アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

無知を悟れば勉強する 毒を喰わなくてもいい

2009年03月22日 | Weblog
  テレビが無知では国民が大迷惑

 シイタケを採りに行き、間違えて毒キノコの、「ツキヨダケ」を採って来た人がおりました。たくさん採れたので、御近所に大判振る舞い。結果、一人が入院。大事なく済んで良かったのですが、入院した人はそのことがきっかけとなり、私どもから見ると大変不幸な一生を送ることになってしまいました。

 今年の春の訪れは、「早い!」山菜採りが楽しみ。例年春先に発生するのは、ニラと間違えて、スイセンを食べる事件。スイセンは葉から球根まで全ての部分にアルカロイド系の毒がありますから、食中毒を起こします。ニラとスイセンの葉の間違いだけかなと思ったら、昨年末、潮来市の小学校の調理実習で、スイセンの球根を玉ネギと間違えてみそ汁の具に入れた事故がありました。児童5人が食中毒に。軽症で済んだので良かったですが、危なかった…。校庭の菜園で栽培した「べんり菜」を収穫しているうちに、スイセンの球根が混ざったらしいのだが、ぜんぜん「べんり」じゃなかったですねえ。

 2年ほど前に、テレビ信州が放送した、「毒草のてんぷら事件」を思い出します。
 「情報ワイドウンヌン」という番組で、「春うらら…のんびり散歩」と銘打って、リポーターがブラブラ歩いて人々と触れ合ったのですが…。「フクジュソウのてんぷら」が登場し、女性リポーターがこれを食べた。
 フクジュソウが毒草であることは、大方が知っていること。それを、テレビ局が知らない!あきれました。全ての部分に毒があり、食べると、嘔吐、下痢などの消化器障害が現れ、脈拍が不規則になったり、呼吸困難になったりする。心臓麻痺を起こし死ぬケースも。食べたリポーターさんは、命に別状がなくてよかったです。「春うららのんびり散歩で毒を喰い」危ない危ない。ぜんぜん、春うららじゃない。

 フクジュソウも、通りがかりに偶然食べたのではなく、テレビ局側が、地元の蕎麦屋に依頼して、特別メニュー「フクジュソウのてんぷら」を揚げてもらったという。こういうのって、やらせじゃないですかねえ。し、し、しかも、「家庭料理として紹介した」テレビを信じてはいけないということですかね。

与謝野大臣の談話の字幕で、「大和生命が破綻」とすべきところを、「大和証券が破綻」としたテレビ局もありました。このテレビ局は、「やまとせいめい」と「だいわしょうけん」という読み方すら知らなかったのです。

 「真相報道バンキシャ!」に出演した元建設会社役員が、「岐阜県の土木事務所が裏金づくりをしている」などと証言した。これが、虚偽の証言だった。「真相報道」じゃなかったんですねえ。おかげで、日本テレビの社長が引責辞任してしまいました。

 テレビが国民に与える影響がどれほど大きいか!ニセものをつかんではいけません。

 ニセものをつかんだといえば、民主党の衆議院議員だった方。衆議院予算委員会で、「ライブドア元社長の堀江貴文被告が、社内電子メールで、自らの衆院選出馬に関して、武部勤自民党幹事長(当時)の次男に対し、選挙コンサルタント費用として3,000万円の振込みを指示した」などと指摘した。この情報が、根も葉もないガセネタだった。議員辞職し、再起の道もなく、精神的に参って入院。そして、飛び降り自殺してしまいました。

 ツキヨダケ、スイセン、フクジュソウ、ヤマトショウケン、ウラガネヅクリ、ニセメール…何が問題なのか?これは再三再四私が主張している、「学力」の問題です。

 「学校の勉強と関係ないだろう。ツキヨダケ・・・の問題は、生きるための知識と技能の問題だろう」って?その通りです。それを「学力」というのです。

 学力の発露は、ソクラテスの認識論的自己反省、「無知の知」。自分の無知を自覚することが真の知(≒学力)にいたる出発点である。「学力と無知の知」は、一般論ではありません。私の論ですので念のため。
 大人ならなおさら、マスコミも議員も、是非、「無知の知」で真贋を見極める目、つまり学力を養っていただきたい。テレビ局は、チェック体制を二重三重にして(これは、学力が高いからこそできること)、毒草のテンプラを家庭料理にしないように!これ、学力の問題。

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