押切孝雄の「社長の本棚・映画」

社長には想像力が必要です。社長の方、これから社長になる方、社長の器の方のための本と映画

書評: 『ネットビジネスの終わり』 山本一郎・著

2009-11-30 06:58:19 | 書評: インターネット関連書
書評: 『ネットビジネスの終わり』 山本一郎・著 PHP

こんにちは、押切孝雄です。
本日は、インターネットに関する本です。

本書は、著者の山本一郎さんによるインターネット社会の批評です。

私は、次の2つのポイントに興味を持ちました。

1つは、
インターネット自体は、何も作り出しておらず、
これまで、テレビや新聞などのメディアが行なっていたことを代替するに
とどまっているということ。

もう1つは、
情報が細分化され、その細分化された専門的な情報がどんどん増えている。
人は関心のあることには注意を払うけれども、
興味のないことには無関心という状況が進展している。
情報が蛸壺化しているということ。

個人的に、2つ目の問題点については、
自分の関心分野だけでなく、
それ以外への関心を(無理やりにでも)拡張してくれるような機会が、
今後求められてくるのではないかと思いました。

たとえば、富士山に登ったことがない人に、
富士山にのぼりに行く機会を提供したり、
ロッククライミングをしたことのない人に、
ロッククライミングする機会を提供するようなことです。

淡々と日々を過ごすだけで生えられないような経験を提供するような
イベントやサービスを提案することです。

社会の変革期は、チャンスだと思います。


ネットビジネスの終わり (Voice select)
山本 一郎
PHP研究所

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◆書評執筆者: 押切孝雄 MSc.
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執筆した本:『グーグル・マーケティング!』(技術評論社)
『実践!グーグルマーケティング』(毎日新聞社)
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書評: 『デジタル・メディア社会』 水越伸・著

2009-11-29 08:58:08 | 書評: インターネット関連書
書評: 『デジタル・メディア社会』 水越伸・著 岩波書店

こんにちは、押切孝雄です。
本日は、メディアに関する本です。

先日ご紹介した『メディア・ビオトープ』と同じ著者の本です。

本書は、『メディア・ビオトープ』よりも詳細に書かかれていますので、
先に読むなら『メディア・ビオトープ』をおすすめします。

そこで概念をつかむと、本書『デジタル・メディア社会』がすんなり理解できます。

本書は2002年に書かれた本ですが、メディアに対する視点は、
2009年の今も古くなっていないです。



デジタル・メディア社会
水越 伸
岩波書店

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書評: 『メディア・ビオトープ』 水越伸・著

2009-11-28 06:51:57 | 書評: インターネット関連書
書評: 『メディア・ビオトープ』 水越伸・著 紀伊国屋書店

こんにちは、押切孝雄です。
本日は、メディアに関する本です。

本書『メディア・ビオトープ』は、
専業化したテレビなどのメディア(情報の提供者)と受け手である
我々の関係について書かれた本です。

1920年代のラジオの出現から、1953年のテレビの放映開始、
そしてインターネットの出現へと、この100年間くらいに起こった
メディアの状況を俯瞰するとともに、
現在のメディアのあり方(情報を専門的に提供する人と受け取る人の関係性)について、
疑問を投げかけ、そのソリューションを提示しています。

それらは、著者の言葉では「メディア実践」、「メディアリテラシー」、
「メディア遊び」という3つです。

それは、硬直化した現状を融解する力を秘めています。

本書は、柔らかいタッチの絵や写真が多く、
高校生や大学生でも読みやすい本なのではないかと思います。

メディア・ビオトープ―メディアの生態系をデザインする
水越 伸
紀伊國屋書店

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映画: 『カプリコン・1』

2009-11-27 06:28:27 | 映画評
映画: 『カプリコン・1』

こんにちは、押切孝雄です。
本日は、アメリカ映画です。

政府による隠蔽の物語です。
この映画をみると、政府が発表していることは、
本当に全てが本当なのだろうかと考えてしまいます。

戦時中は日本でも大本営の発表が、真実かどうか疑わしい部分があったようですが、
現在でも、こういうことは、なくはないんだろうなという話です。

新たな視点を見せてくれているので、みておいて損がない映画だと思います。


カプリコン・1(ワン) [DVD]

東北新社

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書評: 『ダ・ヴィンチ―万能の表現者』フランチェスカ・デボリーニ著

2009-11-26 17:55:58 | 書評: リフレッシュ本
書評: 『ダ・ヴィンチ―万能の表現者』フランチェスカ・デボリーニ著 昭文社

こんにちは、押切孝雄です。
本日は、美術に関する本です。

この本は、昭文社のアートブックシリーズなのですが、
オールカラーで、画家の生涯がわかるように構成されていて、
読みやすいです。

イタリアのフィレンツェ、ミラノ、ローマそしてフランスへと
ダ・ヴィンチの生涯は、都市と密接に結びついているように思います。

そして、それぞれの都市で傑作を残しています。
一番好きなダ・ヴィンチの作品を、1作だけ選べといわれたら、
私は、『受胎告知』を選びます。

『受胎告知』はモンテオリヴェート修道院のために制作された作品です。
この絵をみていると、静けさの中にただよう緊迫した雰囲気を感じます。

みていて飽きのこない作品です。



ダ・ヴィンチ―万能の表現者 (ART BOOK)
フランチェスカ・デボリーニ
昭文社

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映画: 『俺たちフィギュアスケーター』

2009-11-23 06:33:46 | 映画評
映画: 『俺たちフィギュアスケーター』 ウィル・スペック;ジョシュ・ゴードン監督

こんにちは、押切孝雄です。
本日は、コメディー映画です。

男同士のフィギュアスケートというテーマで、
おバカで下ネタ満載の映画です。

でも、私はこういう雰囲気が嫌いじゃないです。

映画は、気分に合わせてみたいですので、
仕事漬けで息抜きがしたいときや、笑いたいときにはおすすめの映画です。

ちなみに、主役のジョン・ヘダーは、『バス男』という映画にも出ていました。
『バス男』では、かなりギークな感じの役で、好演でした。



俺たちフィギュアスケーター スペシャル・エディション [DVD]

角川エンタテインメント

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映画: 『崖の上のポニョ』 宮崎駿・監督

2009-11-22 21:29:58 | 映画評
映画: 『崖の上のポニョ』 宮崎駿・監督

こんにちは、押切孝雄です。
本日は、ジブリ作品です。

2008年に大ヒットした映画のDVDを遅ればせながら観ました。

私は、宮崎駿監督の長編アニメ作品は大好きな作品が多いのですが、
その中でも『崖の上のポニョ』は、いいですね。

ポニョという半魚の女の子のストーリーも秀逸ですが、
私は、とくにその色彩に心奪われました。

あまりにきれい。
併せ持つ透明感と躍動感が素晴らしい。

こういう映画は、10年後も色あせない作品ですね。
日本の財産です。


崖の上のポニョ [DVD]

ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント

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◆書評執筆者: 押切孝雄 MSc.
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書評: 『路上のエスノグラフィ』吉見俊哉、北田暁大・著

2009-11-10 06:49:52 | 書評: リフレッシュ本
書評: 『路上のエスノグラフィ』吉見俊哉、北田暁大・著 せりか書房

こんにちは、押切孝雄です。
本日は、都市とメディアに関する本です。

都市はメディアであるという視点から、以下の4つの人々に着目しています。

1: ストリート・アーティスト
2: ちんどん屋
3: サウンド・デモ
4: グラフィティ・ライター

私が注目したのは、ストリート・アーティストと、グラフィティ・ライターです。

「ゆず」というストリートミュージシャンがメジャーになった裏には
音楽会社の戦略があったことを本書では指摘しています。

それは、ストリートでのパフォーマンスとラジオとのメディアミックスのことです。

むろん、ストリートという1つのメディアだけではメジャーにはなりえず、
他のメディアとの相互作用が功を奏したということですね。


そして、注目したもう一つがグラフィティ・ライター。

渋谷や代官山、横浜の桜木町などに一昔流行った、
スプレーで描かれた絵(マスターピース)や、
タグ(署名のような文字)を分析しています。

とくにタグは、壁にスプレーで文字(多くは数文字のアルファベット)が書かれるのですが、
一般的に誰が書いたのかわかりません。

でもわかる人にはわかるという、インターネットの掲示板のような匿名性があります。

では、なぜ彼らは、街にタグを書くのか。

私は、犬のマーキングに似た何かがあるのではないかと想起しました。
その街に実在しているという意識、なわばり意識、不安と自意識のバランス。

都市空間をメディアとしてとらえているという視点に新鮮味を感じました。

路上のエスノグラフィ―ちんどん屋からグラフィティまで

せりか書房

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書評: 『生命科学者現代を語る』 佐倉統、澤口俊之、田沼靖一・著

2009-11-09 06:47:24 | 書評: リフレッシュ本
書評: 『生命科学者現代を語る』 佐倉統、澤口俊之、田沼靖一・著 裳華房

こんにちは、押切孝雄です。
本日は、3人の生命科学者が持論を展開する本です。

キーワードは「万里同符」です。

ここでは「万里」は世界中の国を表します。
また、「同符」は、同じものを意味するということです。

3人の鼎談と、エッセーで、本書は構成されているのですが、
3人とも言いたいことを言っていて、かなり自由な本だと思います。

話は、マンボウの産卵(一度に3億個の卵を生む)から、ミーム、
哲学、メメント・モリなど、多岐に渡ります。

私自身、生命科学者と話をする機会はほとんどないですので、
その自由な語らいが、新たな視点を与えてくれて心地良かったです。

生命科学者、現代を語る―時を越えて万里同符 (ポピュラー・サイエンス)
佐倉 統,澤口 俊之,田沼 靖一
裳華房

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◆書評執筆者: 押切孝雄 MSc.
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執筆した本:『グーグル・マーケティング!』(技術評論社)
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書評: 『ポスト戦後社会』 吉見俊哉・著

2009-11-08 13:44:53 | 書評: インターネット関連書
書評: 『ポスト戦後社会』 吉見俊哉・著 岩波新書

こんにちは、押切孝雄です。
本日は、日本の近現代史に関する本です。

この本で、ピンと来たのは、p195の次のような記述でした。

「階層的な格差拡大のなかで一生結婚しない人、子供を持たない人の激増も見込まれている。現在60歳以上の世代で子供を持たない人の割合は、女性で8パーセント、男性で10パーセント程度だが、1985年生まれの人は、一生結婚しない女性が23パーセント程度、男性が30パーセント、子供を持たない女性が37パーセント程度、男性では45パーセント程度にまでなると予測されている。」

つまり、1985年生まれの世代では、女性のうち4~5人に1人は一生結婚しない。
男性だと3人に1人が結婚しない予測だということですね。

さらに、この世代は約半分の男性は子供を持たない可能性が高いということですね。

「格差拡大」は、少子高齢化を加速させ、少しずつ社会的な活力を減退させ、
結果的に国力を減退させるものと言えそうです。


ポスト戦後社会―シリーズ日本近現代史〈9〉 (岩波新書)
吉見 俊哉
岩波書店

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書評: 『ネット社会の未来像』 宮台 真司,神保 哲生,他著

2009-11-05 06:48:48 | 書評: インターネット関連書
書評: 『ネット社会の未来像』 宮台 真司,東 浩紀,西垣 通,神保 哲生,水越 伸,池田 信夫・著 春秋社

こんにちは、押切孝雄です。
本日は、インターネット社会の展望に関する本です。

といっても、この本が出版されたのが2006年ですので、
2009年の今から読み返してみると、3年前に考えられていた未来像がわかります。

インターネットやテレビ、新聞などのメディアについて多くのページがさかれています。

テレビについて、視聴率をとるために、多くの人に見てもらえる内容が必要なため、
程度が低くなるということが指摘してあります。

たとえば、万人受けのする1000万人がみる番組と、
500人しかみないけれども玄人向けの番組だったら、
テレビ局はどちらを制作するでしょうか。

もちろん、視聴率がとれる1000万人向けのテレビ番組をつくるわけですが、
行き過ぎを指摘しているわけです。

2009年現在、私がテレビに対して感じるのは、
あまりにタイアップや番組宣伝が多いということです。

テレビ番組自体が企業の広告によって成り立っていますが、
ここ近年は、さらにエスカレートしていて、あまりに露骨だなと思うことが増えています。

最後まで見てみたら、番組自体が商品の宣伝だったということもあります。

私自身はテレビが好きなので、番宣が増えてしまうと
テレビ離れが加速するような気がして残念です。

ちなみに、宮台真司さんは、1週間のうち、1秒もテレビを見ないそうです。




ネット社会の未来像 (神保・宮台激トーク・オン・デマンド (3))
宮台 真司,東 浩紀,西垣 通,神保 哲生,水越 伸,池田 信夫
春秋社

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◆書評執筆者: 押切孝雄 MSc.
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執筆した本:『グーグル・マーケティング!』(技術評論社)
『実践!グーグルマーケティング』(毎日新聞社)
『グーグル会議術』(技術評論社)


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書評: 『ウェブ社会をどう生きるか』 西垣通・著

2009-11-04 19:44:28 | 書評: インターネット関連書
書評: 『ウェブ社会をどう生きるか』 西垣通・著 岩波新書

こんにちは、押切孝雄です。
本日は、ウェブと社会に関する本です。

本書は2007年に発売されたベストセラーですので、
読んだことがある人も多いのではないかと思います。

西垣通さんは、ウェブ社会に関する楽観論に懸念を示しています。

よく聞く議論として、近未来に人工知能ができるというものがありますが、
多くの人が考えているほど簡単ではないということなのです。

なぜなら、機械は非生物で「アロポイエティック」であり、
人は、心のある「オートポイエティック」で、仕組みが異なるからです。

この本で、私が気になったこの本のキーワードは「オートポイエーシス」ですね。
人は機械ではないので、機械情報をそのまま受け取りません。

また「オートポイエーシス」に付随して「自己完結的」、「閉鎖的」というキーワードは、
新たな視点をもたせてくれました。




ウェブ社会をどう生きるか (岩波新書)
西垣 通
岩波書店

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執筆した本:『グーグル・マーケティング!』(技術評論社)
『実践!グーグルマーケティング』(毎日新聞社)
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