新宿のタイムワープ空間に「市川房江記念会女性と政治センター」が

2018-12-30 00:00:05 | 美術館・博物館・工芸品
新宿駅の南口から西に向かって歩き、かなり近いところなのだが、太い道路から細い路地を入るとまったく分かりにくいところに婦選会館があり、その建物内に「市川房江記念会女性と政治センター」がある。建物に入ると、まず受付の方から、そこにたどり着いたことに対するねぎらいの言葉をいただける。

husae


市川房江さんは、もともと女性参政権の活動をしていて、戦後は女性も投票に行こうという運動を行っていた、かつて一回だけ彼女に投票したかすかな記憶がある。

それで、彼女の演説の録音を聞いてみたのだが、女性政治家になるために立候補を促すというよりも、女性の意見を通すために、「女性も投票に行こう」という運動をしていたようだ。

そういう比較的、難しくない運動も全国をくまなく遊説した結果、投票率において男女格差がなくなったということだろう。もちろん、彼女は参議院議員でもあったわけで、国会での質疑応答も読んだのだが、参議院議員らしい品位ある質疑を佐藤栄作総理とも交わしている。

現代では、投票に行かないのは女性ではなく若年層ということになっているが、若年層を投票場に行くように熱意をもって運動をしているような人は見当たらない。

女性参政権の事だが、元はと言えば、日本で普通選挙が始まったのは1925年のこと。当時は誰が選挙権を持つかという議論があって、当初は多額の税金を納めている人というカテゴリーを考えたそうだが、それでは女性の方が有権者数が多くなるということだったそうだ。そのため、男子だけということになったらしい。その話を読んだ時に、もっと詳細を調べるべきだった。確か、男は少数の金持ちが高額を払い、女は商店主が多く数で言うと納税者が多いということだったような気がする。

ところで、この婦政会館だが、かなり年季の入った建物である。まわりには大小多数のビルが建っているが、この一角だけが昭和中期の雰囲気を醸し出している。実は、この会館の場所に、市川房江女史本人が住んでいたそうである。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿