ジョギングはシャンパンの味

ジョギング、写真、革クラフト、木工、パンつくり、日本の古代史などを趣味にして楽しんでいます。

シュリーマンの「日本旅行記」

2016年03月22日 05時59分20秒 | 読書

・・・私のシュリーマンについての知識は、彼は考古学者で、トロイアの遺跡を発掘したこと事などを、何かで知っていたくらいの知識でした。

  彼が、幕末に、世界旅行の途中に、日本に来て、国内旅行をしていたことを、今日読んだ本で初めて知った。
  彼はサンフランシスコまでの船旅の中で、「中国・日本旅行記」を書きあげた。
  その後、考古学を勉強し、日本への旅行したあと6年後にトロイアの遺跡を発掘した。

  この本を読んで一番印象に残った文章は日本人の生活について書いている内容です。
  滞在一か月で的確に、幕末の日本人の生活を相対的にとらえている。

  「ヨーロッパでは、食器棚、婦人衣服箪笥、男性用衣服箪笥、ヘ-ツドボード、テーブル、椅子、それにもろもろの最小限必要とされる家具類、それに、それを入れる広い住宅、幾人もの召使、調度品。
   そして、それらをそろえるために莫大な資産と出費が必要である。
  ・・・・・・・・・・、ところが、日本に来て、私はヨーロッパで必要不可欠とみなしていたものの、大分部は、もともとあったものでなく、文明が造り出したものであることに気が付いた。
  寝室を満たしている豪華な家具や調度品は、ちっとも必要でないし、それらが必要と云うのはただ慣れ親しんでいるに過ぎない事、それらなしでも、十分やっていけるのだと分かったのである。
  もし、正座になれたら、椅子や長椅子はいらないし、ベッドなしで畳になれたら、今と同じくらい快適に生活できるだろう」  

  現在、日本は東北大震災、原子力発電所の事故によって、文明の岐路に立っていることに、気付かされている。
  我々の子供の頃は、幕末ほどではないが、ベッドも、椅子もない簡素な生活をしていた。
  それが、いつの間にか、地球の資源で賄いきれないような、物の多い生活をするようになった。

  シュリーマンの「日本旅行記」から引用した上の文章が、まさしくその岐路に立つ、我々現在の日本人に対する答えのような気がした。
  

コメント
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