嗚呼!涙メシ 女優、室井滋の巻

2012-03-02 00:00:26 | あじ
muroi全日空のB787に乗ると、どうしても観てしまうのが、機内映画(といっても20分物)の『嗚呼!涙メシ』。今までスーパー主婦モデルの前田典子、元トレンディ俳優の石田純一を観たが、今度は女優の室井滋。大学の演劇部の延長で役者になったそうだが、子供時代は富山に住み、両親が離婚し父親と祖母に育てられていて、結構つらい思いを数々したようだ。

第三位は、遠く八丈島。ちょっと仕事が増えてきた頃、なんとなく始めた釣りにはまり、一級船舶免許まで取得した彼女が向かった先は、豪快に八丈島だったそうだ。ところが、そこはプロの海であって、シロートが簡単に釣果を得ることはできなかった。そこへ現れたのが、現地の久保田少年。「オレが教えてやる!」ということになる。少年ながら、釣りの先生だ。レッスン料をどうやって払ったかは想像するしかないが、その八丈島の割烹「宝亭」で出される刺身につけるのが、わさびではなく、「島唐辛子」。この味が第三位ということ。そして、あの時の久保田少年が今や「島とう醤油」という食材を独占生産していて東京方面に出荷を始めているそうだ。

そして、第二位。少女の頃に両親が離婚して父親に育てられた滋さんだが、その父親には何度か再婚の話があったそうだ。そして見合いの場所は、決まって、富山にある「三玄」という料亭。要するに子連れ見合い、というか母親選び。彼女の機嫌を損ねてはすべての大人達の都合が水泡に帰すからか、普段食べることのない御馳走の山が並んだそうだ。そして、その中の最高の思い出は、なんと「メロン」。でもメロン作戦は功を奏しなかったような感じだ(はっきり言ってないが)。

そして、涙メシの第一位は、高校時代にお弁当を作ってくれていた祖母が高齢になって、学校では菓子パンを食べていた彼女に、通学中の新魚津駅で同級生がそっと渡してくれた、「昆布のオニギリ」。話は感動だが、食べ物はちょっと地味。「食べることは幸せを噛みしめること」とずっと思っているそうだ。(私も別の理由から食べ物をよく噛みしめることにしているが、度を過ぎると食事の時間が異常に長くなって、同席の人たちに迷惑をかけることが多い)

ところで、自分のことに立ち戻って、涙メシランキングを作ろうかと思いだしても、あまり思い浮かばない。このANAのシリーズの涙メシは、感動のあまり涙が出てくるというのが多いのだが、あまりの不味さに怒りの涙とか、注文の下手さに自分に腹を立てるというような涙とかはあるのだが。

海外のホテルで読めないフランス語のメニューと格闘して、やっと注文した5000円のシェフのお勧め料理が「カニクリームコロッケ」だったことなんか最低クラスの話かな。

実際、最低クラスの話はいっぱいあるのだけど・・

そういえば数十年前に、エールフランスのファーストクラスに運良く座った時に、メニューのオードブルの数々の中から何を選ぼうかと迷っていて、「選ばなくていい」と言われる意味がわからなくて、結局、全部一緒盛りでできたことなんか、今思えば最高だったよね。