ドングリころころころころころころ

2007-04-02 00:00:36 | MBAの意見
13646eac.jpgきょうは「加ト吉循環取引」から。あまり細かく調べていないので、単に小咄なのだが、年商2800億円の会社で、200億円もの循環取引が行われていたとは、あまりの比率である。実際には冷凍の栗など、実在の商品を神戸の倉庫においたまま、売ったり買ったり10回転くらいしていたらしい。しかも、手がこんでいて、二社間ではなく、多数(30社程度)の会社を巻き込んでいる。

栗を転がすなら”どんぐりころころ”だが、加ト吉の商品群の中で、もっと転がすのに最適なものは、”おにぎり”ではないだろうか。

わかっているところだけだが、まず、加ト吉と同じ香川県にある食品輸入会社(A)から大阪の食品商社(B)が購入。次に加ト吉または加ト吉水産(C)が購入。さらに約30社の食品会社(D)に転売。そして、最後はまた輸入会社(A)が30社から購入する。これで1回転。これを何度も繰り返す。ABCDABCDABCD・・

そして、Dの中の大手が倒産。デイジーチェーンの破綻である。さらに、BとCの間の商品代金が債券化されていて、みずほ銀行が扱っていたのだが、債務不存在と加ト吉が言い出して、問題表面化。

当初、「被害者」と言っていた加ト吉側だが、売買契約書に役員の署名があることがわかり、現在、沈黙中。だいたい、普通の会社なら、物を売る部門と物を買う部門やセクションは別だ。常識的には個人の仕業ではなく、「組織的」というようにしか思えない。

では、一体、何のためにこんなことをしたかだが、よくわからない。

一般的には、
1.売り上げを水揚げして大きな会社のように見せかける。
2.途中段階で何らかの不正資金を捻出するため、低率の口銭を設定し、扱い金額を水増しして、多大な不正資金を得る。
3.それぞれの取引に支払いサイト差(あるいは手形や振込とか債権化とかを駆使して)を利用して、資金の滞留を作る。

1の方法で200億円、2の方法でB社には2億円の口銭があったそうだ(口止め料?)。また、支払い方法は細かく、それぞれ異なるようだが結局、チェーンの一部が崩れて焦げ付いた(まだババ抜きゲームは終わっていないが)。

一体、何の目的で、こんなことをしていたのか、それは大問題の糸口なのだろう。そして、上場廃止かどうかの東証の大甘裁定を待つことになるのだろう。

そして、大問題は、この会社の監査法人はといえば、またも中央青山(みすず)ということなのだ。

早い話が、こんな低レベルの手法などは、様々な方法で簡単に見抜けるではないかと思うのだが、「まったく見ていない」のか「見て見ぬ振りをしていた」のか、どちらかに違いないとしか思えない。


とはいえ、カレンダーは容赦なく4月1日を向え、多くの3月末決算企業の営業行為はタイムアップ。「今期限りで業務終了」を一方的に宣言した中央青山(みすず)に監査を依頼していた企業は、次から次へと新しい会計規則を押し付けられて泡を吹いているところのようである。

そして、余談だ(とも言えない)が、交際費などで、予算オーバーして使った分などを、翌期回しで処理してきた中央青山系の会社群には、交際費使用禁止令が発せられたらしいのである。経費の次期繰越による粉飾行為ということだ。

とは言え、上場大企業の方々は、交際費を使いながら優雅なビジネスライフを送るというのが生活習慣であり、3月末には禁断症状をもよおしているわけだ。そこで、中小企業の出番になり、そういう飢餓状態の方々を接待し、あれこれ自社に有利に取り計らってもらえるように手を回すのだが、その話は次回・・