城ケ島公園

2022-04-29 00:00:36 | たび
城ケ島の東半分は県立公園になっている。西側は商業地域であり東西分裂していて、車で移動すると公園の入り口で料金を払わないといけないが、歩いて移動すれば、特に門があるわけでもない。とはいえ、夜間に歩くのは大変に危険なので、まったく勧められない。



いかにも公園の外のように見えるところまで歩くとウミウの生息地が見える場所がある断崖に渡り鳥が飛来するのだが4月になるとロシア方面に帰還するそうで、一羽の姿さえ見えなかった。ロシアと三浦半島の間には他にも適当な場所があると思うが、「寒いのでもっと南に行こう」と南下政策を追求したものの、「ここから先には土地がないから」といって妥協したのだろうか。単に相模湾のシラウオが好物なのかもしれない。



そして旅のハイライトの一つが、「馬の背の洞門」。高さ8m、横6m、厚さ2mの自然にできた海蝕洞穴。明治時代に文学者が感想を記しているので、関東大震災でも崩れなかったことになる。といってもこの上を歩いては絶対いけないのだが、日本語の立札が一つあるだけだ。

洞穴のそばまで行ったが、足元の岩場は濡れていて、満潮時には潮が上がってくるのだろう。相当な高さの公園の平面からここまで降りて、また昇らないと行けないので、人生の前半と自認する年齢のうちに訪れた方がいいだろう。心臓が壊れるか、転倒して頭に穴が開く可能性がある。

馬の背というには洞門上部が細いようなので、百年単位で徐々に細くなっているのかもしれない。ホームコースとしているゴルフ場にも馬の背グリーンという嫌なものがあるが、足を滑らしても砂地に落ちるだけで、たぶんけがはしない。



次は、安房埼灯台。城ケ島の東端にある。西日本から東京湾に向かうには、城ケ島灯台、安房埼灯台を左に見て観音崎灯台方面に転針ということになる、見逃すと房総半島に激突する。灯台のデザインは実際には夜になると見えない。昼間、陸側から見るに過ぎないが、それぞれ個性的になっている。ここの灯台イメージは「カワイイ系」を意識したのかもしれないが、時節柄、「ICBM」に見えてしまう。何しろすぐ隣が横須賀で、日米両軍ともイージス艦の基地になっている。



帰り際に断崖の近くの展望台でテレビドラマのロケがはじまった。断崖=殺人事件に決まっている。都内には高層ビルという、もっとお手軽な犯行現場があるし、わざわざ断崖の上に殺されに行く犠牲者もいないだろう。駐車場ではパトカーの偽装工作が行われていた。神奈川県警なのに品川ナンバーとかパトカーの赤色灯の向きが90度ずれているとか、誰か気が付くのかな。