さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

2008-01-28 00:21:57 | 書評
最近、過去のベストセラーで読んでいないものを読んでいる。ベストセラーと言うのは、たくさん売れた本(実際には印刷数が多い本)という意味。よい本という意味ではない。本当は、A good book costs good money.という諺は、それほど正しいわけではない。(そんな諺を聞いたことがない、と言われる方は、今、覚えておこう)

3年前、平成17年の本で、一時、書評などたくさん出ていて、「ときどき竿竹屋のクルマが回ってくるのは、なぜか?」というあまり普通の人は気付かない角度で書かれた本の題名。



私は、てっきり、一冊を全部「竿竹屋」の話につぎこんでいて、表層的な竿竹屋ビジネスを解明し、業界全体の需要供給構造などを分析し、マーケットを支配する大手ディスカウンターの戦略分析をし、さらに竿竹の基本的な使用方法である「洗濯物を屋外に干す」という日本型カルチャーと諸外国の洗濯の干し方の差から、天候と文化の関連とか、ガス型乾燥機の普及問題とか縦型の深度展開をするのだろうと漠然と思っていたし、その程度のことは凡そわかるので、読むまでもないだろう。というようにも思っていた。

入口のところの竿竹屋ビジネスのところでは、「竿竹屋の車に声を掛けたら最後の高額商品」つまり”焼芋商法”。「竿竹を交換するために家に上がったら最後、座り込んで別の商品(例えば、ベランダの改装工事)を押し売り」つまり”スパムメール商法”。「本来、別の本業を持っている人(例えば移動弁当屋とか)が、短時間で別のアルバイトをしている」つまり、”兼業農家法あるいは脱税商法”ではないか、と予測していた。

そして、この本を30分で読んでしまったのだが、驚くことに(あるいは驚かないことに)、入口想定は予想正解。金物屋さんが引き売りしている例も多いようだ。

しかし、縦型展開にならずに、横型展開になって、身近なところにあるミクロ経済学と超簡単な経営の解説書になってしまった。

逆に、どうして、こんな中学生レベルの本が日本で売れるのか考えて見ると、いくつかの仮説が立てられるのだが、日本の未来が暗くなりそうなので書くのをやめる。

そして、もう一度、この本の題名である「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」というのを観察してみると、まず「さおだけ」と平仮名になっている。「竿竹」では読めない人がターゲットである。しかも「潰れない」というところが漢字になっていて、アクセントが着いている。だいたい、潰れないのか、潰れつつある途中段階なのかも検証されないわけだ。しかも最後に「?」。かつて、良書の題名に「?」や「!」がついているものがあっただろうか。そのうち、絵文字や顔文字まで登場しそうだ。

ところで、この本の題名を本歌取りして、いくつかの本が出ている。中でも、「さおだけ屋はなぜ潰れたか?・池田浩明」という小説が出版されていて、このベストセラーを読んで竿竹屋を開業して潰れた人物が主人公になっているそうだ。原書は会計学の先生で、投資抑制型のキャッシュフロー経営よりも節税効果の高い先行投資経営の方を薦めているところから、主人公は黒字倒産したのではないかと、ちょっと想像してしまうのである。読まないけど。

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2 コメント

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本当が怖いさおだけやの話 (利波偉)
2008-01-28 00:10:31
 あの本はごく一部の事例しか取り上げていなくて、私に言わせれば、学者の絵空事で実際は怖い話が一杯ある。むしろその方が多い。
 書けないので詳しいことは全国詰将棋大会で聞いてください。って昨年も書いたような、、、。
Unknown (おおた 葉一郎)
2008-01-28 06:45:39
利波偉さま
こんにちは、
 「本当は怖い竿竹屋の闇」という題名ですね。
 全国大会・・・福岡ですね。神戸、福岡とスカイマークの営業エリアが続きますね。握詰ができたら・・

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