バナナ輸入の現場

2019-03-13 00:00:20 | 市民A
先日、某会社の見学会があって、大田区の食品倉庫をみせてもらった。都合により画像は掲示できないので悪しからず。毎週、フィリピンから緑色のバナナを満載の大型船が到着する。

なぜ緑色かというと、味の問題よりも、害虫の問題らしい。皮が柔らかくなると、仮に害虫が付着している場合、皮から果肉の部分まで侵入してしまう。商品の性格上、一本ずつ皮を剥いて中を調べるわけにいかないので、青く硬い皮の状態で、害虫駆除するそうだ。

そして、輸入船から倉庫に移されたバナナは植物検疫が行われ、多くの場合、燻蒸室で殺虫作業が行われる。その部屋にも入ったが、大きなエア配管が口を開けていて、作業に使われるガスは青酸ガスとのこと。つまり、ナチスのガス室と同じだ。残留ガスはないのだろうか。検査官がガスマスクをして、残留ガスのチェックをすると言われたのだが、隅の方に残っていないのだろうか。息を止められるのも時間の限界がある。

そして、燻蒸が終ったバナナは色付けが行われる。つまり害虫対策が終ると出荷に向かって準備が始まる。大井の倉庫から全国の需要地までの配送時間を考えて色付けする。具体的にはムロの中にバナナを入れて、エチレンガスを封入。色々とガスが使われているわけだ。

そして、この倉庫では出荷先のスーパー単位の袋詰めまでしていた。5本パックとか3本パックとか。

banana


しかし、安い食品の代表の一つであるバナナだが、ずいぶん手が込んでいるようだ。どうも安いのはフィリピンでの生産コストのようだ。バナナの苗を植えて半年で栽培できるそうだ。小さくても庭があれば、食費が大幅に減るだろう。温室を作って植えてみようかな。


その後、バナナ倉庫以外の倉庫も見せてもらった。冷凍倉庫はマイナス25度。体の表面から凍り始めた。ワイン倉庫は温度と湿度の管理に拘っていた。ただ、「ワインにとって最も重要なものは、味ではなくラベルです」ということだそうだ。「茶碗にとって最も重要なものは鑑定書です」というのと同じだ。