『十二国記』が猛烈に売れているらしい

2019-11-27 00:00:00 | 書評
小野不由美著『十二国記』のエピソード9『白銀の墟』全四巻が発売された。各50万部、計200万部が売れたそうだ。もちろんまだ1ヶ月である。これで11冊のシリーズが15冊になり計1200万部だそうだ。新潮社社員のボーナスも大いに上積みが期待できる。



我々の住む世界と、地図上にない異世界<十二国>を舞台に展開する物語で二つの世界は蝕と呼ばれる現象によって繋がれる。天意を受けた霊獣・麒麟が王を見出し玉座に座らせる。王がいない戴の国は、北国でもあり過酷な生活で人民が苦しんでいる。人間は何を信じ、何のために生きるのか。これほど人民が困窮する姿を描いたのはシリーズの中で今回が初めてだそうだ。なんとなく日本の隣の国に似ているが、国の数は二つしかない。

著者によれば、結局、救われる国もあれば滅びる国もある、ということでハッピーエンドは保証されない。

実は著者インタビューの記事を読んだのだが、書くために参考にしているのが、「山海経」・「銀河英雄伝説」・「ナルニア国」・「西遊記」・「水滸伝」・「小公子」だそうだ。シリーズは前作(図南の翼)から18年後ということだそうだ。

実はこのシリーズ1作も読んでいない。著者の作品としては『東京異聞』は読んだが、なんともいえない不気味さが残った。映画化された『残穢(ざんえ)』は映画を観たが、なんとも不気味だ。それに畠中恵の『しゃばけシリーズ』もまだ始めたばかりだし、とりあえず第一巻を読み始めようか(と思っても数年後かもしれない)