還り見れば酔生夢死か?

80歳代の聾人でネットの話題を書いています。足が悪いので家で得ることが出来るネット情報と私自身の唯我独尊の偏向文です。

カントウ 釣り

2006-07-25 19:59:13 | 日常生活
土用の鰻を食べながら子供時代に鰻を祖父と一緒に河口に釣りに行った事を思い出した。釣り方を確か「カントウ釣り」と言っていたように覚えているが、どのような漢字が当てはまるか判らない。今でも故郷ではやっているのかな~ァ?

川上(カワカミ)の大雨の後に川の水嵩が上がり川面の色が黄色い濁流となって瀬戸内海に流れ込む。丁度今頃の季節と思う。

川の氾濫(?)がやっと収まり川の水位が下がり普段に近くなった頃、と言っても未だ川面は黄色で流れも速いが、そのような時に祖父は私に「カントウ釣りに行くからミミズを採って来い」と言い付ける。

ミミズは畑に行けば幾らでも取れる。長いミミズは5寸もあるのが一杯居た。


カントウ釣りに使う鰻の餌である。先端に大きな針をつけた渋糸をミミズの身体の中に通し子供の手で3~4尋(ヒロ)くらいの長さにして、それを手の指4本分の幅に巻きつけて束にするのである。それを特製の竿の先端に結いつける。

竹竿は全長4~5m位(鉄筋も含めて)で先は尖った鉄筋(長さは5尺くらい)が着いていてその、鉄筋の細くなった先端に小さな穴が開いている其処に先ほどのミミズの束を渋糸でシッカリと取り付ける。ここが肝心だ。

これで準備OK、祖父と共に角船(カクフネと言っていた)で河口に出る。釣り場は祖父の勘である。流されないように船を2個の錨で固定して
「よし、ここでやって見よう」の合図で私は祖父と共に、先ほどの特製の竿を船から垂直に海底(?)に着ける(深さは3m前後だ)。1~2分で竿がグラッ、グラッ、と引かれる、直ぐに船上に上げると長さ50cm前後の4~5匹の鰻がミミズに食いついたまま挙がってくる。  

船に上げると鰻は不思議と食いついたミミズを口から放し船上をクネクネと這い回る。鰻が離れたところで又竿を海に挿す。同じように直ぐに引きがきて船上に上げる。

小一時間もしない内にバケツ1~2杯分は釣り上げる。
勿論、餌は4~5回上げたところで新しいミミズの束と交換する。そして、やがて上げ潮になると、その潮に乗って帰路に着く・・・・。

家に帰ってからは、その鰻は全て祖父が捌くが子供心に祖父の包丁捌きは見事なものだった。私は鰻より捌いて採った鰻の骨を焼いて砂糖醤油を付けて食べるのが好きだった。それ故か鰻の身の味覚は覚えていない。残念だ! 正真正銘の天然産だったのに・・。

土用の鰻で故郷の子供時代を思い出した。然しよく釣れたな~ァ。鰻は蒸さないで直接焼いていたように覚えているが定かでない。

一つ、今以て疑問に思うのは釣りの名称だ。何故「カントウ釣り」と言う理由が今もって判らない。

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