夏を惜しむ

2008年08月31日 20時50分00秒 | B地点 おかか

 

「今夜、短い時間だが、花火が上がるぞ」
「これですね?」
「そりゃ鼻美だろ!」
「うふふっ」
「高い所から見た方がいいよ」
「うむ そうだな」

「移動しましょうか」
「よし」
「それっ」
「よっこらしょ」
「ここから見ようじゃないか」
「暗くなってきましたね、先生」

「うむ、もうすぐだな」
「真っ暗になりましたよ」

「そろそろ始まるぞ……」
どん どん ずどどーん

「わーい! 綺麗ですねえ」

「む…… これで夏も終わりかな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


少量で充分です

2008年08月31日 17時38分00秒 | B地点 おむ

 

 

「食事の後で、私は寛いでいた」
「おむも一緒に、良い気分で寝転がっていた」
「すると、先日とはまた別の男の子が来た。父親らしき男性と一緒だった」
「彼等は猫用ジャーキーとマタタビ粉末を持っていた。食事の直後だったので、私達はジャーキーは食べなかったが、」
「おむは、かなりの量のマタタビを与えられて、メロメロになってしまった。子供は加減を知らないからなあ……」
「顔がマタタビまみれだ。まあ、おむはマタタビに慣れているから、私はさほど心配もしなかったが……。それに、夏休みの最後の日、パパと一緒に遊びに来た子に向かって『マタタビによって呼吸困難で死ぬこともある』などと、ヤボな説教をするのも憚られてね……」

「大丈夫かね?」

「え、ええ……、ちょっと興奮しましたが……、だ、大丈夫です」

「ふふ、三毛猫みたいでしょ?」

「おいおい、冗談じゃないよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ちょっとな

2008年08月31日 17時14分00秒 | B地点 おかか

 

「あれっ 先生 どちらへ?」

「いや なに その ちょっとな」
「……何だか変だなあ」
「行き先も言ってくれないし」
「どうしたんだろう 気になるなあ」
「ご機嫌を損ねちゃったかな……?」
その頃おかか先生は……ただ単に、食事をしていた。


「すまん。独りでメシ喰いたい時って、あるだろ……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


欲望のウロボロス

2008年08月31日 15時44分00秒 | G地点 ミーコ

 

折り畳み椅子っていいよねぇ
ぼくも欲しいなぁ
お金ないから、どうせ無理だけどさ
ふふ チッチは消極的ね
あたしは違う
欲しいものは、
無理をしてでも手に入れる
バッタもんを掴まされることもあるけど

 

  ※ タイトルは丸山圭三郎の同題著書(勁草書房刊)より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


危なかったバットマン

2008年08月31日 15時07分00秒 | G地点 黒金

 

久し振りに、黒金がやってきた。
それこそバットマンのように、威厳を帯びて、悠々と。
ところが、この直後、走ってきた自転車にぶつかりそうになってしまった。
しかも、自転車に乗っていた人に怒鳴りつけられたので、黒金は慌てて引き返し、隠れてしまった。
よほど驚いたらしい。とても怖かったのだろう。
結局、こちらまで来ないで、帰ってしまった……。