歩く危険物体の未来像は?

2006-06-28 00:00:43 | 市民A
bb4cf6c4.jpg街の中をデジカメ・パソコン・プリンターなどIT機器一式を持ちながら歩く二人連れがいる。まったくIT産業とは無関係な人たち。「駐車監視員」という新しい職業なのだが、実際には「監視員」ではない。警察の手先である。「駐車違反取締員」というのが正しい呼び方と思うのだが・・・みなし公務員である。抵抗すると「公務執行妨害」としてその場では捕まらず、後で捕まる。逮捕権はないし、ピストルも持っていない(今のうちは)。

6月1日から新制度として、駐車禁止の取り締まりが強化された。一つは交通警官ではなく、取り締まりの民間代行制度。もう一つは従来の「30分見逃し法」から「即アウト方式」。さらに、「ドライバーではなく所有者責任」と変わったことだ。要するに、駐車禁止エリアに駐車している車を見つけると、ナンバーと証拠写真をパソコンでホストコンピューターに登録し、約5分のデータ処理時間の中でクルマが動かないと、プリントアウトされたシールを貼られて反則金が発生する。難しいのは、そのプリントアウトされたものをクルマに張ろうとする時にドライバーが現れた場合で、アウトかセーフかトラブルになりやすい。ドライバーもリスクがあるのは、その場に警官がいた場合で、警官に見つかると反則金だけではなく、違反切符を切られ、点数まで取られてしまうらしい。

つまり、単なる経済的損失では済まなくなるので、警官がいる場合は、自分のクルマであっても他人のクルマのように素通りした方がいいらしい(あくまで伝聞情報)。そうすると、「反則金×摘発確率=駐車料金」という均衡式が書ける。

それで、摘発成績はどうかというとパッとしないらしい。約5000人が従事しているらしい。二人一組で2500組。1日5000台程度を処理しているらしいので、1組で1日2台に紙を貼っている程度だ。警察の目論見では、委託費と反則金がイコールになることを見込んでいて、この倍以上は捕まえなければならないらしい。


先日、昼休みに新橋駅方面で、どれだけ駐車違反がいるか調べてみた。すると・・・ いくらでも違反車はいるのだ。道に出てまわりを見回すと、無数の違反車だらけだ。10分に1台ずつ挙げていくと、8時間で48台も捕まえられる。大儲けだ。あるいは昼食時間は捕まえないという新ルールができたのだろうか。


ところで、代行方式になって警察官の数が減るかというと、全国で約500人が減少するらしい。プラス5000マイナス500=4500。そして、この計算はこれから大変なことになるはずだ。団塊世代警官の大量退職がはじめる。毎年約10,000人ずつ退職するらしい。その大人数の方々が、この仕事を狙っているらしいのだ。

といっても、受託業者は入札で決めるのでは?

実は、業者は入札なのだが、この監視員は資格制度なのである。落札業者は監視員を雇いいれることになるわけだから、どの業者が落札しようが監視員の仕事は確保されているわけだ。それも、”資格には定年はない”。

問題は、監視員が増えれば増えるほど、自給自足体制のハードルは高くなっていくわけで、取締りはどんどん加速されていくと思われることだ。

ただし、絶対に「駐車禁止絶滅にはならない」のは間違いない。

エジプトで産まれ、世界中に繁殖していった猫族に伝わる家訓がある。
 「ネズミを食い尽くさないこと