酒池肉林(中国の贅沢三昧)井波律子著

2010-07-19 00:00:00 | 書評
shuchi1993年の著である。古い本を読む時には、一応、作者の現在での動静をチェックすることにしているが、本書執筆時は金沢大学教授だったのだが、2009年に国際日本文化研究センター教授を定年退官し、現在は大佛次郎賞選考委員。中国文学の研究者である。

まずは、作者が健在であることにほっとしてから読み始めるのだが、酒池肉林といっても団鬼六作の官能小説とは関係ない(ちょっとだけ関係がある)。

中国という長い歴史を持つ国で、権力者たちがどうやって贅沢の限りを尽くしたか、というような話だ。

その中で、古代王朝殷(いん)の第30代天子である紂(ちゅう)の所業が酒池肉林だったわけだ。全国から食いものや財宝、野獣や美女を集めて自分だけの為のレジャーランドを創る。酒をたたえた池をつくり、樹木に干し肉をぶらさげ、その中で裸の男女にワイルドパーティをやらせて、自分は愛妾を侍らせていたわけだ。

なんとなく、ローマの愚王の一人であるカリギュラを思い出すし、自宅の敷地内にネバーランドを創ったダンスのうまい米国人のことも思いだす。

その後、紂(ちゅう)は、残虐性を増してまわりの人間の粛清を始めるが、結局追い詰められて、殷王朝とともに攻め滅ぼされた。

その後、秦の始皇帝、漢の武帝、隋の煬帝、唐の玄宗、明の万暦帝、清の乾隆帝。すべて同類項である。

次に、貴族、商人と規模は小さいが、一世を風靡する金持ちたちの贅沢がある。

そしてブラックホールとも言える「宦官」と言われる官僚制。去勢男性を集めて政権運営を行う。3000年の歴史があるそうだ。そして、どの王朝でも、最後には宦官大殺戮で時代の歯車が一つ動く。

もっとも、頭の優秀なこどもは、大事なところをちょん切ってから、宦官になるため、その優秀な遺伝子を子孫に残せない。そうすると頭の悪い子が順送りで宦官になり、また、チョン切ったりもするので、子孫は時代を追うにつれ、バカになる。しかないわけだ。

ところで、参院選。どの党に投票すべきかわからないので、「公務員給与2割減額」を公約にした「某政党」と同じ2割減の目標を個人として立てている別の政党の「某候補者」に投げる。これでよかったのだろうか。

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