腰掛稲荷神社で座ったのは

2019-09-22 00:00:07 | 美術館・博物館・工芸品
文京区の名所の一つに「腰掛稲荷」がある。正式には「腰掛稲荷神社」である。無論、腰掛に関係する。

ところで、「腰掛神社」という神社が神奈川県の茅ヶ崎市にある。茅ヶ崎と言えば加山雄三とかサザンとかのイメージがあるが、まったく山の中。隣が慶応湘南藤沢キャンパス。うっそうとした樹木の中にある神社で、いかにも神様が大木の陰に隠れていそうな場所だ。この茅ヶ崎の腰掛神社には1メートル近い大石があって、そこに日本武尊が東征の旅の時に腰掛けたとされている。その石も現存しているが、関東の場合、川から離れている場所に大きな石があるとすると、それは、「何か理由がある」ということになるのだが、ここに大石がある理由はわかっていない。

気を付けないといけないのは、よく山道の途中にベンチのような大きさの石のテーブルがあって、ハイキングの人たちがそこに座っておいしそうに弁当を広げたりするのだが、70年前には普通だったのだが、山奥の共同墓地に土葬するため棺に入れられたご遺体を運ぶ途中で一休みするために、そのために先祖代々伝わるベンチのような石のテーブルの上に棺を置いたそうだ。



一方、文京区の腰掛稲荷だが、こちらで腰掛けたのが徳川家光。三代将軍だ。鷹狩りの途中で、ここにきて切り株に座ったそうだ。そして、何か大願成就を祈ったそうだ。その結果、家光は250年間続いた江戸時代の基礎を作ったとされている。実際には、もっと通俗的なことを祈ったのかもしれないが、通常、祈りは心の中で行うので解明されることはない。

その後、「腰掛」という言葉に含まれる「停滞感」と「徳川家の大願成就」が結びつき、ちょっとした人生の停滞期にもかかわらず躍進のための充電期間を意味することになり、「腰掛け就職」で転職機会を狙っている「腰掛社員」たちが、次なる門出に期待して訪れるようになったようだ。



なお、境内には、菊石と言われる菊の御紋の入った大石がある。くれぐれも座ったり大きな荷物を置いたりしないように。
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