充実のソロテント泊@オーレン小屋 硫黄岳&天狗岳 定着テント泊山行

2012-08-23 20:56:26 | 山、登ってきました☆
■ 急遽、山へ

 夫:「あ、僕、今日飲み会~!」
 私:「じゃあ、私、山行ってくるね~!」

…ということで(^^)ソロで山に行ってきました。 久しぶりに充実した山でした♪ヤマレコ記録はこちら

どうしても夏にあの硫黄岳の烈風を味わいたくて硫黄岳へ。前に行ったとき、ものすごい風だったのです。あれは夏に味わえば最高だな!と。

折りしも火曜日はドがつくピーカンだったのに、夜に仕事があるから、と行きたい気持ちをぐっとこらえたところでした… 山梨は土日から連日の晴れ。お盆はどこも荒れて、行く山がなく、槍では落雷で遭難者まで出したのに、盆明けから急に晴天続きとはけしからん(笑)!というわけで…一泊2日のソロテント泊に行ってきました。

■ 企画

場所はもちろん硫黄なのですが、本沢からのルートはデート用にとってあるので、今回は2度目の桜平から。

折角、夫が晩ごはん要らないので、一泊。するとオーレン小屋しかない。オーレン小屋のお食事は山小屋にしては変っていて、泊まってみたい山小屋ではありますが、そうすると夫がかわいそうなので、ここは節約山行で、テント泊で。

というわけで一泊2日、テント泊で、一日目は硫黄岳、2日目は天狗岳へ行くことにしました。これは素晴らしいアイディアでした。バランスが良い山行。クタビレもせず、飽きもせず、楽しく歩けた。

単独でのテント泊は初めて。なので、荷物を背負うことや、独りでテントで寝ることなどに敷居は低く。それでいて充実した山歩きを。 

今回はかねてから歩きたかった根石岳と箕冠山を歩きました。以前から縦走したかった天狗岳と硫黄岳をつなぐ稜線です。冬に天狗岳から先へ足を延ばすのに、東天狗の直下がちょっと怖かったので、夏に偵察したかったのです。

結果は写真の数が如実に物語ります・・・なんと今回の2日で取った枚数は初日227枚、本日333枚…それだけ楽しく
余裕もある山だったってことですね♪




■ まずは お天気が良い!



オーレン小屋のオジサン情報によると、ここ4~5日、八ケ岳は朝にドピーカン、10時にはガスが出て、12時ごろはすっかりガスっぽくなり、それを待つと3時~4時頃ガスが晴れ、夜半はまた雲ひとつない快晴、というパターンが続いています。

この情報はとっても役立つ情報でした!

昨日は山に入ったのが10時。12時にはテントを張り終えて、夏沢峠に立っていたのですが、10時に山に入った時点ではガスっていました。ガスっているからとガッカリしてテントに篭らず、稜線を目差し正解。硫黄岳から赤岩の頭を一周しましたが、ランチを取った硫黄岳山荘で他の方とのんびりおしゃべりして待ち、気持ちのよい山歩きになりました。夏は2時から雷、というのが山の定石なので、みんな降りてしまって、山独り占めでした!

2日目はご来光のため、朝4時前から歩いて…ちょうど稜線に出た頃にご来光を迎え、誰もいない根石岳山頂どころか
誰もいない稜線の縦走路を眺めながら、ゆっくりとモーニングコーヒーを頂きました。こんなに素晴らしい山はめったにない、と思える山でした☆

いずれ冬に歩きたい稜線をのんびりチェックして、ついでということで黒百合ヒュッテで一息入れ、ピストンで折り返し。途中色々な人に出会い、次につながるアイディアも得て、気持ちよく帰ってきました。

■ DAY1 核心はアプローチ!

遅いスタート。夫を会社に送り出し、7:30スタート。10:00桜平着。ウチのカーナビはおかしいのか、高速道路を使わず下道で行ったのですが…夏沢鉱泉が出てくるから安心していたら、いつまでも諏訪方面に行ってしまう…アレ?ということでカーナビは頼らず自力で桜平に、かすかな記憶を頼りに行きました…。 ナビがあったほうが遠回りだった…(汗)。

運転している間は快晴で、胸が高鳴る感じでしたが、近づくにつれ、どんよりし…着いたらたらガス(汗)
でも、前日甲府から眺めた八ケ岳はそういう感じだったのに夕方には晴れていたので大丈夫だろうと思っていました。

そもそも、桜平からの山で一番の核心は、アプローチです! 桜平までのダート道!!もう車にも心臓にも悪い!!!

■ テント泊は重い? 

テント泊の装備と食事で、結局ザックは8kgほどにしかなりませんでした。背負ってみるとずっしり感は多少ありますが、背骨に負荷がかかって、その負荷がむしろ心地よいくらい。せーの!が必要な重みではありません。ただ38LしかないザックのSサイズは36Lなので…テントを中に入れてしまうと、もうパンパン(笑)。

パンパンだと、重そうに見えるのか、道行く人に「ザック、20kg~?30kg~」と聞かれましたが「そんなにないですよ、8kg」というと、みんな複雑な顔をします。褒めてあげようと思ったのに軽かったので(笑)。だけど、すこし羨ましそうでもあり(笑)…。「そんなに軽いなら私でも♪」という中高年のオバちゃんたちが増えるかもしれませんね。

前回、硫黄岳に登ったときは夫と2人だったのですが、こんなに簡単にオーレン小屋に着いたかしら?というくらい、背負った重さに対する気合が入った割りに、あっけなくテン場についてしまったのでした・・・。登山口からたった1時間半ですもんね。テントの設営を先にしてきて、空荷での行動は軽快でした。今回はランチはすべて小屋にお願いしたのでランチも持たず、水筒だけ。

■ 夏の八ケ岳は紳士的です!

ただ…夏の硫黄岳はなんとも優しい好青年でした。秋や冬とぜんぜん違う。あの息も止まるような風はどこ吹く風…髪の毛の中をバンバン吹き抜ける、着ているものの繊維を貫通するような風を期待して行ったら…とてもマイルドでした。ツマンナイ…。風ない…。

ただ夏山は2時から雷という定石通りにほとんどの人はまじめで、稜線を2時には降りてしまっていたので、静かで快適なひとり歩きが出来ました。広い山頂で寝転んで仰向けになり空を眺めながら、そう、私はこれがやりたかったのだ…と思いました。

翌日も朝6時の根石岳山頂を独り占めしたので、誰もいない山頂がこんなに充足している山旅もそうありません。

初日はそういう感じにのんびりと硫黄岳の広い山頂で幻想的雰囲気を味わい、秋に来たときには開いていない硫黄岳山荘を偵察するため、そこでランチ休憩し、テン場ではヨガをして過ごし、夕方は早めにゆっくり独りでテントに寝そべり、夜は夜で、穂高で見たほどではないものの…雲も月もない、夏の夜の星空を眺めました。新月からまだ経っていないし、月がすぐ沈むので星は見ごろでした。

夫がいないと家のご飯も簡単になってしまうように、山のお食事も独りだと簡単になってしまって…反省。今回はお食事は本当に手抜き。山小屋があるからいいやってね。それだけならまだしも行動食のことを忘れていたので、オヤツもなしの旅でしたが…それはそれで何とかなりました。持って行ってもザックに入らなかったかも?

アル添の日本酒しか置いてなかったのでワインを買ったのですが…ワインもどうも…。ぶどうジュースみたいなワインで、やっぱり家から持っていけばよかった…と思いました。

そういえば、メスのカモシカがテント場にやってきて食事をしていました。オーレン小屋のブログによるとクロちゃんというそうです。あまりに人に慣れていて驚きでした。

■ 朝の稜線

テント泊の強みは朝が早いこと。今日はヘッドライトを付けて夜が開ける前に出発。不思議ですね、ヘッドライトをつけて歩く暗い森に早朝から出かけていく…、初めてやるのがソロ登山において、なんて。

でも、なぜだか、まったく心細くなかったのです。あまりにもお天気の良いのを期待していたので期待のほうが勝っていたし、通いなれた八ケ岳は人の息吹が一杯で一人歩き安心の山。道迷いの心配はまずないし。むしろ大急ぎで喜び勇んで稜線へ。

今日は4時少し前から歩き始めました。失敗しちゃったのはすこし予定より遅れていたので、急いでいて、水のパックをザックに入れ忘れたこと…水を汲み足してから入れようとして置き忘れ…。おかげでまた喉が渇きました…。水タダなの知っていたから買う気になれないし。朝は意外に時間が掛かることを学習。

ご来光はギリギリ稜線に出れ、箕冠山から降りるあたりで…そのまま根石岳に登り、山頂で熱いコーヒーを湧かし、のんびりと素晴らしい朝を満喫しました。こんなに素晴らしい朝…朝が毎日毎日あるってこと、それ自体が人類の福音ですね。日の出は毎日あるのにそれを見ずに過ごすなんて、私たちはなんてもったいないことを日ごろやっているのでしょう…。

■ 天狗岳の二面性

根石岳から、目的地を黒百合ヒュッテに定め、北上したのですが、素晴らしかったのは、天狗岳が見せるまったく違う二つの顔です。

天狗岳は私たちにとっては冬の山です。黒百合平から見る冬天狗にはもうお馴染み。冬の天狗は、ハイマツと矮小化したシラビソが雪を纏い、小さな白い小人がぎっしり肩を寄せ合っているような、穏やかな表情です。

夏も当然それらの木々が青々として一層穏やかなのでしたが…それは黒百合平から見たときだけ。
反対側、南面は特に西天狗の南面はオーバーハングした岩がゴツゴツと荒々しく、南八ケ岳的な表情を纏っています。天狗は南から見るのと北から見るのでは男と女というほどに表情が違いました。

根石岳から天狗岳までの、なだらかで歩きやすい稜線は、その荒々しい岩に低く日光が当たって濃い陰を作っている迫力をずっと眺めながらの歩きです。足元はまったく難しいところがなく、稜線歩きもほんの小一時間ほどなので、もっと続いてほしい、と思うくらいです。歩いても歩いてもピークにたどり着けない南アルプスと大違い。

白砂新道の分岐があっという間です。白砂、というのはそこ辺りだけが白い岩が多いからですね。子供の頃、書ける石、と言ってアスファルトの地面に絵を描いて遊んだ、そういう石質の石です。拾って書いてみたら書けました(笑)

東天狗の南の稜線は一部梯子があり、高所恐怖症の人はちょっと怖いかもしれません。が、次々に出てくる鋭い岩峰と行く手に見える縞枯れたシラビソの深い森とのコントラストに目が離せません。

稲子岳のくぼみと二重の稜線も見え、遠くには浅間山も見え、北八つの深い森が広がり…今日は、ひとりなので舐めるようにゆっくりゆっくり行くのですが東天狗にはあっけないくらい簡単についてしまう。いいんでしょうか?と思ったら・・・ちゃんとアルバイトが用意されていました。

…そこから黒百合平までは、超めんどくさい。

冬しか歩いたことがなかったので知らなかったのですが、飛び石伝いに歩くほうが早いような家具大の岩が重なる登山道は…めんどくさいです…(汗)。夏の天狗岳の中山峠までの道はそんなめんどくさい道で、冬のほうがよっぽど楽、というのが本音。飛び石伝いの道は、バランスを崩すわけにはいかないので… 降りるほうが登るより難しいですし。

夏沢峠4:20、根石岳山頂5:30、東天狗山頂6:30 黒百合ヒュッテ7:40でした。長い休憩を取って、来た道を折り返し、根石岳山荘に10:00でコーヒーブレイク。

興味がある白砂新道を降りて本沢温泉に行こうか…とさんざん迷いましたが、腹八分目の原則を、と思い直し、次回の課題にしました。そのままオーレン小屋におり、お昼12時回る前に着き、ボルシチのおいしいランチを頂いて、小屋番のオジサンが「甲府なんだからもっとゆっくりして行けし」と言ってくれる声をありがたく頂戴しつつツも、さっさとテントをたたみ、1時出発、14:30に下山終了でした。

今日は本当に景色が素晴らしく、こんなに山を堪能できたのは久しぶりな気がします♪

■ 写真集 Day1


硫黄岳山荘からの眺め。


硫黄岳山荘のラーメン 800円。コーヒーも美味しい。500円。トイレ超キレイで100円。


硫黄岳山頂。


ガスっている山頂。


ガスが迫る・・・・

赤岳方面

硫黄の爆裂火口はあまり見なかった。



硫黄岳はケルンだらけ。夏沢峠からの登りは長く感じる。



夏沢ヒュッテのメニュー。今回は利用しなかった。


変な空だった。夏沢から少し先にて。


ギンリュウソウ。赤岩の頭~オーレン小屋の間で。峰の松目は次回にとっておくことにした。


テントサイトは下がすのこで快適。この日は7張りほど…。


今回もって行った本。1冊は硫黄岳山荘でお買い上げ。おねえさんが可愛かったから。




カモシカのクロちゃん。人間慣れしすぎなくらいでフラッシュにも動じず。


オーレン小屋は行事が盛んな小屋らしい。テント1000円。トイレ100円。宿泊者は無料。


オーレン小屋までの道。八ケ岳らしい感じ。


夏沢鉱泉。外人さんが宿泊していた。普通は上に泊まるよなぁ。


登山道を入るとすぐに快適そうな小さな滝と滝つぼがある。


でも沢の水は上流のをわざわざこうやってパイプで運ぶのだから、きっと沢のは汚れているね。


運転が大変な桜平なのに誰だ、こんなところに停める馬鹿は…

■写真集 Day2

朝。テント内でガスを使うのはNGだけど…ちょっとだけ。

フラッシュでたまたま撮れた面白い効果。

ご来光。






素晴らしい青空なのです…






硫黄岳方面。



自分の影。

ホシガラス君。




白い。



縦走路南側。



この梯子のところだけ多少怖い。

岩尾根。




西天狗&東天狗。

尾根を突き進むと間違い。

東天狗から黒百合平までの道はこんな感じ。飛び石伝いが良いのだけど…めんどくさい。



穏やかな天狗岳の北面。 


黒百合ヒュッテのメニュー。到着を遅くしようと出来るだけゆっくり歩いたけど、7時半に着いてしまい…
早く着いたせいで小屋のおねえさんは機嫌が悪い…(汗)


コケモモとホットココアで800円。

ククサも置いてた…5000円!!

飲み物。やっぱりワンカップはアル添。だからボトルで買うしかないね…(笑)




根石山荘のコーヒー500円。豆から入れてくれておいしい。

根石山荘にはテラスがない。ので階段でお茶。 そこから見た西天狗。お兄さんはいい人そうでした。


根石山荘は正月は開けているのだそうだ。歩けそう。隣はきれいな新築の建物だけど、トイレのみ。

箕冠山からオーレン小屋の登山道は八ケ岳らしい感じ。 冬はスノーシューでも歩けるそうだ。

人工的に手入れがされていそうだ。人工林?





オーレン小屋のボルシチランチ 1000円。これはおススメ☆


下山時の夏沢鉱泉ではよく冷えているようでした。紫蘇ジュース100円に惹かれるも…我慢して登山道整備の募金に100円。

下山の運転も高速道路を使わなかったので疲れたけど・・・節約成功。 締めて総支出6000円也。

■ 備考

オーレン小屋幕営料 1000円
トイレ 100円 (宿泊、テント泊者無料)
立ち寄り風呂 500円
ワイン 600円、
小枝 300円 
ボルシチ 1000円 (珍しい)
売店はあまり充実していない。
水 湧水&無料

根石山荘 コーヒー500円 (おいしい) むき出しの稜線にあり、ご来光が見える鞍部にある小屋。小さい小屋。

黒百合ヒュッテ カップケーキセット 800円
トイレ 200円
ご来光は中山峠まで歩く

硫黄岳山荘 ラーメン800円、コーヒー500円
トイレ 100円
この小屋もご来光が見れそう。きれいで大きい小屋。

夏沢鉱泉
トイレ 100円
風呂 650円
宿泊者送迎アリ。
登山道整備募金箱 あり

稜線の小屋はペットボトル400円。コーヒー500円、ラーメン、うどん、800円の協定料金?

稜線にある小屋では幕営できない。つまり、オーレン小屋以外は幕営ができない。さらに稜線の小屋だけに水がないのでオーレン小屋で水は調達すべし。夏沢峠からだとたったの徒歩20分。

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2 Comments

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よかったですね (airemania)
2012-08-24 23:18:59
単独行大成功ですね。
なんだか一皮むけたというか、ステージが上がったと言うか、一歩前進した感じですね。
ボルシチとケーキセット山小屋とは思えませんね。
僕も機会があったら食べてみたいです。
硫黄岳山荘はカレーもおすすめです。
自家製の野菜がたっぷりです。

明日やっと山に行く予定です。
白毛門という谷川岳の東側の山です。
いってらっしゃい!楽しんで (Tanihachi)
2012-08-25 06:43:06
白毛門、行ってらっしゃい!ぜひ楽しんできてくださいね~

硫黄岳山荘のカレー、ご飯が切れてて残念でした。すごいいっぱい野菜が入っているらしいですね!最後の一杯をオジサンが食べているところを目撃。

なんだか今回分かったのは、成長するのを急がなくても、しかるべきときにしかるべき山がいつだって用意されているってことでした。

少し前は、近所のウラヤマ、茅が岳だってこわごわ登っていたのに不思議なものですね。

その不思議さを感じながら、神様ってホント無理も無駄もないんだわ、と思いました。