アド街に港北ニュータウン登場(2)

2006-09-15 00:00:13 | マーケティング
de03f361.jpg今回は、15位から1位までだが、総じて商業施設がほとんどである。文化施設が少ないのが弱点であるが、テレビ東京の選に漏れただけである。いくつかの有名校がある。

まず、ドイツ学園がある。人口芝ながらサッカー場が完備しているのが、さすがドイツである。毎年ドイツ祭りを開いている。ドイツ菓子が並ぶ。その隣には洗足学園の器楽科がある。完全防音の建物の中で、有名教授たちと女子学生が何をしているのか?それは秘密だ。武蔵工業大学の環境情報学部もある。このムサコウだが川崎の王禅寺(新百合)というところの研究所で原子炉を稼動させていた。平成元年に炉心から漏水し、長く停止したあと、いずれ廃炉になるそうだが、ニュータウン内に原子炉が移転されるのは嫌だなあ、と思っていたのだが、今のところ敷地内に大きな施設はない。が、油断はできない。

高校女子駅伝で有名な県立荏田高校もある。偏差値も高い。Puffyの亜美ちゃんの母校。一方、県立新栄高校は対称的だ。サレジオ学園は鷺沼から港北ニュータウンに引っ越してからは、ちょっと停滞気味。宿題が多そうで、朝の電車では寝過ごす生徒が多数いる。寝過ごすとスクールバスに乗り遅れて、30分歩かなければならないし、たぶん、それ以上に困ったことになると思う。


15位 埋蔵文化財センター 都筑(つづき)区が歴史上登場するのは、まず、縄文時代。というか、横浜市街地なんか何もない海で、ここ(海抜20メートル)が海岸だった。当時、日本のあちこちには縄文人の集落があった。前面が海岸で後背地が森林という場所がベスト。そこに弥生人が大陸(あるいは半島)からやってきて、階級闘争がはじまったわけだ。そして次のハイライトが鎌倉時代の終わりから室町始めまで。豪族の荏田氏とか中原氏とかが居城を張り、中原街道や大山街道から得る利益を懐に入れていた。つまり、普通の日本史では花形時代にあたる奈良・平安・戦国時代・江戸時代というところがダメなのである。今後、地球温暖化で海面が20メートル上昇し、横浜市内が水没するといいことがあるかもしれない。

14位 フットサルクラブ横浜 横浜はフットサルが盛んであるが、その前に「こどもサッカークラブの過熱」がランク外になったのが意外。どこも、優秀な子を確保するために、ブラジル人やドイツ人コーチを招聘している。それと、フットサルというのも、コートの広さによってまったく違うスポーツになるから注意が必要だ。

13位 アン・ジャンヴィエ 本格フレンチレストラン。オーナーシェフの野口好夫氏は、「TVチャンピオン」の「フランス料理シェフ選手権」で優勝した腕前。「リーズナブル価格の本格フレンチ」というのが売りだが、自由競争化では常に価格は「リーズナブル」になるものだ。実際は、区内にはフランス料理店は数少なく、イタリア料理店が多い。さらに無国籍料理店はもっと多い。焼肉店も多い。「大将軍」とか「平城苑」というのもある。

12位 ファイティング原田ボクシングジム 以前、紹介した。民主党藤末参議院議員も会員。「廣田新聞店」という巨大新聞販売店の配達少年がここでプロを目指すというのが最近の流行。

ここは女性は少ないようだが、女性専用のボクシングジムもある。ストレス発散のため、サンドバッグを殴ったり蹴ったりするらしいが、その行為によってさらに、凶暴な性格になることも稀にあるだろう。

11位 KEY SOUTH センター南は東急ショッピングモールの街だが、そのモールの隣に付帯的に「KEY SOUTH」というショッピングモールがある。大店舗はトイザらスとスポーツオーソリティで、小店舗がサーティワンアイスクリームとスターバックス。特に、サーティワンはあまり広くないが、売上は全国ナンバーワンだそうだ。よく、路上にアイスクリームが落ちている。ダブルを頼むと危ない。そして太る。

10位 ショッピングタウンあいたい センター北の阪急系ショッピングモール(モザイクモール)の隣にあるモール。テレビでは「肉のあまいけ」と「共和水産」という、妙な安売り店が紹介されていたが、大きなボウリング場がある。さらにその横にビリヤード場があり、そこはすいている。ボウリング待ちの間に玉を撞くのだが、ビリヤードは上手でも尊敬されないゲームだ。島村楽器には、楽譜が充実している。シニア・スタート・ピアニストご愛用の店だ。

9位 緑道 意外な天然物がランクイン。要するに自然との共存ということで、自然林が残っている。さらに人工のせせらぎと遊歩道が張り巡らされている。しかし、昨年、大雨の遊歩道で殺人事件が発生してから(未解決)、一気に散策者は激減。一方、大規模なスポーツジムが流行っている。

8位 くじら軒 なぜか全国的に有名になったラーメン店。有名になると、なぜかダシがあっさりしてくるという法則通りになっている。鰹系のあっさり味のラーメンが好きな人が全国から集まり、店の前には長蛇の違法駐車の車列ができる。もっとも横浜は家系(いえけい)ラーメンが主流で、こってりスープの「横濱家」は区内に多くの出店を持つ。アメリカから豚の背骨を輸入して煮込んでいるそうだ。近隣の新横浜ラーメン博物館に対抗して、10位あいたいの中に「ラーメン甲子園」がある。トーナメント方式を採用していて、売り上げの悪い店は追い出される。

7位 サカタのタネ 横浜反町に古い建物があったのだが、港北ニュータウン内に大規模本社建設。実は、種苗産業というのは重要な先進産業で、たとえばハイブリッド穀物はそれ自体が種子をもたないので、全てメーカーが作った種を買わなければならない。サカタのタネは世界10指に入る会社だが、残り9指はほとんど米系だったと思う。

実は、この会社の創設者の汗と涙の奮闘人生については、現在調査中なのだが、どうも七転八倒型のようだ。いずれ・・

それとランク外になったが、「ヨネヤマプランテーション」という成長中の園芸店がある。高級ペットフードも売っている。実は、この港北ニュータウンは北地区と南地区と二分割されていて、中間に農地がある。どうも開発当初、建設省と農林省の利権争いの結果、開発計画からもれてしまったそうだ。実際は農地といっても、農業ではなく大規模造園業者が利用している。外から見えないようになっていて、何をしているのかはよくわからない。

6位 AOKI 紳士服のアオキ・インターナショナルがアオキ・ホールディングスに組織変更。本店は広すぎて店長が5人いるとのことだが、そんなに広いとは思えない。一階には自動演奏ピアノが置いてあるが、演奏はされない。多角化に走り、このニュータウン内には、ベビー服の店舗を出店し、失敗。紳士服店出店し失敗(現在カラオケ店に模様替え)。結婚式場出店。低価格店舗オリヒカ出店。なかなか結果が出ない。表参道の系列結婚式場アニヴェルセル内に展示していたシャガールの名画、「アニヴェルセル」はこの本店の社長室に飾られている可能性もあるとは思うが、たぶん違うだろう。

5位 ハウスクエア 住宅展示場と住宅関連企業のショールームの入ったビル。家を建てる前に、ここに行けば、ほとんどの大手・中堅のハウスメーカーのモデルハウスがあり、週末はあちこちでフェアが行われている。注目は、入口に近いところにある某社の地下室のある住宅。大音響可能なAVルームがある。ただし、どこのモデルルームでも分厚いカタログと丁寧な説明が受けられるが、必ず自宅建設用地についての詳細と資金繰りについてのアンケート用紙が待っている。

そして週末を楽しくモデルハウスで過ごすと、翌週末はノルマに追われたセールスマンの猛攻撃を自宅で受けることになる。

4位 ドライブショップ ちょっと漠然としている。電器店が多い。ジョーシン、コジマ、ヤマダ。セキド。そして横浜が本社のPCdepotがある。どこも駐車場は満車だ。そして、本当は優勝劣敗がついているのだが内緒。ホームセンターではコーナンがあって、コーナンオリジナル商品の「カニトリーナ」を売っている。わかりやすくいうと「蟹取りハサミ」。早く買いに行かないと地球上から姿を消すだろう。

3位 IKEA 9月15日開業。つまり、きょう。小物に期待。洗濯用品に期待しているのだが、そんなものはないのだろうか。ニュータウン内の何軒かのお宅を伺ったことはあるが、どこも家も高級輸入家具が多い。IKEAのイメージと大きくズレているのだが、どういうことになるのだろうか。店の前の港北インターから第三京浜に乗ると、出口は世田谷区、大田区、目黒区方面につながるが、そこも雰囲気が違うような・・・

若い奥様方がIKEAのパートで働く、というのが、とりあえず一つのライフスタイルだそうだが・・

2位 横浜国際プール これが2位とは意外。国際大会は多数開催されている。スポーツセンターになっていて、こちらもフットサルコートは満員状態。最近、引退後の団塊世代が公営のスポーツセンターで汗を流す姿が増えてきたそうだ。汗の中の脂肪酸は空気に触れて酸化すると加齢臭を発散するそうだ。ジムも公営と民間と二分化されそうな気配である。

1位 モザイクモール港北&港北東急百貨店S.C. 1位は無難にセンター北駅にある「モザイクモール港北」(阪急系)とセンター南駅にある「港北東急百貨店S.C.」と二つ並べて、どちらが上か下かはっきりわからないようにしている。どっちもどっちかと思うが、東急モールの方は最初あった百貨店領域がほとんど消滅。専門店ばかりである。阪急の方も同じ。どちらも百貨店部分にはまったく客がいない。都心はデパート回帰の動きがあるが、港北ニュータウン内は日本有数の専門店同士が、激しく過剰サービスと低価格路線と高級化というありえないトリレンマの戦いを続けている。


結局、住みやすい街、ママに優しい街、子育てに最適な街、というキャッチコピーがまかり通っているが、ランクを眺めればわかるようにすべて、激しいサバイバル商業主義の上に成り立った街、ということ。多くの出店者が大損害を出して撤退していくのも事実。

ランクインしなかったもののニュータウン内の人気スポットの一つであるラーメン店モール「ラーメン甲子園」では、売上不良店は自動的に追い出されることになっているそうだ。そして、来年には新たな地下鉄新線が開通し、いくつかの新駅が誕生し、また大小さまざまな商業施設が誕生し、そして廃業していく。ローンが払えなくなったサラリーマンもまた、石もてこの町から追い出だされるのである。


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