大阪教育条例NO!

2012年、大阪で成立した教育関連条例の具体化と、「君が代」不起立処分に反対する運動の交流ブログ

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大阪市教委:ICT教育って、本当に必要?

2012-12-10 21:51:16 | 大阪市:教育振興基本計画
市教委は12月5日から1月4日まで「素案」についてのパブリックコメントを行っています。教育振興基本計画は、教育条例具体化の実行計画書であり、教育破壊作用は計り知れません。是非、「素案」を読み、パブコメで大阪市教委に声を届けてください。

◆パブリックコメント窓口◆

パブコメは、「応募用紙」を郵送、ファクシミリ、電子メール、持参のいずれかの方法でできます。電子メールによる場合は、下記のホームページから「応募用紙」をダウンロードし、そのファイルをメールでお送りください。

http://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/kyoiku/0000194120.html

◆大阪市教育振興基本計画「素案」

http://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/cmsfiles/contents/0000194/194120/soann.pdf

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大阪市教育振興基本計画「素案」を検証する④
ICT教育って、本当に必要?

大阪市教育振興基本計画「素案」では、ICT教育が重視され、「大阪市スタンダードモデル」を作成し、3年後には大阪市内全校で実施することが明記されています。予算は、約150億円といわれています。しかし、大阪市教育振興基本計画有識者会議では、その是非論が議論されたのでなはく、導入ありきの議論がされただけです。

橋下知事が誕生したとき、大阪府教委はDSを活用した授業を提案し、試行を始めましたが、何の総括もないままなくなってしまいました。

今回は、どうなんでしょうか。
少なくとも、情報処理学会、日本化学会、日本化学会化学教育協議会、日本数学会、日本地球惑星科学連合、日本統計学会、日本動物学会、日本物理教育学会から、以下の疑問が出されています。これらの疑問に答える議論はなされていません。

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「デジタル教科書」推進に際してのチェックリストの提案と要望
                              2010年12月7日
                              会長  白鳥 則郎

http://www.ipsj.or.jp/03somu/teigen/digital_demand.html

 このたび本会は,「デジタル教科書」推進に際してのチェックリストの提案と要望(以下)を12月7日に文部科学省生涯学習政策局に提出いたしました.


一般社団法人 情報処理学会
社団法人日本化学会
日本化学会化学教育協議会
社団法人日本数学会
一般社団法人 日本地球惑星科学連合
日本統計学会
社団法人日本動物学会
日本物理教育学会
(五十音順)

 

 理数系学会教育問題連絡会に加盟する上記諸学会は、「デジタル教科書」「デジタル教材」推進に際して、世界的に見て低くない我が国の教育水準を維持し、さらに向上させるために、必要と思われる事項のチェックリストを作成致しました。

 現在、関係各位において「デジタル教科書」「デジタル教材」(以下、単に「デジタル教科書」と記します)推進に向けての議論が進められていることと理解しております。理数系諸学会においても、今日の情報・通信技術により実現可能となった「デジタル教科書」の活用は、教育における重要な課題でありかつ、将来にわたってわが国の教育を高めていく上で必須のものであると理解しており、それぞれ、その教育における活用に取り組んで行きたいと考えています。

 しかしながら、「デジタル教科書」は、あくまでも教育の手段であり、目的とするのは教育を高めていくことであるのを忘れてはなりません。特に初等中等教育における「デジタル教科書」の活用に関しては、生徒・児童の発達過程およびその教育内容との関連についてこれまでに行われてきた検討・試行・研究を、技術の進化を踏まえて、さらに深めていく必要があります。

 このような考えから私たちは、「デジタル教科書」活用に向けての具対策が、教育そのものを高めていくという目的に適ったものになっていることを確認するため、下に示すとおりの9項目のチェックリストを作成致しました。このチェックリストは、理数系諸学会が「デジタル教科書」の活用に向けて活動する際に配慮すべき事項をまとめるという趣旨で作成したものですが、関係各位におかれましても、「デジタル教科書」の推進にあたっては、常にその施策が、本チェックリストの全項目を満たしていることを確認されますように、強く要望いたします。

事項1: 「デジタル教科書」の導入が、手を動かして実験や観察を行う時間の縮減につながらないこと。

事項2: 「デジタル教科書」において、虚構の映像を視聴させることのみで科学的事項の学習とすることが無いこと。

事項3: 「デジタル教科書」の使用が、児童・生徒が紙と筆記用具を使って考えながら作図や計算を進める活動の縮減につながらないこと。

事項4: 「デジタル教科書」の使用が、児童・生徒が自らの手と頭を働かせて授業内容を記録し整理する活動の縮減につながらないこと。

事項5: 「デジタル教科書」の使用が、穴埋め形式や選択肢形式の問題による演習の比率増大につながらないこと。

事項6: 「デジタル教科書」の使用が、児童・生徒どうしが直接的に考えや意見を交換しながら進める学習活動の縮減につながらないこと。

事項7: 「デジタル教科書」の使用により、授業の「プレゼンテーション化」や、児童・生徒に対するプレゼンテーション偏重・文章力軽視意識の植え付けが起きないようにすること。

事項8: 「デジタル教科書」の導入に際して、教員の教科指導能力が軽視されることがないように、また教員の教材研究がより充実するように配慮すること。

事項9: 「デジタル教科書」の導入に際しては、少なくとも当面の間は、現行の紙の教科書を併用し、評価や採択においては紙の教科書を基準とすること。

付記1 健康上の問題点に関する検討
 上に記した以外の点として、情報機器の長時間にわたる使用が、児童生徒の視力をはじめとする身体能力やその発達に悪影響を与える可能性についての懸念について指摘しておきます。私供はこの分野の専門家ではないため、この件については事項として挙げませんでしたが、研究開発校など限定的な範囲において、十分に時間をかけた調査を実施することにより、デジタル教科書が子供たちの健康に悪影響をもたらさないかどうかについて、まずは検証することが、デジタル教科書導入の教育効果について考える前段階として必要だと考えます。

付記2 児童・生徒のプライバシーに関する検討
 「デジタル教科書」に関連して、すべての児童・生徒の学習行動を電子的に記録・集約・保管して学習指導に役立てるという考えがあります。これが教育上有益であり得ることには異論ありませんが、当然ながらこのようなデータは高度なプライバシー情報です。児童・生徒ならびに保護者が認める者だけがこれらのデータにアクセスでき、また児童・生徒ならびに保護者がデータに対する制御を持つこと(必要な時に自分のデータを利用できるようにすること、またその意思に基づいてデータが確実に破棄可能なこと)を確実に保証すべきであり、その保証が行えるまでは記録・集約・保管を見合わせるべきだと考えます。

付記3 チェックリスト各事項の解説

事項1: 「デジタル教科書」の導入が、手を動かして実験や観察を行う時間の縮減につながらないこと。

解説: 理科においては、実際に実験などを行い、自然現象を観察するこ とが、本質的に重要です。実験なしで教材のみで学習を済ませた場合、 試験の点数は取れても、現実に理科的思考が必要な場面で対応できない おそれが大きいと考えます。したがって、デジタル教科書の教材を視聴・ 操作することで実験を代替し、実験の時間を「節約」するようなことが 起きないような配慮が必要です。なお、現状で既に、理科を十分学習せ ず、理科の実験が行えない教員の増加が問題になっていることから、そ のような現状を改善し、理科の実験実施への敷居を低くするようなデジ タル教材の導入は、大いに望まれることを付記します。

事項2: 「デジタル教科書」において、虚構の映像を視聴させることのみで、科学的事項の学習とすることが無いこと。

解説: 今日のデジタル映像技術の進歩はめざましく、「わかりやすい」 映像を生成することが容易におこなえます。従来の授業形態では難しかっ た、自然の記録映像等の視聴を行えるようにしたり、見ることができな い空間や電磁場などの概念を視覚化することで把握を助ける、という形 でのデジタル教材の導入は、大いに望まれることです。一方で、どんな 現象でも自由にしかも直接に観測や実験可能だという誤った直観を醸成 する危険性もあります。科学による自然の解明は、観測・計測困難なも のを観測・計測できるようにするための技術や、観測・計測できたごく 限られたデータを元に、モデルを構築して理解する活動によって支えら れています。そのような困難や達成感を生徒が身を持って体験できるよ う、デジタル映像の視聴は、教育上必要な範囲に留めるべきだと考えま す。

事項3: 「デジタル教科書」の使用が、児童・生徒が紙と筆記用具を使って考えながら作図や計算を進める活動の縮減につながらないこと。

解説:紙と筆記用具を用いて事項を整理したり、計算や証明の過程を適切 に配置する訓練を積むことは、理数系の各科目において非常に重要な位 置づけを占めます。これらのことがらをソフトウェア上で行うことも不 可能ではありませんが、初等中等教育段階では、紙と筆記用具のような 柔軟性や操作性に優るものはないと考えます。特に、学びの基本的な技 法である、ノートの取り方、直接動かすことができる教具や図を用いて 考える方法、観察や実験の結果を写真ではなく図や言葉で記録する方法、 表やグラフにまとめる方法、筆算等の計算の書き方、証明の書き方等が 十分に身についていない学齢において、紙と筆記用具をソフトウェアで 代替することは適切でないと考えます。

事項4: 「デジタル教科書」の使用が、児童・生徒が自らの手と頭を働かせて授業内容を記録し整理する活動の縮減につながらないこと。
解説: 生徒が学習した内容を自分のものとして定着させるためには、自 発的に学習内容を記録・整理する時間を十分取ることが不可欠です。デ ジタル教科書の使用によって、学習内容が短時間に効果的に提示され、 また教師の提示内容と同じものが即時的に手元に残せたとしても、それ だけでは学習したことにならないのは当然です。デジタル教科書による 学習の「効率化」が、生徒が手と頭を働かせて学習内容の記録・整理を おこなう時間の縮減につながらないように、十分な配慮が必要です。な お、「効率化」によって生み出される時間の余裕を、生徒による自発的 な記録・整理のための時間増に充てられるなら、それは大変望ましいこ とだと考えます。

事項5: 「デジタル教科書」の使用が、穴埋め形式や選択肢形式の問題による演習の比率増大につながらないこと。

解説: 穴埋め形式や選択肢形式の問題は、生徒が問題全体を書き写すこ となく、解答欄だけに記入すれば済むことから、一見効率が良いように 思えます。しかし、児童・生徒が問題に関わる概念を十分に定着させる ためには、問題全体を書き写すなど、作業に一定の手間と時間を掛ける ことが重要です。したがって、デジタル教科書により、この時間を縮減 するような穴埋め形式や選択肢形式の問題の比率増大が起きないための 配慮が必要です。

事項6: 「デジタル教科書」の使用が、児童・生徒どうしが直接的に考えや意見を交換しながら進める学習活動の縮減につながらないこと。

解説: 児童・生徒に科学的な考え方を身につけさせる上で、対象とする 事項について話し合う学習活動は、さまざまな捉え方があることを身近 に実感させ、それらを統合して真実を探究していく体験を持たせられる ため、非常に重要です。デジタル機器を通した意見交換も可能ではあり ますが、やりとりされる情報の密度や即時性の点では、対面での直接的 な意見交換のほうが優っているのが現状です。したがって、デジタル教 科書の使用により、児童・生徒どうしの直接的な意見交換を行う学習活 動が削減されることが無いような配慮が必要です。

事項7: 「デジタル教科書」の使用により、授業の「プレゼンテーション化」や、児童・生徒に対するプレゼンテーション偏重・文章力軽視意識の植え付けが起きないようにすること。

解説: プレゼンテーションソフトウェアは今日、世の中で広く使用され ていますが、その使い方の多くはカラフルな図や写真などで目を引き、 聞き手に「わかった気にさせ」「話者の主張を売り込む」ことを目的と したものです。しかし、スライドは筋道立てた文章を盛り込むものでは ないので、後からスライドを見ても正確な理由づけや論拠を読み取るこ とはできず、正確な情報伝達の文書として機能させることは難しいのが 実情です。このようなプレゼンテーションソフトウェアに対する批判や 警告、使用とりやめの提案は、情報技術の分野では1990年代から存在し ています。学校教育の目的は児童・生徒に「わかった気にさせる」こと ではなく「本当に理解させる」ことであり、また「自分の考えを筋道立 てた文章により説明する」能力を養うことでもあります。デジタル教科 書の使用によって、教員が「プレゼンテーションによって理解させた気 に」なったり、児童・生徒に「魅力的なスライドを作ることが大切」だ と誤解させるような事態が発生しないための配慮が必要です。

事項8: 「デジタル教科書」の導入に際して、教員の教科指導能力が軽視されることがないように、また教員の教材研究がより充実するように配慮すること。

解説: 動画をはじめとする一部のデジタル教材は、それを生徒に使用さ せておくだけで一定の時間が消費されるという特性を持ちます。このこ とは、当該教科に対する十分な指導能力を持たない教員でも、形の上で は授業をこなせているように見せかけられることにつながります。しか し、生徒の本質的な学習や理解のためには、教員の指導能力が本質的に 必要であり、なおかつ最重要の要因であることは言うまでもありません。 そして、新しい教材を導入するということは、その教室での使用に先だっ て、十分な教材研究が必要となることも明らかです。従って、デジタル 教科書の導入に当たっては、教員の教育能力を重視するという姿勢を明 確に打ち出すとともに、各教員が新たな教材や教育内容の変化に対応で きるだけの教材研究の時間を継続的に確保できるような配慮を強く求め ます。

事項9: 「デジタル教科書」の導入に際しては、少なくとも当面の間は、現行の紙の教科書を併用し、評価や採択においては紙の教科書を基準とすること。

解説: 「デジタル教科書」の導入に際して、紙媒体の検定教科書を全面 的に廃止して電子機器に移行するという考えがありますが、これは極め て大きな変化であり、十分な時間を掛けて得失を見極める必要がありま す。たとえば、これまでのe-learningなどにおける知見として、児童・ 生徒の中には一定時間(たとえば30分)以上、コンピュータ画面を見つづ けることが困難な者が含まれるとの報告がありますが、紙媒体の廃止は そのような者にとっては「教科書で学習できなくなる」という重大な問 題を招くことにつながります。このことを踏まえ、検定教科書について は、少なくとも見極めが済むまでは、紙媒体の使用を継続(ないし併用) すべきと考えます。また、教科書採択において、デジタル教科書のみを 対象とすることは、視覚効果や高価なアニメーションキャラクタの使用 などが結果的に大きく影響してしまい、肝心な記述内容の適切さ、学習 の進めやすさの評価がおろそかになる危険が大きいと考えます。このた め、少なくとも紙媒体が併用される当面の期間においては、あくまでも 紙の教科書を基準とし、そのデジタル版が併用される、という形を取る ことを要望します。






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