発電のこと

2019-02-05 00:00:16 | 市民A
少し前に電源開発(株)の事業説明会を聴いた。銀座の昭和通りに面した大きなビルに本社があるのは知っていたが、どういう会社かはあまり知らなかった。

静岡県にある佐久間ダムを建設するためにできた会社のようだ。日本最大規模の水力発電所。その後、水力発電所や火力発電所を作っている。特徴は、○○電力というような地域独占型の電力会社とは異なり、全国で水力と火力発電を行っている。現在、発電と送電と電力販売を別の会社が行うようになったのだが、形態からいえば、電源開発の方が前からそれに近い。

発電能力からいうと全国6番目(東京、中部、関西、九州、東北の次で、その下に中国、北陸、北海道、四国、沖縄と続く。ただ、原子力を除くと九州、東北を抜き、4番になる。水力発電は東電、関電とほぼ並ぶ2番である。

かくして、巨大な発電事業会社なのである。そして、地域が全国各地であるだけでは満足できず特にアメリカ、中国、タイではかなり発電実績があるそうだ。そして、今までのところ原子力発電は行っていないが、青森県の大間で建設中のところ『3.11』になり、工事再開待ちになっている。具合が悪いことに、既存原発でもなければ、新規計画でもない。宙に浮きそうなのだが、あえて利点を言えば、まだ大いに設計変更可能なので、再開に必要な条件が決まれば、それに従うだけ、ということ。ただし、採算性は未定だ。

この段落だけは横に飛ぶのだが、原発の採算性について推進派の学者はローコストというのだが、コストというのは例えば1年間の総コストを1年間の発電量で割ると言う計算で考えている人が多いのだが、総コスト中の廃棄コスト問題もあるのだが、実際にはその計算値を稼働率で割らなければならない。これが大問題で、大地震のずっと前から、原発は主に配管から何かが漏れるというトラブルによってしょっちゅう止まっていて、極めて稼働率が低いのである。この漏れるという話は奥が深いのだが、次の段落を書くのはやめて、元に戻る。

電源開発(株)は、太陽光発電と風力発電では日本のトップクラスのシェアを持っているのだが、地熱発電はほとんど手を付けていない。本来、原発が進まない最大の原因は地下構造が危ういということなのだから、逆にその地下構造を活かして地熱発電をすればいいのだが、当日の説明では、国立公園法とか温泉業者の反対とか説明があったが、そもそも地熱発電所とは地上の構築物はきわめて小さいし、お湯を掘り返して川に流すわけじゃなくまた地中に流し込むのだから、それこそ一部のお湯を温泉業者に回したっていいはずだ。

そして、観点を当該会社の話から人間が使うべきエネルギーの話に飛ばしてみる。こどもの頃には既に原子力の利用は行われていて、基本原理はウラン(235)に何らかの衝撃を与えて、原子を壊して、その時に起こる核分裂反応に伴ってエネルギーを利用する方式である。一方、原理だけは知られていて超高温安定状態で水素(重水素)からヘリウムなどの元素に変換するときのエネルギーが核融合反応で、これが利用できれば今後1億年ほど、人間はエネルギー問題から解放されると言われていた。しかし、その超高温安定状態が作れそうもないわけだ。しかも、エネルギーをコントロールしないと水素爆弾投下ということになる。

実は、核融合反応の最大の利用例は『太陽』なのだ。太陽そのものが核融合装置のわけで、地球の表面に降り注ぐ太陽光とその副産物である植物活動によって生物は長い間生存してきた。利用料はゼロ円だ。だから太陽光発電というのも合理的な核融合利用なのだ。

そして、日本では進まない地熱発電なのだが、そもそも地球に地熱があるというのは何が原因なのかという問題がある。数十億年前にできた時は高温だったとして、あとは冷めるだけだとしたら、とっくに凍結していた。最近、読んでいた古い本にも最新の本にも書いてあるのだが、地球の地下深く、どこかに存在する放射性元素(ウラン238とか)がきわめてゆっくりと他の元素に転換している過程で発生するエネルギーが、地熱の50%から60%の発生源だろうと言われている。残りはマグマやマントルの対流などによる摩擦熱とか1億年規模で落ちてくる超巨大隕石のエネルギーなどと考えられている。

つまり太陽光発電は核融合反応の遅滞的利用であり、地熱発電は核分裂反応の遅滞的利用であるということ。この二つを最大限に利用することが、もっとも持続可能な方法なのだろうと思ってしまうわけだ。また太陽光や風力の弱点である天候による不安定さは、余剰時にダムに揚水してエネルギーの貯金をする水力発電での利用が最も有効ということで、実は既に行われているそうだ(なぜか話題にならないのだが)。
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