日本将棋用語辞典

2007-07-14 00:00:00 | しょうぎ
知人から、「日本将棋用語辞典」をいただく。そう安い本ではないが、もっと将棋用語を駆使してブログを書けということだろうか。

実際は、毎週土曜日に「しょうぎ」関連ブログを書いていて、詰将棋1題出題しているのだが、将棋マニア以外の方にも読んでもらえるようにできるだけ配慮しているので、易しさに傾いているのかもしれない。



将棋用語でも、一般的な用語については、だいたい知っていて、知らないのは、かなり一般的ではないことなので、この本で逆に面白いのは、強豪棋士のインタビューをまとめたコラムかもしれない。米長、中原、島、森下、・・。その中で、ただ一人、ガチンコで「勝負のコツ」を明らかにしている棋士がいる。「どうやって勝つか」という、かなり「営業秘密」にあたる部分だ。

その自分の営業秘密を大公開している棋士の名前は・・・羽生善治である。いつも思うのだが、若いときに発表した「羽生の頭脳シリーズ」はじめ、自分に不利ではないかと思われることを、どんどん発表する。

その秘密というのは、結構、簡単な話なのだが。

 1.と金を作ること→敵の王将の反対側でもいい。

 2.銀の価値は低い→銀と桂、香の交換は大した損ではない

 3.金は重要。将棋は金を攻めるゲーム→金桂交換は大損害

 4.銀は金取りに打てる駒というのが重要な点→攻撃側、金銀交換のすすめ

 5.飛と角は大差ない→飛の方が重要と思われているのは、ついでに飛で桂香も取られるから


一般的には、と金はあさっての方に作っても効果は少ないと思われるが、羽生さんは、反対側でも大きいと思っている。

また、銀と金はたいした差はないと思っていたのだが、羽生将棋では、飛車と角と金がほぼ同格の駒で、銀と桂と香が同格の駒らしい。まったく、この秘訣を知ったのが遅すぎるわけだ。


ついでに羽生さんの名人戦のこと。誰もが18世名人は羽生さんの席と思っていたのに、森内が永世名人になってしまった。案外、このまま永世名人になれないかもしれない、などと予感があるのだが、本人はあまりこだわっていないのではないかと感じている。いまさら19世名人になったとしても、大山康晴や中原誠の名人在位期間に追いつくこともないだろうし、例えば江戸時代最強棋士といわれる「天野宗歩」だって名人ではない。ついでに最強の力士「雷電為右衛門」にしても、大関どまりだった。最強の政治家、小沢一郎も?

ところで、明日(7月15日)は第23回詰将棋全国大会が神戸で開かれる。羽田=神戸空港のスカイマーク便を10,500円(正規料金)で購入してあるのだが、どうも台風。果たして何時頃に、神戸に到着するのだろう。早ければ10分の遅刻で1時開始の会場に到着できるのだが・・



先々週、6月30日出題の詰将棋の解答。

▲9六飛 △2二飛 ▲8七玉 △8九玉 ▲9九飛 △同玉 ▲3三角 △8九玉 ▲8八角成まで9手詰。

双玉、初手逆王手、攻め方玉移動、飛車捨て、限定遠打といろいろな小技を繰り出してみた。まあ、一目で「フンッ」と、解る人もいるだろう。



今週の問題は、実験手筋。作意は途中でわかるはず。注意深く考えないと、手数を間違える。手数の割りに難易度は低いのは並べ詰み方式だからだ。

いつものように、わかったと思われた方は、コメント欄に、最終手、手数、酷評を記入いただけば、正誤判断。