日めくりカレンダーの怪

2007-08-18 00:00:26 | しょうぎ
今年(2007年)5月に発足した日本女子プロ将棋協会(LPSA)は、今のところ順調に事業拡大を続けているようである。もちろん、新事業の常として、失敗と分析、反省と対策というPDCAサイクルが重要であり、細かな問題はそのつど対応しているようだ。

なんらかのアシストができればいいのだが、私では力不足だろうし、一方で既存の将棋連盟の方との関係もあって、容易じゃない。少し時間が必要である。

dca354a7.jpgそんなところに「2008年日めくりカレンダー」の公募があった。1月1日から12月31日までの366日に1題ずつの詰将棋を集めようということ。1手詰めから9手詰めまでで8月15日までの募集ということだった。最近、詰将棋はペンネームで作っているので、これならいいかな、ということで検討に入る。

ところが、当然ながら、他誌発表作やネットで公開した作ではまずいわけだ。それに、短手数の詰将棋はあまり作るのが得意じゃない。というか、できた作品が難しいのか易しいのか、よくわからないのだ。なにしろ作家は答えを知っているから、簡単でも難しくても、見て直ぐに手筋が頭の中で並ぶわけだ。

それで、速攻で全部新作を作ることにした。2日間で大量生産に成功したのだが、どうしようかと少し悩んで、11題も送ることにした。というのも、全部、当選にしてほしい、などということではなく、366題集まらなかった時に、編集で困らないように、ということ。簡単な問題と、骨のあるのとか混ぜ合わせておけば、選ぶ方も便利だろうとか、そんな感じだ。指定のフォームをプリントして、アナログ的に駒の文字を「金」とか「歩」とかボールペンで書いて、郵送する。なにしろ、この団体の命名について、広く一般公募したのに応募(投票)総数は184票だったのだから、組織の新名称案より詰将棋の方が応募者数が多いとは到底思えないからだ。

そして、前述したPDCAサイクルだろうが、募集途中で、「郵送ではなく、kif形式のファイル転送でもいい」ということになる。それは、まあどうでもいいのだが、さらに、「採用作は掲載希望日を選べる」ことになる。例えば、自分の誕生日とか、特定の記念日(まさか上司を殴ってクビになった日とか不幸のあった日を選ぶ人はいないだろう)とかだ。作品投稿時に希望日を書くことになったのだが、既に、私は投稿した後だ。

どうなるのかと思っていたら、「すでに投稿されている方には、掲載が決まり次第改めてこちらから希望をお伺いいたします。」と発表されたのだ。つまり、希望を聞かれた段階で、当選を知るということになるので、かなり早い段階で当落がわかることになる。と、普通に考えていた。

ところが、・・・

締切りの8月15日に5日も先立ち、8月10日に、LPSAから「掲載が決まったので、希望日を教えて欲しい」というメールが届いたわけだ。もちろん、いつでもいいわけだ。誕生日そのものが好きじゃない。

締切り前に掲載決定というのは何を意味するかと言うと、「応募総数が少ない」、ということかな、と思うのである。真相は決してわからないとは思うが、10月末に発売されるカレンダーを買えば、ある程度推定できるのだろう、と思っているわけだ。


dca354a7.jpgさて、8月5日出題の解答。

▲3二飛成 △5一玉 ▲3三馬 △6一玉 ▲4三馬 △7一玉 ▲4四馬 △5三歩(途中図1) ▲同馬 △8一玉 ▲6三馬 △9一玉 ▲6四馬 △7三角(途中図2) ▲同馬 △同銀 ▲9ニ歩 △8一玉 ▲6三角 △7一玉 ▲7ニ角成まで19手詰め

馬鋸とその防御の中合の途中図1、そして先手玉をピンする途中図2。後手側の二つの好手を探す問題である。途中図1では▲5三香合(逆王手)と行きたいが、それでは二度目の馬鋸が不要となる。歩合いの場合、馬鋸をめざさないと打歩詰になる。

途中図2で△7三歩合だと、▲9ニ歩 △8一玉 ▲6三馬となる。この時、7三の合駒が角であれば△5五角と先に王様を駒台に乗せることができるわけだ。


dca354a7.jpg今週の問題は、もしかしたら難問かもしれない。が、簡単かもしれない。手数はあまり長くない。両王手は常に伏線にある。






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