米欧回覧実記第二巻へ

2010-01-14 00:00:29 | 書評
beiou2全五巻中の第一巻(アメリカ編)が終わり、第二巻(イギリス編)に突入。

この実記は、旅行中にはメモを書き、大旅行終了後、日本に戻ってから一気に書き始めたわけだ。だから最初の訪問国アメリカの文物地理について、初めて海外に行ったという「おのぼりさん的」ハイで書き連ねたわけじゃない。感動は薄れているのだろう。

それでも、一行の乗る船が、サンフランシスコに到着し、現地の人たちが出迎えてくれたところの興奮は、かなり伝わってくるし、逆に大陸を横断した後、東海岸で過ごした日や、ボストンからイギリスに向かう時の醒め方は、ちょっと冷静すぎる。

もしかしたら、アメリカに長居しすぎて、見てはいけない資本主義の裏側(つまり、貧困とか奴隷制度とか)を垣間見て、嫌になったのではないだろうか。

ところで、書き手の久米邦武だが、ものごとを正確に数字化する能力に長けているが、ときどき思い切った間違いをすることがある。

例えば、アーリントン墓地のことを、南北戦争の最後の決戦地というように書かれているが、関係ない。その他にも「本当は、そうだったのか」とか関心できるようなネタが満載されているが、自信たっぷりな書き方でも、ときどき、間違っている。

では、ドルのことを$と表示することについて、$はU(United)とS(States)を組み合わせた文字である、と書いているのだが、本当なのだろうか。


第二編は、イギリスについて。これから読む。