安保条約の終わり?

2019-07-02 00:00:53 | 市民A
トランプ大統領が、日米安保条約を終了、あるいは変更したいと発言したようだ。

困ったことに、誤解の塊のような人間の思考回路を修正するには高齢すぎるだろうし、日本側にも終了したいと思っている人たちが多い。ただし、右派の廃棄論は、米軍を追い出して強固な軍隊を作って核武装しようというもので、左派の廃棄論は、丸腰論である。終了か継続かの二択を国民投票すると以外に終了賛成派が多いかもしれないが英国のように、いつまでも国論まとまらずということになるだろう。

まず、「片務的」という批判だが、「米軍は日本を守るが、自衛隊は米国を守らない」というフレーズはよく考えるととんでもないことを言っている。とりあえず憲法のことを横に置いて書くが、そもそも他国を侵略するための同盟ではないわけだ。つまり防衛同盟。日本が侵略されるというイメージは比較的理解しやすいが、米国が侵略される時とはどういうことなのだろう。本気で米国の領地を攻撃した国は、一応、メキシコと日本だけだ。ただしメキシコとの戦争はどちらかというとメキシコから領地を奪う戦争だった。9.11は、米国は「戦争」と宣言してイラクを攻撃したが、首謀者はパキスタンにいた。

イラク戦争とかベトナム戦争に出兵しろというのだろうか。理論的には米国に飛んでくるミサイルの防御のことはあるかもしれないが、中ロのミサイルは日本の遥か上空だし、そもそも北から米国を狙うとなると、カムチャッカ半島の方へ飛んでいくのだから撃墜を頼む先はロシアだ。

自民党は言いにくいかもしれないが、日本国内にたくさんある(特に沖縄に多い)米軍基地が日本防衛のためだけに使われているというわけじゃないのだから、そもそも駐留経費が高いというようなことではないわけだ。

いずれにしても、米軍が軍事費を払えなくなったから縮小、撤退をするというなら、結局は各国別に特殊な兵器を開発して地域同盟を結ぶことになるだろうが、そうなると米軍の活動エリアは沿岸警備隊程度になり、武器開発もペイしなくなり、結局は国家が弱体化していくことになる。

というか、貿易赤字とか財政赤字で国債依存率が上がるということは国家が繁栄している証であるわけで大統領の言っていることは大間違いなのだ。輸入が輸出より多いということは多い分のドルが海外に流出し、その対価としての(主に)消費財が国内に入ってくるわけで、作らないのに物が買えるということだ。ドルの輪転機を回せばいいわけだし、国内で製造しないのだから中国やドイツや日本からの輸入が減れば他の国からの輸入が増えるだけで、米国の貿易収支はまったく変わらないはずだ。自動車会社だって、米国の工場生産分を米国内に優先して、米国から他国へ輸出していた分を日本やメキシコの工場から他国に輸出するわけで、米国の貿易赤字はかわらない。

財政赤字だって米国債は確実に売れているわけで、何が問題なのかも不明だ。

話を安保に戻すと、一説ではホルムズ海峡のタンカー防衛費を負担させようということだが、日本の原油の多くがホルムズ海峡経由ということなのだが、それは単に日本に近いということだけの理由なのだ。ホルムズ海峡が通れなければ世界中で価格が高騰し、供給者側は最も高いオファーを出した国に売るだろうし、それがアフリカかもしれないしロシアかもしれない。お金の払えない国は買えなくなるということだ。さらに日本の会社のタンカーが日本に原油を運んでいるわけではないので、防衛するにしても原油を守るのか船体を守るのか決めないといけない。どちらも保険には入っているが。

それと米軍抜きで防衛するのはかなり無理があるのだが、自衛隊自体の問題は陸上自衛隊と海上自衛隊の人数がどうかということ。もともと陸自はソ連が北海道を攻めて石狩湾あたりへ上陸した時、山中に潜んでゲリラ戦を戦うような訓練をしているわけで、島嶼防衛とかミサイル撃墜というものには全く向いていない。イージス艦は海自だし、イージスアショアやPAC3は陸自だ。ミサイルに特化した隊と島嶼防衛に特化した隊が必要だ。

それと、付け加えると、普天間の基地と辺野古の基地の交換は、地価が違うのだから大損だ、といっているようだが、基地としての価値を人口密集地と人口希薄地で比べれば、希薄地の方が価値が高いわけで、かん違いの一つだろう。
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