”Igawa Game”流行るかな?

2007-03-10 00:00:10 | しょうぎ
ヤンキースの井川投手は出身地からの依頼で「いばらき大使」だそうだが、もう一つ別の大使をしている。「将棋親善大使」だ。1月25日付けで日本将棋連盟が、大使に任命するのと同時に初段免状と背番号にちなんで29組もの将棋セットを進呈している。木製の駒や盤は高い。太っ腹な話だ。

NHKのお好み対局で彼の実戦を見ると、実力初段くらいの感じだ。だから初段進呈では大いに失礼だったのではないかとも思えるし、実力どおりの段を認定した方が名誉なのかはよくわからない。

実際、試合前にはブルペンで、球を投げないで詰将棋本を読み耽っていたそうだ。5手詰めくらいは、見た瞬間解くらしいので、相当の腕だ。残念ながら日本にいる時は救援投手ではなく先発だったので、詰将棋本を読みながら、解けない問題に後ろ髪を引かれながらマウンドに急ぐ機会はなかっただろう。

そして、ヤンキースでのオープン戦1試合目では、フォアボールを連発し、厳しい評判を浴びているようだが、まあ、これからだろう。初手に捨駒といったところか。

ところが、野球の話の前に、奇妙な話が伝わってきた。チーム・メイトに将棋を教えているということらしい。こんな記事だ。


ヤンキースの井川慶投手(27)が「将棋親善大使」としての第1回経過報告を行った。4日付のニューヨーク・ポスト紙が「井川がヤ軍のクラブハウス内で将棋を広めた」と紹介するコラムを掲載。この記事のスクラップを日本将棋連盟に郵送した。

記事は「井川は将棋の伝道師」という見出しで、英訳付きの将棋パンフレットを配布したことや、初体験のビローンと対局、わざと負けたことなどを伝えている。この記事を読み終えた井川は「これ、将棋連盟に送ってあげましょう」と親善大使の任務を遂行した。

井川はキャンプイン直後、関係者と渡米後初めて対局。その様子が複数の米メディアに報じられ「shogi」の存在を全米に知らしめた。その上、律義に経過報告まで行うことに、将棋連盟関係者も驚くばかりだ。


「わざと負けた」というところは、ご禁制の賭け将棋などでの勝負のコツである。安いレートの時には、負けておいて、レートが上がった時に、一挙に回収する。オープン戦で打たれているのも、そういうことかもしれない。

さらに、一説ではトーリ監督もはまった、ということらしい。しかし、別の記事では、クラブハウスで指されているのは「Shogi」ではなく「Igawa Game」という名のゲームで、木の駒でなく、紙の駒らしいとのことである。


しかし、同僚のマイク・マイヤーズ投手の変な話は、あいかわらずのアメリカ人だ。


マイヤーズが小さな盤上をのぞき込んだ。「これがキングだって? クイーンはどれだ? ゲイシャはいるのか?」クロスワードパズルに興じていた中継ぎ左腕が、隣のロッカーで始まった“バトル”に興味津々。「ノー ゲイシャ」と答える井川に「面白そうだな。オレも覚えるよ」と志願した。


1ea9dbda.jpgそして、この紙の駒というので閃いたのだが、自宅に、この将棋連盟公認の英語解説書及び紙製将棋セットがあるのである。

英語の解説の横にマス目があり、別途、厚紙で切り抜いて使うように紙の駒がついている(いかにも何枚か紛失しそうだ)。そして、妙なことに定価が書いてある。2ドルだ。つまり、将棋連盟が井川にプレゼントした将棋セット29組は、この紙製の1セット2ドルの代物だったということだ。それも将棋連盟製である。まったく細ッ腹な話だ。

そして、駒を英語で何と読むかというのを調べてみたが、やはり「キング」がいても「ゲイシャ」いないようだ。発音上は「銀将」あたりを「Silver general」としないで、「Geisha-queen」とか命名すれば、うけるのではないだろうか。

なお、パンフレットでは、チェスにはない、「駒を打つ」と言う行為に、「drop」という動詞を使っているのだが、ちょっと感じが違う。


1ea9dbda.jpg前々週出題の解答は、▲3一角 △1二玉 ▲1一桂成 △同玉 ▲1二角成 △同玉 ▲1四飛まで7手詰め。

初手▲1一角だと、その角が邪魔になってしまう。後は次々に駒を捨てて、飛車が登場する。舞台装置としてはもっと離れた場所で飛車が動きたいが、少しやってみたが、大味になるだけか。めったに捨駒連発作は作らないので、たまにはということ。





先日、大手町の「ごはんミュージアム」で、昼食のオーダーが、遅延してしまい、その間に図面を書いて1題作ってみた。さらに、盤・駒・パソコンなどで、加筆修正した結果、1図となった。捻れば捻るだけ醜い問題となる。1図より簡単なのが2図、さらに簡単なのが3図である。3図がオリジナル(変化2手長手余りあり)。こういうのこそ作者の自己満足ということかもしれない。1図が解けた方は、必ず2図も3図も解けるはずだ。

コメント欄に最終手と手数と酷評いただければ、正誤判断


追記:第1図に変長手余ありとの指摘があり、さらに改醜。もう飽きた。
1ea9dbda.jpg