横浜みなと博物館で「国際港問題史発見」

2009-06-14 00:00:20 | 美術館・博物館・工芸品


横浜のY150は、まだ参加していないのだが、MM21地区にある横浜みなと博物館に行く。元は「マリタイム・ミュージアム」といって、船舶に関係のあることだけを取り扱っていたが、装い新たに、横浜港に関する博物館として再出発した。

外観は平屋建ての物置みたいだが、これは博物館の上階であって、一階展示室はもっとずっと大きいし、大がかりである。

ところで、横浜といっても内陸の方には、貝塚や古墳もあり、東日本の普通の海辺の村だったのだが、「横浜港の歴史」となれば、まさに150年しかない。それも、いきなり国際港から始まる。段階的に国際化したわけではない。江戸幕府が、ここを開港して、外国人居留地を作る。

そして、明治になると、まもなく日本人の町と外国人の街は、入り乱れて境界線もなく混じりあっていく。

何しろ、首都圏の唯一の国際港である。貨物船も豪華客船もすべて集まってきた。

横浜の歴史は、このあと、関東大震災があり、大空襲というようなことになるのだが、この「首都圏唯一の国際港」というのは、どういう特権だったのだろうかということ関係が、ひっそりと展示されていた。

やはり、東京港が、「横浜港だけじゃなく東京港も国際港として認めるように」という主張を明治30年代から行っていたようだ。

展示品の中に、政府に対して「東京港を国際化しないように」という横浜市長による文書が残されている。簡単にいうと、「東京が国際港になると、横浜港は破たんする」というような脅しである。

明治30年代の要望が現実化にいたったのは、実に昭和18年。第二次大戦の中盤戦である。つまらない無駄を言っていられなくなったのだろう。それくらいの事態にならないと、既存特権は廃止できないということだろうか。

その後70年近く経ち、羽田空港の国際空港化について、成田空港がクレームをつけている。この構造は、東京港の国際港化の歴史とよく似ている。戦争でも始らなくては現状打破は困難なのかもしれないが、戦争が始まるかもしれないわけだ。ただし、ミサイルが飛び交う事態になれば、いずれにしても空港は閉鎖同然になっているかもしれない。


話をソフト化すると、横浜を題材とした歌謡曲各種が紹介されていた。非常に有名なのは、「ブルーライト・ヨコハマ」や「伊勢佐木町ブルース」ということだが、「横浜いれぶん」という曲を木ノ内みどりさんというアイドルが唱っている。女優に転身し、映画「野球狂の詩」で水原勇気役を演じている。どうも竹中直人の奥さんになっているようだ。

しかし、1970年代には、『ありえないシナリオ』として女性投手(女性党首ではない)を設定したのだろうが、現代では、本当に登場してしまった(女性党首の方も)。木ノ内さんももう一回復活してみたらどうだろうか。既に、木内みどりさんという、紛らわしい名前の女優さんもいるので、竹中みどりと改名してもいいかもしれない。


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2 コメント

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特別展「福澤諭吉と神奈川」 広報のお願い (特別展「福澤諭吉と神奈川」事務局です)
2009-07-21 12:14:47
慶應義塾「特別展 福澤諭吉と神奈川」事務局です。突然のご連絡で失礼致します。
この度神奈川県立歴史博物館と慶應義塾は、横浜開港150周年および慶應義塾創立150年を記念いたしまして、8月22日より神奈川県立博物館において「特別展 福澤諭吉と神奈川」を開催いたします。
http://www.fukuzawa2009.jp/

貴サイトでは、博物館・美術館に関する記事が大変充実しておりましたので、本展覧会にもご興味をお持ちいただけるのではないかと考えました。展覧会の主旨をご理解いただけるようでしたら、広報等にご協力いただけないかと考え、お願い申し上げる次第であります。詳しくは、当展覧会ホームページの「応援団募集」のページでご案内しております。
http://www.fukuzawa2009.jp/cheergroup.html

正式なご案内のメールをお送りさせていただきたく思いますので、toiawase@fukuzawa2009.jpまでご連絡いただければ幸いに存じます。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
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Unknown (おおた葉一郎)
2009-07-23 06:31:30
丁寧なご紹介ありがとうございます
個人的には魅力あるプランで自信もありますが、おそらくは出身大学の問題などで行き詰まると思いますので、今回はご遠慮させていただきます。
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