勝負服にこだわった棋士

2008-12-20 00:00:58 | しょうぎ
竜王戦7番勝負は、渡辺竜王が、●●●○○○○で防衛。7番勝負の後半は、毎週連続の対戦になり、ゴルフトーナメントみたいに調子が出てきた竜王が、そのまま走ってしまった。二週間おきというのなら、違った結果になったかもしれない。



全体をみて、「はっきりした悪手」が見あたらないシリーズで、むしろ、「気合」とか「粘り」といった古典的な要素が強く出ていたように思う。そういった、アナログ的な話の一つが、「勝負服」について。



以前、何回目かの竜王防衛パーティに行ったおり、渡辺竜王御用達の白滝呉服店の社長がスピーチの中で、「勝負羽織」の話を明かしていた。竜王お気に入りの一着がある、ということ。そして重要な一番では、この羽織を着用するらしいのだ。

羽織の柄については、まったくの門外漢なので、ここでは「虎斑」ということにしておく。本物の虎斑は最高級の駒の素材となるツゲ材の紋様であるが、そういうまだら柄である。



最終第7局が、まさにその虎斑羽織である。もちろん3勝3敗で迎えた最終局。勝つと負けるとでは数千万の差が出る。ここで出なけりゃいつ出ればいい、という当然の登場である。

そして気になったので、7番勝負の写真を念入りに見ていると、第3局でもこの勝負羽織が登場していた。その時は竜王2連敗。そして先手番の第3局。ここは絶対負けられない、と気合を入れたのだろう。

が、敗北。

その後、ずっとカド番が続いていて、勝負羽織はオクラ入りだったのだが、幸甚にも3勝3敗までこぎつける。二度目の登場になる。

もし、7局目に竜王が負けていたら、勝負羽織2連敗ということになり、たぶん、羽織は渡辺家から永久追放になったのだろう。あるいは別の棋士へのプレゼントか。振袖火事みたいな話だ。



さて、12月6日出題分の解答。

▲3六銀 △5四玉 ▲6四金 △4三玉 ▲5三金 △3四玉 ▲3三角成 △同玉 ▲4五銀まで9手詰。

空中詰めである。

二間右に寄せてもいいのだが、そうするとちょっとつまらない。




今週の問題は、ある種類の駒で玉を挟む形になる。手順はいたって平凡で、その「はさむ形」の意外性が主題である。

わかった、と思われた方は、コメント欄に最終手と手数を記入していただければ、正誤判断。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿