京急神奈川新町駅付近踏切事故について

2019-09-09 00:00:55 | 災害
9月5日午前に京浜急行の神奈川新町駅近くの踏切で、線路内に取り残された柑橘類を積載した13トントラックに下りの快速特急が衝突。死傷者が発生した。電車が横転に至らなかったこと、上り電車の時間とずれていたこと、電車内の乗客が衝突前に少しでも後部に逃げたり、身構えていたことから、被害が事故の規模からいって少なかったのだが、京急の側の問題と、トラックの側の問題について考えてみた。


まず、京急の方。実は数十年前にはじめて、京急の快速特急に初めて乗った時に感じたのだが、あまりの速さに怖くなるわけだ。それまでJR快速や地下鉄の速さに慣れていたため、住宅密集地の中の異次元の速さに驚いたわけだ。京急は特急の上に特別快速があって、横浜、川崎、品川という間は途中の無数の駅を炉端の石のように猛スピードで秒殺していく。

京急は関東の私鉄では珍しく、JR(狭軌)などに対して線路の幅が広く(標準軌)安定しているためスピードが出せるわけだ。事故の時でも横転するリスクが下がる。さらに事故に備えて先頭車両を重くしていた(モーター付き)そうだ。逆に、阪神地区では私鉄のほとんどが標準軌であったことからJRが対抗して安全対策不測のまま、速度を上げたため、福知山線のカーブで脱線し、大惨事に至っている。

京急は、標準軌である点を競争有利にするために「速度」にこだわったとも言える。といって、京急に快速特急がなくなったら魅力がなくなってしまうとも言えるので判断は難しい。

さらに、京急は運休に強いという特色があって、いわゆるダイヤの線引きをベテラン社員が行っていて、運航トラブルの影響を最低限に抑えることが知られている。かなり人間に頼っているわけだ。運行システムの中に人間の判断を多く介在させているようで、こういう事情がどう影響したのかという点がある。線路内に人や電車が立ち入った時に自動的にブレーキがかかるシステムが導入されていなかったことも言われている。

事故と直接は関係ないが、今、横浜市が打ち出しているIR誘致で京急はIR関連銘柄と言われている。IR予定地には京急線は通っていないのだが、羽田~横浜の路線を持っていることと、京急の地元の上大岡を地盤にする超大物議員の支援を期待しているようで、社内ではIR推進室が盛り上がっているようだ。それどころではないような気もする。


一方、トラック側。運転手が亡くなられたそうで、なぜ先が細くなっている道路に迷い込んで、一か八かの右折をしたか、直接聞くことができないので推測しかないが、おそらく最初は、ほんの小さなミスからではなかっただろうか。たとえば曲がるべき角を間違えて修正しようとしたが、道探しは簡単ではなかったが、スマホのナビを操作しようにもトラックを止める場所がなく、勘で少し走ったとか、スマホのナビが大型トラックという状況を無視して細い道を指示したとか、地図上の道の太さを無視して進んでしまったとか。その結果、もはやバックモニターのないトラックを後退させて広い道に戻るのが困難な状況になる一方で、納入時間が近づき、強行突入に至ったということではないだろうか。私も、以前、後付けの韓国製ナビを使っていた時に、岡山県の日生で3キロ近いすれ違うことが困難な曲がりくねった山道を走って、冷たい汗を流したことがあった。

例は悪いが、日本が戦争で大破綻したのも、軍拡の結果、戻れなくなった結果ともいえるし、大韓民国の現在もいささか似ている。宮沢賢治の「注文の多い料理人」もそうだが、ごく普通の毎日を送っていた人間が、ほんの小さな問題から始まったに過ぎない現実のほころびから、いつの間に悲惨な運命に向かってしまうということだったのではないだろうか。

京急とJRは特に横浜と川崎の間は並走しているのだが、事故現場も含めあちこちで、僅かに間隔が開く(と言って線路間が徒歩数分の距離という程度だが)場所があり、ほとんどは住宅や鉄道会社の施設に利用されていて、線路ギリギリに道路がある。こういうように線路や川や高速道路の側道と言った、片側が完全な直線であり、片側が民家などの私有地である場合、その結果として、道幅が不規則になる。すれ違い問題の前に、通れないとか曲がれないという問題が起きるのは、そういう場所であるし、トラックの場合は樹木のはみだしやアンダーパスの高さ制限もある。


なお、長い距離のバックだが、ドイツBMW社のニューBMW X5シリーズには『リバース・アシスト機能』というのがあり、ハンドルから手を離して、ゆっくりとアクセルとブレーキを操作すると、そこまで進んできたルートをそのまま正確にバックで戻ってくれるそうだ。

もちろんBMWは高級車ではあるが、この機能はどの車の自動運転装置にでもつけられるだろうから、普及が進むだろうとは思うが、あくまでも自車の後ろにも迷い込んだ車がいた場合にはうまくいかないかもしれない。


なお、「おおた家」の家訓として「先頭車両には乗らない」というのがあって、原則的には守っているのだが、実際の事故の時には二両目も危ないわけだ。さらに二両目は弱冷房車であったり、三両目が女性専用車だったりする場合もあるわけだ。
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