「どこでもドア」の使い途

2007-03-16 00:00:48 | 市民A
「ドラえもん」のことについて、特に詳しいわけではないが、漢字では「虎”右衛門」と書くらしい(ウソ)。

すでに、原作者の藤子・F・不二雄さんは1996年に他界されている。そして、ドラえもんは、既に、終わっているとも言えるし、終わっていないとも言える。一方、「テレビ版サザエさん」の原作は、すべて長谷川町子作なので、いつかは終わるはずなのだが、それも本当はよくわからない。

この「ドラえもんは、既に終わっている」という説は、背景に都市伝説が付着して、様々な形で広く流布しているようだが、関連して、「のび太の夢の中のできごと」というのがある。1964年生まれの、のび太少年が、何らかの原因でvegetable状態になり、長い長い眠りについている間の夢の中のできごとを描写しているのであって、決して22世紀から猫型ロボットが遊びにきたのではない、という説である。

しかし、いずれにしても105年後、2112年には「ドラえもん」は終了しているはずである。ドラえもん生誕の年だからだ。そこで現実に追いつく。

実は、通常、漫画は、実社会とは没交渉で、いわゆるパラレルワールドを作り上げるのだが、このドラえもんとサザエさんは、実社会に描写範囲がかなり食い込んでいる。そのあたりが、長続きしている理由かもしれない。一説では、教育委員会が「イジメ認定」をする時には、「ジャイアンvsのび太関係」を踏み越えているかどうかが判定基準になっているとも言われる。


そして、ドラえもんは1000を超える小道具を四次元ポケットから引っ張り出すのだが、その中でも、かなり便利で汎用性のある道具といえば、・・

どこでもドア、であるだろう。

いくつかの制約はあるのだが、基本的に同時代の好きな場所に行ける。人間ファックス機能である。残念ながらタイムマシーン機能はない。


そして、それを東京都内の地下某所で見つけたのである。


8affdd9c.jpgそれは、なにげない地下道にあり、カムフラージュのために「非常口」と書かれている。このドアを開けて逃げることができるとするなら、どうみても「どこでもドア」のはずである。


では、この実在する「どこでもドア」を使って、何をすればいいか、ということだ。


好きなところにいけるといっても、「行きたい場所などない」という人もたくさんいるかもしれない。高級レストランに行っても財布がなければ、旨いものは食べられない。海外旅行だって、HISで行けば相当安い。だいたい移動費用がタダになるといっても、しょせんは何万円から何十万円の世界だ。夢が小さ過ぎる。

銀座老舗料亭で行われる政治家と業者の密談なども覗いてみたいが、賄賂の現ナマが「森以蔵」の箱の中に入っているなら、面白くもない。せいぜい、宇宙船にでも行って地球の色でも確かめようかと思っても、窓から首を伸ばして、直に見ることはできないのだから、画像で見るのとあまり変わりない。

それなら、飲み過ぎて終電車に乗り遅れた時にタクシー代わりに使えば実用的でいいかもしれないが、たぶん、終電車が終わると、このドアにたどり着くことができない仕組みのようだ。


やはり、ドラえもん最強の小道具は「タイムマシーン」ということかもしれないが、これも色々と使用上の制約があって、過去に戻ってギャンブルで儲けたりするのは禁止だ。かばんに札束を詰め込み、昭和20年代に戻って田園調布の土地を買おうと思っても当時はまだ万札は刷られていない。聖徳太子の一万円札登場は1958年(昭和33年)だ。札束を1985年に持っていき、株を買って1989年に売り抜こうと思っても、古い福澤札だ。新しい福澤札の時代に行ってライブドア株を買うと大損だろう。かといって未来にいって成長企業を見つけて、今から株を買っても、突然神様に呼ばれるかもしれない。

米国では、映画「Back to the Future」の中で、つい、色々とタイムマシンの禁止事項を犯してしまった「Michael J. Fox氏」はそのせいか難病に罹ったままなのだが、ついに決意し、「Back to the Future 4」に出演するらしい。今度は既に死んだはずのドク博士の役らしい。彼は1961年生まれ。のび太より3才年上である。「Back to the Future」全編も、彼の長い長い夢の中にあるのかもしれない。