オス蜘蛛のお仕事

2007-10-04 00:00:50 | 市民A
昨日のエントリで、横浜在住の蜘蛛を車に乗せて千葉県南部に引越しさせたことを書いたのだが、少し、気がかりな点があった。それは、連れて行った「緑色で黒の縦じま」の蜘蛛が、千葉県に引越しして仲間がいるかどうか。一人では寂しいだろうし、子孫が残せない。飼えなくなったミドリガメを明治神宮の池に放つのとはわけが違う。まあ、こどもが生まれなければ不幸せと決め付けるのは封建的過ぎるが、まあ、常識的な意見としてだ。しかし、その前に、蜘蛛の種類もわからないし、もちろん雌雄の見分け方も不明。話にならない。

それで、種々の図鑑を読んだのだが、わからないことだらけだ。だいたい蜘蛛のことってあまり研究されていないようだ。おおまかに言うと世界には数万種類もいて、日本にも極めて多くの種類の蜘蛛がいることになっている。そして、そのほとんどは日本全土で繁殖していることになっている。結構、未知の新種もいるのではないだろうか。しかし、ざっと見る限り、緑色で黒の縦じまではなく横じまの種はいくつもあるのだが・・本当に縦じまだったのか、あるいは横じまだったのか、自分の記憶もあまり信用できなくなる。

そして雌雄の差だが、「見ればすぐわかる」と多く書かれていて、「メスの方が大きい」となっている。しかし、「見てもまったくわからない」というのが本当ではないだろうか。オスとメスの成体を並べてみれば大小はわかるが、一匹だけ見てもわからない。さらに子蜘蛛なのか成体なのかの問題もある。

さらに、図鑑を読んでいて驚いたのが生殖方法。まあ、動物には色々な方法があって、四本足の動物は、良く知っている方法による。二本足の地上動物の場合はさまざまな48種類もの方法があるらしい。一方、魚のようにニ匹の共同作業でありながら、あまり楽しくない方法もある。人魚姫も残念ながらこの方法だ。しかし、昆虫の場合はだいたいが直接結合タイプである。

ところが・・・、蜘蛛はまったく異なるらしい。

まず、オスは8本ある足の前足で、あらかじめ自分の精子を採取するらしい。そして、それを前足の一部に貯めておくそうだ。そして、メスに近づいていって、その前足をメスの生殖器にくっつけて受精するそうだ。

まるで、人間の人工授精そのものではないだろうか。まあ、人間の場合は手にとってそれをやたらに人にくっつけたりすると、逮捕される。

さらに蜘蛛のオスにとってやっかいなのは、前述した体型差だそうだ。メスが大きい。しかも蜘蛛は普通は一匹単独で蜘蛛の巣に住んでいて、近づく虫を生け捕りにしてから食べてしまう(実際には獲物に毒を注入して、体内を溶かしてから体液を吸い取るパターンが多いらしい)。虫だけでなく小鳥や小動物を食べる種類もあるらしい。うかつにオスが近づくと、メスに食われてしまうらしい。決死の覚悟でそっとメスに近づき、サッとタッチして逃げ去るのが正規の作法らしい。タッチする前に捕まったら食われてしまう。タッチしてから捕まっても食われてしまう。

人生最大の楽しみが、ワンタッチだとしたら、ちょっと悲しい。


ところで、蜘蛛には足が8本もある。さらに昆虫は体が頭部・胸部・腹部と三分割なのに対し、蜘蛛は頭胸部と腹部のニ分割。頭と胸が一体化している。その差はなぜか?ということは、どこの本にも何も書かれていない。まあ、蜘蛛ってそんなものだ。

それで、禁断の「蜘蛛の体型の秘密」を少しだけ考えてみた。

例外はあるものの、蜘蛛の巣は地面に垂直方向に張られる場合が多い。蜘蛛の動きは地上(つまり重力方向)に対して垂直である。一方、昆虫(だけでなくほとんどの生物も)の動きは地面に対して平行である。地面や植物の葉の上や下を歩く場合や空を飛ぶにしても地面に平行飛行が基本。ほとんどの生物は、体が長細くできているのもこの重力に平行運動というところから来ているのだろう。体の長さは方向性と、バランスのため。アリや犬のような前後方向にスリム体型がいい。蜘蛛は逆に重力に逆らって上下に運動するのだから、腕の力はいるし、体が長いと運動性能に支障がある。体長が短く8本の足が手のように動くのは、そのアナーキーな生態に起源があるからではないだろうか。

ただし、この説は、私だけの仮説なので、口外すると失笑されると思うので、ウルトラ・コンフィデンシャルということで・・。

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