田辺聖子のエッセイ続き
自分の力は、定期券のように、必要なところで、必要に応じて出せばいいのだ。
結婚することと、仕事をすることは両立しない、と悩んでいる若いお嬢さんが多いが、そのどれ一つだって完全に出来た人は昔から、ほんのわずかな人だけである。
双方どっちつかずでいいのである。完全主義になろうとするから、悩むのである。
十の力を五つずつ分配すれば双方楽しむことができる。
十の力をどっちにも振り分けて二十の力になそうとするから破綻が来るのである。
努力で十にも二十にも、もっともっとと励ますより、どっちつかずで、双方を楽しく・・・と、これ名言。
読んでいて、心和み、なんだか自信が持て、世の中明るくなってきたような気がします。
他のエッセイにこんな言葉もありました。
「とるに足らぬ些事は考えない」。「コンマ以下は切り捨て」
人の世の諸々の下らぬことはもう考えないことにしよう。そうして人生を楽しもう!!と思う。
ばあさん、分配するほどすでに体力知力も無くなっているけれど、聖子さん方式で分配して、残りの人生まあるく、楽しくやっていきますわ。
昨日今日の引用文は、田辺聖子著 「老いてこそ上機嫌」より引用させていただきました。