アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

甲子園の新しい楽しみ方

2011年09月03日 | Weblog
 一番高い所に登って 一番光る星を掴んだ
 一番辛い道を選んで 一番強い心をまとった
 海を渡る風が吹いた カシオペアが近くに見えた
 夢を追い続けた そしてここまで来た
 でもどうしてかな 熱い涙が止まらない
 うつむきかけた時 君の顔が見えた
 差し出された白い腕が 翼に見えた

 この詩は…どうみてもポップス。しかし、BUT!これが校歌。この夏の甲子園で一回戦で敗退した愛知代表、至学館高校の校歌です。地元では、予選の段階で有名になっていた。
 校歌といえば…
 まず、「筑波の峯の 青雲を」とか、「映ゆる名古屋の 千種台」のようにその学校所在地の、自然環境をもってくる。
 つづいて、建学の精神を述べる。
 まとめとして、夢だの希望だの、校名の連呼だのを持ってくる。
 と、まあこれが常識的校歌のあり方。

 と、ところが、この至学館の校歌には、「尾張名古屋の日出ずるところ…」などの所在地が出てこない。いきなり、高いところに登って星を掴んだという…。富士山に登らなければ星までは届かない。名古屋では低すぎて、無理無理。
 建学の精神は…盛り込まれていない。星を掴んだあと、カシオペアの近くまで行ったらしいのは分かる。しかし、夢も希望も語られていない。
 校名の連呼?ないなあーっ。連呼どころか、校名すら出てこない。これまでの、校歌の常識を根底から覆した校歌。甲子園の新しい楽しみ方が出来ました。

 高崎健康福祉大学付属高崎高等学校…長い名前です。東京都市大学付属塩尻高等学校をしのいで、今夏の甲子園出場高校では、最長の校名です。「もう一つの甲子園、長い校名の部」での優勝おめでとう。この、高崎健康福祉大学付属高崎高等学校の校歌も斬新。

Be together! Be together! Let's be together!
 茜色の雲に向かって 空を行く 白い鳥の群れ
 あの一羽 つぎの一羽も 翼に風をまとって はばたく
 Be together! きらめく翼 支える風よ
 Be together! 鳥を 彼方に 連れていってよ
 Wow wow... あの風のように
 きみのココロに寄りそって飛べたら
 ああ我らの健大高崎 高崎高校

 最後に校名を出したので、至学館の域には届かないが、英語をまじえているあたりなかなか。至学館のようにカシオペアの近くまでは行かないが、「翼で飛ぶ」。これが校歌のキーワードになっていくのでしょうかねえ。

 ベストエイトまで進んだ、東洋大学姫路高等学校の校歌なのですが…
 「書写を仰げば燃え立つみどり 夢は広がる…」
 「書写」つまり、習字の時間ですよね?それを校歌の冒頭に持ってくる。東洋大姫路って、書道関係の学校だったのか?私の疑問は一笑に付されました。東洋大姫路から、「書写山」という山が見えるのだそうで…。紛らわしい名前をつけてはいけません。でも、好奇心の塊としましては、書写山の名前の由来を知りたいけど。多分、修行僧が、お経を書写していたから…でもそれなら、日本中の山が書写山になってしまいますね。

 済美高校の校歌
 (前略)共に学ぼう これからは 「やれば出来る」は 
 魔法の合いことば 腕をとり 肩をくみ 信じてみようよ 
 素晴しい明日が 展けるから

 校歌の歌詞に、「魔法の合いことば」…時代は変わりました。
 「やれば出来る」…やっても出来ないことの方が多いんですけどねー…。

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