いよいよ夏の大会が始まる。
と、いっても抽選会から。
更に、この時期になると始まるのが引退試合。
ベンチ入りから外れた選手達が、夏の大会ではスタンドからの応援にまわることになる。この時点で高校野球の選手としてピリオドを打ち、ベンチ入りしたチームメイトを精一杯応援することになるわけだ。
選手にとってはもちろん、親にとっても気持ちの切り替えが必要になる。
そのための大切なイベントが引退試合。
一つひとつのプレー、一つひとつの声かけ、これらが当たり前だった毎日に別れを告げるイベント。
大抵は小学生から野球を始めて、親も送迎やお茶だしで野球生活に入る。
そこからは、子供が野球を続ける限り、親も応援や弁当づくりなどで野球にかかわり続ける。
子供の成長を、親も一緒になって感じることが出来る。
やっている最中はそんなこと考えずに来たが、いよいよ最後なんだなと思うと、感慨深い。
グラウンドでハツラツとプレーする息子の姿を見られるのも、この夏が最後なんだな。
もう終わり。
じじいの息子はレギュラーなので本大会まであるけど、その分、ある日突然に野球とお別れする日が訪れる。
「負けたら終わり」
この言葉に実感がこもる。
引退試合で終わる選手、本大会で終わる選手、それぞれ想いは様々でしょう。
親にとっても、とても大きな転機になる。実際、生活のリズムが変わって、母親の早朝弁当作りも無くなるな。
その点、父親はのんきなものかもしれない。
まだ一歳の息子にボールを触らせたりした。野球をやって欲しかった。
ボールの握り方を教え、キャッチボールを始めたのが幼稚園の頃。
スポーツ少年団では同じユニフォームに袖を通し、指導もしてきた。
中学に入ると、俺と真剣勝負が出来るレベルに成長してきた息子。全力で投げ、全力で打ち返す。まだ負けなかった。
高校になると、キャッチボールでは息子が手加減してくれるようになった。
スピードと伸びのある息子のボールに目がついていけなくなってきた。
パワーではまだまだ負けないのだが、それも腕力だけ。総合的な身体能力では、もう、比べるまでもない。
息子の成長と同時に、自分自身の衰えを実感することにもなる。
今となっては、息子の姿を眺め、応援することしか出来ないのに、その楽しみすら、もうすぐ取り上げられてしまうんだよな。
頭ではわかっているつもりだったが、自分は全く子離れ出来ていなかったんだなぁと、しみじみと感じる。
なんだか情けない気持ちになるけど、それが俺なんだなと。
もう自分自身を素直に受け入れることが出来るようになったのかな。
あと少し。
もう少しだけ楽しませてもらう。
お前が「やりきった」と思えるラストを迎えて欲しい。そして、次のスタートを切るんだ。
良いスタートを切るために、良い終わりを迎えて欲しい。
親父の願いだ。
と、いっても抽選会から。
更に、この時期になると始まるのが引退試合。
ベンチ入りから外れた選手達が、夏の大会ではスタンドからの応援にまわることになる。この時点で高校野球の選手としてピリオドを打ち、ベンチ入りしたチームメイトを精一杯応援することになるわけだ。
選手にとってはもちろん、親にとっても気持ちの切り替えが必要になる。
そのための大切なイベントが引退試合。
一つひとつのプレー、一つひとつの声かけ、これらが当たり前だった毎日に別れを告げるイベント。
大抵は小学生から野球を始めて、親も送迎やお茶だしで野球生活に入る。
そこからは、子供が野球を続ける限り、親も応援や弁当づくりなどで野球にかかわり続ける。
子供の成長を、親も一緒になって感じることが出来る。
やっている最中はそんなこと考えずに来たが、いよいよ最後なんだなと思うと、感慨深い。
グラウンドでハツラツとプレーする息子の姿を見られるのも、この夏が最後なんだな。
もう終わり。
じじいの息子はレギュラーなので本大会まであるけど、その分、ある日突然に野球とお別れする日が訪れる。
「負けたら終わり」
この言葉に実感がこもる。
引退試合で終わる選手、本大会で終わる選手、それぞれ想いは様々でしょう。
親にとっても、とても大きな転機になる。実際、生活のリズムが変わって、母親の早朝弁当作りも無くなるな。
その点、父親はのんきなものかもしれない。
まだ一歳の息子にボールを触らせたりした。野球をやって欲しかった。
ボールの握り方を教え、キャッチボールを始めたのが幼稚園の頃。
スポーツ少年団では同じユニフォームに袖を通し、指導もしてきた。
中学に入ると、俺と真剣勝負が出来るレベルに成長してきた息子。全力で投げ、全力で打ち返す。まだ負けなかった。
高校になると、キャッチボールでは息子が手加減してくれるようになった。
スピードと伸びのある息子のボールに目がついていけなくなってきた。
パワーではまだまだ負けないのだが、それも腕力だけ。総合的な身体能力では、もう、比べるまでもない。
息子の成長と同時に、自分自身の衰えを実感することにもなる。
今となっては、息子の姿を眺め、応援することしか出来ないのに、その楽しみすら、もうすぐ取り上げられてしまうんだよな。
頭ではわかっているつもりだったが、自分は全く子離れ出来ていなかったんだなぁと、しみじみと感じる。
なんだか情けない気持ちになるけど、それが俺なんだなと。
もう自分自身を素直に受け入れることが出来るようになったのかな。
あと少し。
もう少しだけ楽しませてもらう。
お前が「やりきった」と思えるラストを迎えて欲しい。そして、次のスタートを切るんだ。
良いスタートを切るために、良い終わりを迎えて欲しい。
親父の願いだ。