平良正巳;沖縄(ウチナー)ガーデン

2005-10-07 23:02:05 | 美術館・博物館・工芸品
65112143.jpg新宿ニコンサロンで開催中(10/4~10/10)の”沖縄(ウチナー)ガーデン-光が育てた暮らし-”をのぞく。ちょっとした半端な時間の有意義な利用だ。平良さんは、沖縄出身で、東京の大学を経て、現在は沖縄で高校の先生をされているそうだ。テーマは沖縄の混沌・住宅の中の庭・そして太陽の中のこども。
沖縄の人たちを、一般論で語れるほど多くのの知己はいないが、利害関係や二極化とかの結果、県としてまとまりがなく、いつまでも前に進めない状態らしい。(今のドイツみたいだ)

作品は、光と影、大人とこども、文明と反文明という対立軸を含んでいる。ただ、そういう沖縄の現実が、肯定的なのか否定的なのかは見るものの側が考えるように投げ出されている。そこがプロとアマの戦略の差だろうか。

同じ沖縄を写すのでも、海を写す限り、世界有数の美しい島だ。しかし、琉球王国最終章あたりから「地理的な重要性」に列強国が気付き、こんな混乱の島になってしまった。ペリーの黒船も、江戸に現れる前に、琉球政府を一喝していて、その時に、あまりにも琉球国が軟弱だったため、日本も簡単に一つぶしと思ったのだろうが、そうはいかなかったのだ。

話は限りなく横に飛び出すが、ペリーは日本開港のあと、海軍を率いて、メキシコで政府の意向を無視して大暴れしている。関東軍のようなものだ。どこの国も海外の軍隊をシビリアンコントロールするのは難しい。日本で大暴れしなかったのは、単に海軍力が不足していたからなのだ。なにしろ多くの歴史書では、4隻の蒸気船が日本に来たようになっているが、伊豆下田の郷土館編の「ペリー日本遠征記図譜」の中の記載によれば、内2隻は汽船ではなく、帆船で、日本側にばれないように、帆を掲げずに、別の2隻の蒸気船と海中でロープで繋ぎ、曳航していたそうだ。だからよく見ると4隻のうち、いつも2隻ずつが、金魚の糞状態でセットになっていたはずなのだが、日本人は誰も見抜けなかったのだ。

そして、ニコンサロンは、新宿西口の駅の前にあるエルタワー28階と便利な場所で、30分くらいの時間調整には最適ではあるのだが、何となく各種カメラやパンフレットが展示されていて、徐々に購買意欲が高まってくるのには注意が必要になる。

ザリガニさんもカラフル

2005-10-07 22:57:43 | マーケティング
a3c398dc.jpg少し前のR25誌(フリーペーパー)に紹介されていた、カラーザリガニの話。

愛読ブログの一つ「ある活字中毒者の日記」の9月12日号「限りなく実体のないブルー」では、「青い薔薇」が紹介されていた。色に好き嫌いはあるものの、青というのはそれほど嫌いと言う人は少ないかもしれない。そのエントリに記載されているように、実際にはほとんど存在しない色だが、空にしても海にしても、また宇宙から見た地球も「青く」見える。

したがって、「青い薔薇」はめったに実在しないものを実現するというところが凄いのだが、それを動物界で実現したのが、ザリガニだ。ペットショップで人気者になっているそうだ。青に限らず、黒とかオレンジとかもある。元々、青い種類が「ブルーマロン」。その他、「レッドクロウ」「ブラックマロン」とか種類がある。アメリカザリガニの改良型だとホワイトやブルーがある。記事によれば8色というから絶句だ。

そして、このザリガニだが野生のザリガニの大半がアメリカザリガニ。夏の初めにスルメを持って水場に行くと無限大の数で捕獲することができる。何しろ大きなハサミを振り回していつも暴れているにもかかわらず、何にでもすぐに噛み付く。ようするに脳味噌が無いのだ。前の前の会社にいたときに、頭が悪いのにいつも吼えている部長がいた。陰で「ザリガニ」と呼ばれていたのだ。

ところで、このアメリカザリガニは、元々日本にいたわけではなく渡来生物である。そうすると、今年6月1日から施行された例の「外来生物法」の適用を受けるのではないかと心配になる。以前、国立科学博物館で「特定外来生物展」を見た時の資料を探し出すと、やはり関係があった。実は、頭の片隅にアメリカザリガニのことをイメージして、この法律のことを読むと、妙なことが見えてくる。

まず、正確な法律名は「特定外来生物による生態系等に係わる被害の防止に関する法律」というのだが、それを略して「外来生物法」といっている。問題は、略語の方には「特定」の文字がない。つまり、基本的には、何種類かの生物を指定してそれらによる被害の拡大を防止すると言っているが、本音は日本固有の動物だけがOKで、その他は全部ダメなのだが、とりあえずは特定生物だけを対象として、その他は後回し、という主旨のように思えるのだ。生物界の国粋主義だ。実は笑い事ではなく、ナチスドイツが第二次大戦前に行っていたバイオダイナミズムという考え方に近いのだが、運がいいと、近日中にそれは書いてみたい。

そして、アメリカザリガニは、外来生物ではあるが、今回は適用除外となったのだ。まあ、実際に日本から一匹残らず駆除することができるなんて考えられないだろう。

そして、愛読ブログの中でお二人の方がザリガニについて書かれていた。お二人ともこどもの教育用にザリガニ釣りを実行したようだ。実際、大人が釣っても面白くもなんともない。

一人目は小島愛一郎さん。飼っているうちに死んでしまったようだ。こどもたちに「死という概念」を教えようとされたようだが、もうちょっと高等動物で教えたほうがいいかもしれない。そして、よく読むと小島さんの捕獲したザリガニは「日本種」とのこと。まったくセーフだ(ただし漁業権問題は不明だが)。これがアメリカザリガニだと、法律の主旨から言うと、持ち帰り禁止だ。

次に民主党議員のふじすえ健三さんのザリガニ釣りはあぶない。画像で判断すると、アメリカザリガニのように見える。しかし、さすがに議員ということであって法律の範囲内でセーフだ。キャッチアンドリリース。その場で逃がしている。ところが、この法律の主旨を厳格に守ろうとすると、結構大変なことになる。なぜなら「駆除・絶滅」を目的としているからだ。正しくは、キャッチアンドキルということになる。こどもの目の前で、釣ったザリガニを一匹ずつ足で踏みつぶして、「やはり外国品は排除・排除・排除!」とこどもに教えなければならないのだ。

さらに詳しい話は環境庁長官に聞いてほしい。

ところで、アメリカザリガニとかアメリカシロヒトリとか上にアメリカが付くものにあまりいいものはないのだが、何か文化的背景があるのだろうか?そのうち、軽く調べることにしておく。