自宅を美術館に

2021-05-16 00:00:50 | 美術館・博物館・工芸品
コロナ収束せず、ワクチン見通し不透明で美術館にも行けない。ということで、自宅に美術を、・・・

といっても実は絵画は色々ある。親族の一人が絵画を描くのが好きで展覧会に毎年出展していたのだが、すでに関係者は全部いないし、かなり過去の話なので無神経に書くと、審査員の方の絵画を毎年買っていた(たぶん1年に1,2枚)。それらのうち残されたものがずいぶんあり、大作もあれば、手抜き作もある。いずれにしても油彩は厄介なのだ。場所もとるし、時々点検しなければならないし。

ということで、手持ちの絵画絵葉書から画像を拡大して、気に入った額縁を探して合わせてみる。実際に行った美術館か、絵画が来日した時の展覧会で購入したものを使ってみる。

とりあえず4枚作ってみた。古い方から、

1. ゴッホ/糸杉と麦畑 1889年 ナショナルギャラリー所蔵(ロンドン)

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ゴッホの糸杉というと街路樹のように並んだものが有名だが、本作は1本仕立て。ゴッホは現実に対象物が目の前にないと描けない画家だった。部屋にこもってパリの街並みを描いた画家もいるのとは正反対だ。

糸杉が並んだ絵だが、そもそも糸杉は根が横に張らずに真下に伸びていくことから土葬された遺体を痛めないとされ墓地の周囲に植えられていた。つまりゴッホは墓地の絵を描いていたのだ。この絵画の糸杉は一本仕立てなので違うのか、あるいは村の小規模墓地だったのかもしれない。

2. ミロ/The Flight of a Bird over the Plain  1939年7月 グッゲンハイム美術館蔵(NY)

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バルセロナでミロ美術館にいくつもりだったが、美術館の周りの治安が悪く、「首絞め強盗」被害が多発していたので断念した。

3. シャガール/赤い馬 1938-1944 ポンピドーセンター国立近代美術館(パリ)

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シャガールはピカソの足元にも及ばないが、大量に作品を描いている。近代美術館と名乗る世界中の新しい美術館には1枚はあるといってもいい。最低でもリトグラフの一枚はあるだろう。

倉敷で仕事をしていた時に取引先の社長室にシャガールがある会社が二つもあって、「シャガールですね。○○○万円というところですか?」と実際の十倍の数字を口にすると、社長の口元が緩んでビジネスが進展した記憶がある。「ブルー・カーテン」の絵ハガキもあるのだが、額縁の色が思い浮かばず後回し。

4. ピカソ/The New Year 1953年 ピカソ美術館(バルセロナ)

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バルセロナではミロ美術館には行かず、ピカソ美術館には行った。タクシーに乗って、「ムセオピカソ(ムセオ=ミュージアム)」と何度も言ったが通じなかった。単に「ピカソ」というべきだった。「首絞め強盗」ではなく「ニセ警官」が近寄ってきて「パスポートを見せろ」と言い出したが、日本の警察官を装い、「ノーポリシア!(ニセ警察)」と大声を上げたら退散していった。通じたのかどうかは不明。

ピカソ美術館だが、大画伯には失礼だが、画廊に残った絵画というのは「売れ残り感」を少し感じた。画家には、最愛の作品を手元に残す人もいれば、次々に手放す人もいる。ピカソは後者だろう。日本でも坂出市にある東山魁夷の美術館は逸品揃いだが、アトリエを改造した市川市の美術館には代表作というのは少ない気がした。

では。

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