイプライン建設現場を視察していたということである。そして、もう一つのヒントは、このシベリアトラ。シベリアトラというのは別名、アムールトラといって生息地は沿海州の周辺である。ロシア、中国、北朝鮮の国境近くである。つまり日本のすぐそば。

それで、わかってくるのが、建設中の東シベリアの原油パイプラインの最終向け先。中ロ間で完結するのか、あるいは太平洋岸(沿海州)まで到達するのかということ。一説では、ロシアは中国に対し、今まで中国が払っていたタンカー運賃と同額のパイプライン使用料を要求して紛糾しているようだ。外洋までパイプラインを延長することによって、中国に対して「嫌なら別の会社に売るからいいよ!」とさらに圧力をかけることができるわけだ。

特に、EUや中国がロシア領土を通らないグルジアやウズベキスタンのパイプラインにこだわっているため、間違いなく、東側に新規パイプラインを作りたいのだろう。

そして、もう一つは、今までその量も質も秘密に包まれていた東シベリア各地から産出される原油が、市場に登場してくる可能性があるということである。

プーチンがトラの保護センターを視察したのは、パイプライン予定地区が希少動物であるトラの生息地と重なっていて、欧米から「パイプライン計画の凍結」の横槍が入らないように、事前調査をしていたに決まっているわけだ。


ところで、日本では、「姫の虎退治、ならぬプーチンの虎退治」とか「プーチンの麻酔銃と麻生太郎のクレイ射撃は、どちらの腕が上か」など、まったく話題が危機意識ゼロである。


本来、思わぬ原油価格の高騰で不労利得が貯まっているはずのロシアが、さらに原油で金儲けしようというには、特段の理由がある、と考えるべきだろう。

最も費用がかさむ国家的事業は何か?と考えれば、少しは想像できるのではないだろうか。

あるいは、単に「シベリア温暖化計画」?

快復基調

2008-09-03 00:00:33 | 市民A
風邪をこじらせて、ほぼ一週間、冬眠状態になっていた。期待に応えられなかった五輪選手・五輪監督みたいだ。

いつもは、発病後24時間以内に、かかりつけの内科小児科医に駆け込むと、パターン化された薬のコンビネーションで、数日間、凹んでいれば元に戻るのだが、「たまには、自力で治したい」と根拠なきカラ元気が裏目に出てしまった。しかし、自分より8歳上の内科小児科医に頼り切りになってしまうと、彼が自分より8歳長生きしないと、そのうち主治医がいなくなることに気付いているのだが、まだ先のことだろうか。待合室のBGMに鉄腕アトムや鉄人28号が流れているうちは大丈夫だろう。

ということで、次々に流れていくニュースを、じっくり頭の中で解体、再構築して考えていた。

例えば、「ペシャワール会」の中村さんが誘拐され、死亡した件。アフガン自体、「一般政府」「市民」「タリバン」と3分割構造の中で、一般市民寄りの立場を取っていたようだが、行く前にコーラン(解説本)とか読んでいたのだろうか。ヒューマニズムという新しい概念が世界共通語であるわけでもないわけだ。


そして、俗な話だが、五輪の責任追及のこと。たぶん、野球、男子サッカー、男女マラソンあたりかと思っていたら、すべての罪を被ることになったのが野球監督問題になった。

おそろしいことに、来年3月のWBC監督も星野という声があるのも奇妙というか、日本の価値観も多様だ。

もともと、現役監督じゃないことが、多くの判断ミスを招いたと思っている(実戦勘の不足)。さらに、不調の選手を使い続けるとか、ケガ人、病み上がりと承知していながら連れて行ったことなども、「データ(確率)無視」「温情主義」に流れてしまった。だいたい、連盟や審判に対し、無用な抗議を重ね、厳しい判定を招くことになった。国内なら「Mr.ホシノ」は有名だが、海外じゃ無名だ。だいたい、選手(上原・宮本)の方が、「もう出ない」と言っているのに監督が「もう一度」では、理解できない。

日本シリーズ優勝監督が次の代表監督、という案が出るようだが、誠にもっとも、と思われるわけだ。


女子マラソンの野口さんの肉離れだが、「固い路面で高速レース」という筋書きを先に決めこんでしまったところに、「過労」というけがの遠因がありそうだ。実際には、レースはスローペースとなる。ラドクリフ失速と野口欠場の結果だ。となれば、元々の戦略に問題があったのだろうか。土佐さんの故障は、先に野口さんが欠場表明したため、やめるにやめられなくなったのだろう。

男子マラソンの小橋のドタキャンだが、遠因は4年前のアテネ。代表に選ばれると確信していたのに、不明瞭に落選。今回、とても辞退できる気分じゃなかったのだろう。最下位になった佐藤だって、どこかが故障しているに決まっているだろうが、男女6人中4人が故障では、とても世論が許さないだろうと思ったのだろう。夏の牡蠣になる。日本の大学に留学にくるアフリカ系の人たちに「日本国籍バラマキ」がいいのだろう。



そして、男子サッカー。オーバーエイジ枠ゼロという醜態もあったが、すべての失敗は、第一戦の前半21分の森重のゴール前空振り。早い話が、これで、選手全員の気持ちが萎えた。あれ以上のチャンスってないんじゃないのって。

写真を集めてみたのだが、彼は一体何をしようとしたのかな。空振りする以外は、絶対にゴールに転がったと思うのだが。普段使わないインサイドキックにしようと足を曲げたら、その下をすり抜けたのだろう。普通につま先を伸ばしてければ、仮に地面を蹴飛ばしても空振りはしなかっただろう。さらに失敗後、周囲に謎の笑顔を見せたので、「スパイ説」まで現れている。女子サッカーの第一戦のニュージーランド戦での沢の同点ゴールはジャンピングボレーである。難易度の比較は・・

サッカーの監督問題にも、何らかの基準が必要なのではないだろうか。


そして、ついに首相辞任!

先日聴いた田原総一朗氏の講演会の内容と組み合わせて考えると、案外、自民党総裁は辞任しても、暫定的に現内閣のまま総理大臣を続け、総裁選挙が終わったら直ちに、麻生対小池の勝者と小沢一郎の間で総選挙で民意を問い、次の内閣に引き継ぐ、という米国大統領選挙みたいな方法もあるのではないだろうか。オバマ対ヒラリーの勝者がマケインと戦うようなものだ。比べれば規模も期間も安近短だが。

思い出すと、小泉純一郎氏が首相時代に、織田信長にならって「天下の掃除人になる」と宣言したのに、掃除しないで退陣したのが腑に落ちなかったが、もしや、チマチマしたゴミ掃除が面倒臭くて、まとめて「自動的ゴミ清掃大作戦」を展開中なのかもしれない。安倍・福田・X氏の3人で様々な角度から社会のゴミを燻り出させた後、小沢掃除機のスイッチを入れる、とか。