■3つのポイントで釈明
豊田社長が公聴会に対し大量リコール問題に対する見解を前もって明らかにしていた。
この内容はTOYOTAのTwitter Accountでも周知されていたが、内容は以下のURLで確認
できる。
<原文(PDF)>
<NIKKEI NET の記事>
ポイント
・トヨタの品質管理の思想
徹底的に原因を追及し、修正し改善する。問題から逃げたり、ごまかしたりという
ことはトヨタの伝統と誇りにかけて絶対にやらない
・原因について
常に安全と品質に取り組んできた。しかしここ数年については業務の拡大が続き
成長に対しておいつかないこともあったと反省している。
・今後の品質管理について
今回の問題を振り返ると、私たちにはお客さまの視点で品質問題を考えるという
視点が足りなかったと考える。
「お客さまの安全が最優先」との視点から責任ある判断を下す仕組みを加える。
そのために世界中のお客さまの声がタイムリーに経営陣に届く仕組みと必要に応
じて各地域でお客さまに近いところで判断できる仕組みを構築する。
■電子制御に問題はないか
現段階でアクセルペダルの部品交換とフロアマットの交換という対応だけがリコール
対象であるが、公聴会でも電子制御に問題はないのかが焦点となった。
実際被害にあった女性が前日の同委員会に出席し「ブレーキを両足で踏んでも、
バックギアに入れても加速は続いた。死を覚悟した」と涙ながらに語られたとき
オートクルーズランプが点灯していたことも始めて明らかにされた。
アクセル機構について、一昔前はケーブルを使いアクセルバルブの開きを制御して
いたが、現在は電子制御ですべて制御するためペダルの動きに合わせて可変抵抗器
の抵抗が変化しバルブをモーターで開閉する仕組みとなっている。
このような場合、抵抗が無限大に大きくなったらショートした場合は自動的にバルブ
が閉まるような仕組みになっている。
一方オートマチックギアについてもオートマチックシフトレバーの位置をアクセル
同様に電気的に感知して運転モードが選択される。
オートクルーズは高速道路などで長時間アクセルを踏み続ける負担を軽減できるよう
あらかじめ設定された速度にアクセルをコントロールする。
これら3つの要素すべてが電子制御機能のみで動作することから公聴会の出席メンバー
からは電子制御部分の不具合について「問題はない」とするTOYOTAの根拠提示をせま
ったものだ。実際、航空機の世界でエアバス社の開発したフライバイワイヤー(完全
電子制御の操舵)式A320は試験飛行時に操縦不能となり墜落したという事例もある。
またA300に至っては名古屋空港でオートパイロットのモード設定不良が影響し墜落
した事故も記憶にあると思う。
これらに共通していることは、高度に自動制御する機能(オートパイロット/オート
クルーズ)が実際の制御機能(アクセルコントロール)を支配したとき、人の操作
が及ばなくなる危険を持っているといことに注目したい。
もちろんオートクルーズはアクセル操作やブレーキ操作で通常は解除されるものである
が、事故の原因は得てして「通常の操作ができない」状態で発生するのであって
設計と製造の各過程における品質では想定しない「異常状態」をどれだけ想定した
のかということが問題になる。
■航空機との比較で
航空機は世界中で飛んでいる各エアラインユーザから問題が発生すると必ずメーカへ
問い合わせを行うことが義務付けられており、メーカーの技術的な対処は売り切りで
改修作業を実施しない自動車とは大きく異なる。
電子化に向けた装備の変化として、高度にデジタル化された制御コンピュータと末端
の動作制御アクチュエータに使われる電気ケーブルは高価な「シールド線」を使うこ
とが多い。外部からのノイズが影響し誤動作することを防ぐ意味がある。
制御が以上を示した場合、バックアップする機能を持っている。
一系統の故障や動作異常があると、自動/手動で3システムのバックアップを用意して
いる。
オートパイロットコンピュータに至っては3つのうち一つは別のアルゴリズムコン
ピュータを搭載するようメーガーが義務付けている。
(※2つがインテル系なら残りはモトローラ系)
最悪の場合、機械式の手動制御を持っている。
自動車ではコストとの合理性が優先されるため、航空機と同じにすべきとまでは
言えないかもしれないが、逆に信頼性への懐疑が晴れないのであれば、機械式を
併用する設計への変更が最も合理的な安全への担保になると私は思う。
豊田社長が公聴会に対し大量リコール問題に対する見解を前もって明らかにしていた。
この内容はTOYOTAのTwitter Accountでも周知されていたが、内容は以下のURLで確認
できる。
<原文(PDF)>
<NIKKEI NET の記事>
ポイント
・トヨタの品質管理の思想
徹底的に原因を追及し、修正し改善する。問題から逃げたり、ごまかしたりという
ことはトヨタの伝統と誇りにかけて絶対にやらない
・原因について
常に安全と品質に取り組んできた。しかしここ数年については業務の拡大が続き
成長に対しておいつかないこともあったと反省している。
・今後の品質管理について
今回の問題を振り返ると、私たちにはお客さまの視点で品質問題を考えるという
視点が足りなかったと考える。
「お客さまの安全が最優先」との視点から責任ある判断を下す仕組みを加える。
そのために世界中のお客さまの声がタイムリーに経営陣に届く仕組みと必要に応
じて各地域でお客さまに近いところで判断できる仕組みを構築する。
■電子制御に問題はないか
現段階でアクセルペダルの部品交換とフロアマットの交換という対応だけがリコール
対象であるが、公聴会でも電子制御に問題はないのかが焦点となった。
実際被害にあった女性が前日の同委員会に出席し「ブレーキを両足で踏んでも、
バックギアに入れても加速は続いた。死を覚悟した」と涙ながらに語られたとき
オートクルーズランプが点灯していたことも始めて明らかにされた。
アクセル機構について、一昔前はケーブルを使いアクセルバルブの開きを制御して
いたが、現在は電子制御ですべて制御するためペダルの動きに合わせて可変抵抗器
の抵抗が変化しバルブをモーターで開閉する仕組みとなっている。
このような場合、抵抗が無限大に大きくなったらショートした場合は自動的にバルブ
が閉まるような仕組みになっている。
一方オートマチックギアについてもオートマチックシフトレバーの位置をアクセル
同様に電気的に感知して運転モードが選択される。
オートクルーズは高速道路などで長時間アクセルを踏み続ける負担を軽減できるよう
あらかじめ設定された速度にアクセルをコントロールする。
これら3つの要素すべてが電子制御機能のみで動作することから公聴会の出席メンバー
からは電子制御部分の不具合について「問題はない」とするTOYOTAの根拠提示をせま
ったものだ。実際、航空機の世界でエアバス社の開発したフライバイワイヤー(完全
電子制御の操舵)式A320は試験飛行時に操縦不能となり墜落したという事例もある。
またA300に至っては名古屋空港でオートパイロットのモード設定不良が影響し墜落
した事故も記憶にあると思う。
これらに共通していることは、高度に自動制御する機能(オートパイロット/オート
クルーズ)が実際の制御機能(アクセルコントロール)を支配したとき、人の操作
が及ばなくなる危険を持っているといことに注目したい。
もちろんオートクルーズはアクセル操作やブレーキ操作で通常は解除されるものである
が、事故の原因は得てして「通常の操作ができない」状態で発生するのであって
設計と製造の各過程における品質では想定しない「異常状態」をどれだけ想定した
のかということが問題になる。
■航空機との比較で
航空機は世界中で飛んでいる各エアラインユーザから問題が発生すると必ずメーカへ
問い合わせを行うことが義務付けられており、メーカーの技術的な対処は売り切りで
改修作業を実施しない自動車とは大きく異なる。
電子化に向けた装備の変化として、高度にデジタル化された制御コンピュータと末端
の動作制御アクチュエータに使われる電気ケーブルは高価な「シールド線」を使うこ
とが多い。外部からのノイズが影響し誤動作することを防ぐ意味がある。
制御が以上を示した場合、バックアップする機能を持っている。
一系統の故障や動作異常があると、自動/手動で3システムのバックアップを用意して
いる。
オートパイロットコンピュータに至っては3つのうち一つは別のアルゴリズムコン
ピュータを搭載するようメーガーが義務付けている。
(※2つがインテル系なら残りはモトローラ系)
最悪の場合、機械式の手動制御を持っている。
自動車ではコストとの合理性が優先されるため、航空機と同じにすべきとまでは
言えないかもしれないが、逆に信頼性への懐疑が晴れないのであれば、機械式を
併用する設計への変更が最も合理的な安全への担保になると私は思う。