ETC新割引制度は、値上げである

2005-09-20 21:56:03 | マーケティング
数日前、不幸のメールが届いた。

次の内容だ。

日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団から前払割引に関する重要なお知らせです。
12月20日24時をもって、前払金のお支払(積み増し)の受付を終了します。
詳しくは、専用ホームページまたは10月上旬に郵送するお知らせをご覧ください。
なお、前払金の残高は、これまで通り、ETCでご通行された料金のお支払に充てられます。ご理解を賜りますようお願い申し上げます。


奇妙なのはメールの送信者だ。送信者は「ETC前払い割引サービス」となっている。なんということだろう。法人でも個人でもないのだ。怒りの返信メールが肩透かしになるように仕組んだのだろうか。土曜日のお昼という妙な時間に送信している。明細を見たいが道路公団のHPの中のPDF資料はいつまでたっても混雑で開かない。内容不明。

実は、メールを見て、最初は怒りがこみ上げてきたわけだ。割引で釣っておいてETC加入者を増やし、後で割引を取り消す。古典的な手口だ。おとり商法

しかし、少し冷静になると、民営化に伴う移行措置かなと優しく考えてみたのだ。現在の前払い方式だと、割引率は13.8%(50,000円で58,000円分使える)になるが、6分割される新会社に一律に適用になってしまうのは不合理なので、各新会社ごとの自主性を持たせるためには、ポイント制(マイレージ)を導入したほうがいい、ということなのだろうか。要は、ユーザーにとって、どちらが得かということなのだろう、ということである。

そして2日後にやっと開いたPDF資料を読むと、ほとんどの場合、割引率が縮小になる。つまり値上げだ。もったいぶって、新制度の方が有利になる人もいそうなことが書かれているが、1,000人に一人という単位ではないかな。またも怒りが湧き上がる。

では、その割引の内容。

1.現在の前払い方式の割引率
  前払いには二通りある。10,000円コース(10,500円分)ハイカの代用か
  50,000円コース(58,000円分)割引率は8000/58000=13.8%である。
   この13.8%が基本割引率になる。

2.複雑な新制度
  A.東日本、中日本、西日本
    マイレージ導入
     a.高速道路     50円で1ポイント
     b.一般有料道路  100円で1ポイント
     C.ポイント還元   100ポイント200円
                200ポイント500円
                600ポイント2500円
               1000ポイント8000円
     d.ポイント有効期間 2年間
  *高速道路と一般有料道路の差だが、簡単に言うと最高時速が100Kmが高速。
   80Kmが一般有料道路である。第三京浜、横浜新道、八王子BP、
    アクアライン、圏央道、横浜横須賀道路、小田原厚木道路など。

  B.本四架橋
     上記高速道路と同じ(50円で1ポイント)

  C.首都高速
    時間帯割引制度
     a.平日(土曜)オフピーク割引 10%(11時-15時、18時-22時)
     b.平日夜間 割引       20%(22時-6時)
     C.日曜・祝日割引       20%(0時-24時)
     d.割引なし         (平日6時-11時、15時-18時)

  D.阪神高速
    首都高に似ているが、もっと複雑なので省略。

3.割引額評価
  評価法はいくつか考えられるが、2年間で58,000円分を使った場合の
  必要金額を、カテゴリ別に計算してみる。
 A.現在方式    58,000円 → 50,000円 (13.8%引き)
 B.すべて高速   58,000円 → 49,800円 (14.1%引き)*最大16.0%
 C.すべて一般有料 58,000円 → 56,800円 ( 2.1%引き)*最大 8.0%
 D.首都高     58,000円 → 46,400~58,000円 (0%~20%)

各人どれくらいの比率で使われるのか、あてはめて考えてみればいいが、首都高は平均10%引きがいいところではないだろうか。普通に走っていると、割引はゼロになる。

そして、新制度の方が有利になるケースを考えると、こういうケースに限られる。
2年間で50,000円以上を高速道路で使い”、”一般有料道路を使わない場合”だけほんのちょっとだけ有利になる。が、”マイレージ登録を忘れてしまう”と1ポイントも付かないし、さらに、”ネット上で換金手続き”をとらないといけない。割引は自動的には行われない。

しかし、関東圏や阪神圏に住んでいると、一般有料道路を利用しないで高速道路だけを利用することは、事実上困難(一般有料道路の先に高速道路のICがつながっていることが多い)であるから、まず平均割引率は10%程度になってしまうのではないだろうか。

そして、大きな問題は、「アクアライン」だ。現在アクアラインの通行料金は、定価3,000円のところ、臨時割引で2,320円になり、ETC前払い割引制度による13.8%の割引率により、ちょうど2,000円になることになっているが、こんどの改定では一般有料道路という分類になり、うまくやっても割引額は半分になってしまう。
ところで、この問題、新聞では登場していないようだが、新聞記者はETCなど使っていないのだろう。経済観念がないのだから仕方ない。猪瀬氏の腕力に頼むしかないのだろうか?

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