麻薬蔓延の遠因

2019-11-26 00:00:42 | 市民A
他の先進国に比べて、日本は麻薬取締の基準が辛い。具体例は書くまでもないが海外で合法で国内で違法ということも多い。

日本の場合は、150年以上前に開国したときに、清国(今の中国)が英国人の持ち込んだアヘンで、中毒患者が加速度的に増加して、結局、国家滅亡に向かったことが知られていて、税関が厳重に禁止をしていたことから、ずっと厳しく取り締まっている。

ところで、最近、米・仏共同制作の『トランスポーター』という映画(DVD)の第三作を観たのだが、まさにスペインのイビサ島のパーティが誘拐事件の発端になる。誘拐された女性はウクライナの環境大臣の娘なのだが、「陰鬱な性格だ」と言われて、かっとなって島から持ち出した合成麻薬を一錠飲んで、陽気になり大暴れを始める。

ここで、麻薬容認論を展開することはないのだが、冷めた頭で考えると、麻薬の多くは現実から逃避した快楽を追及する目的で使用されることから始まるということだろう。

実は、日本の現実は、結構陰鬱のようだ。たとえば、この記事を書き始めているのは今月22日からなのだが、朝のYahoo!ニュースをテーマ別にコピーしてみた。



まず、国内・国際・経済・エンタメのテーマ。
国内の項目を上から羅列すると、日韓・桜見る会・豚コレラ・台風・冷え込み・泥酔・マタハラ・禁煙治療。全滅だ。すべて陰鬱。

国際の項目では、正恩・破棄・公務中止・香港・在韓米軍撤収・新型戦車・森林火災・ローマ法王の人気。ローマ法王以外は無論陰鬱。ローマ法王の人気は、世界の陰鬱さの裏返しとも言える。

経済。過労自殺・ゴーン・金品・破産・リコール・生産終了・値上げ続々・スーパー苦戦。これも全滅だ。金品をもらった職員だけは、ニコニコだったか。

エンタメ。壇蜜結婚・宮迫・20周年ルール・代役・懸念映画・ケガ・休養中の不安。あえていうと壇蜜結婚だが、嬉しいのは本人たちだけだろうか。



次に、スポーツ・IT・科学・地域のテーマ。
スポーツでは、楽天田中結婚・退団・退団・本田五輪・ねんざ・バレンティン・戦力外・清原更生。楽天田中結婚は明るい話題かな。交際5年は長すぎる気がする。あとは、ベテラン選手の再就職の話だ。

次にIT。着信注意・小1不明・ツイッター投稿予約機能・SIMフリー・サービス復旧・googleニュースをAIが選別・日本支援・池崎裏アカ。ツイートをあらかじめ用意していて決めた時間に言い放つわけだ。寝ている間にもつぶやく。AIに任せてはいけないことを次々に任せようとしているわけだ。最後の池崎裏アカ。すべてのカテゴリーの中でもっとも気が休まるのかもしれない。猫である。

次は、科学。丸い宇宙・ヘビの足・宇宙最大の爆発・海ブドウ・弥生前期の水田跡・南極の恐竜・生物絶滅・台風。

理解できない人のために解説すると、宇宙は丸いというのは「宇宙は閉じている」という説。通説は、宇宙はビッグバン以来、どこまでも拡大を続けている、というものだが、最近の研究では、どこかで収縮が始まり宇宙の全質量が一点に集まり、次のビッグバンが始まるというもので、現在は少なくても二回目のビッグバンの後であるというもの。元素で言えば鉄までが一回目に作られ、二回目にもっと多くの元素が生まれたとされる。しかし、猛スピードではじのない宇宙に広がったものが、どうして集まってくるのか説明ができない。宇宙は閉じているというのは、空気を少なめに入れた風船の途中を握り、右が大きくなれば左が小さくなり右が大きくなりすぎると、圧力で逆に左に空気が流れて行ってそちらを大きくするといった具合に二つの宇宙が繋がっているようなイメージだ。もっとも証明するのは難しいだろう。

海ブドウは実は単細胞生物だそうだ。記事はそうなっているが、本当だろうか。食べてはいけないものなのではないだろうか。実はニワトリの卵も単細胞生物なのだ。弥生前期の水田跡というのは、良い意味で言えば文明があったということだが、悪い意味では内乱の始まりともいえる。国家統一の時の醜い争いを、正確に知ることができないということを喜ぶべきなのだろうか。

最後に、地域。住宅火災・田代・大麻栽培・違法捜査・金品受領・小6不明・遺族の似顔絵・下宿の今。前向きな記事はない。

全部の記事をみても結婚以外の明るい記事はないわけだ。あえていえば、エンタメのところで、「代役で初大河 川口春奈が気合」というのが前向き感があるのだが、今まで視聴率に恵まれていないことが多かったそうだ。もとより、川口さんにとっては大チャンスではあるのだが、その原因を考えれば、明るい話題なのかどうか口ごもってしまう。

報道によれば、すでに収録中の10回分をすべて撮り直すということで、効率的ではない話だ。現代のNHKの能力からすれば、撮り直さなくても、前の女優の顔と声を川口さんのそれとデジタル技術で取り替えてしまえばいいだけだ。労力と費用は最小限になるだろう。

それに大河ドラマに登場する人物(織田信長とか)というのは、現代で言えば、大犯罪人である。無実の町民まで城に押し込めて、部下の秀吉に包囲させて飢え死にさせたり、僧侶を寺に追い込んで焼き殺したり、気に入らない部下は切り殺したり、敵将の頭蓋骨に金箔を張って、酒を注いで回し飲みしたりする。妻の父親の斎藤道三はマムシと言われるだけのもっと悪党だった。

悪党を称えるような番組のくせに、ずいぶんと潔癖症だと思う。