アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

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「アイヌ民族と漁業権」続き

2010-02-19 07:21:08 | インポート
畠山 敏さん(北海道アイヌ協会紋別支部長・漁業者)のお話を配布された資料(「漁師として、経験から感じてきたこと」 ESDへのヒント)に書かれているのを参考に続きを書きます。

大型着底トロール船(底引き船150トン級の船)は水産庁(国)の許可で何をとっても許されるそうです。畠山さんのような沿岸漁師は、都道府県知事が許可する漁業権を通し、様々な細かい規制(魚の種類、漁具や漁期、サイズ、漁獲高、人数など)に縛られながら、自分たちの海域の資源保護に努めているにも関わらず、トロール船は同じ海域で底からごっそりと一網打尽にとり尽くしてしまうとか。
再生不可能な破壊的な操業を行なっていることを抗議されていました。20年以上前にロシアでは海を壊す漁業ということで禁止したにも関わらず、日本ではいまだに行なっている、と。
海を壊す漁業を見直し、アイヌ民族に持続可能な漁法で深海底のまだ利用されていない水産資源を有効利用することを認めてほしいというのが先の三番目の要望でした。

捕鯨についても興味深いことが書かれていました。日本には、日本小型捕鯨協会があり、同協会は世界に向けては「大和民族生存捕鯨」と名乗っているそうです(二つの名前を国内外で使い分けている)。
少しインターネットで調べてみると、国際捕鯨委員会(International Whaling Commission:IWC)は、商業捕鯨の10年間のモラトリアム(一時停止)を1982年に採択し、1986年から大型の鯨を対象とする商業捕鯨を全面禁止としました。
日本では現在、網走、鮎川、和田、太地、函館で沿岸小型捕鯨が行われており、IWCの管轄外のツチクジラ、ゴンドウクジラ、ハナゴンドウの捕獲を日本政府の管理下のもとで細々と行っているようです。沿岸小型捕鯨の年間捕獲枠はツチクジラ66頭、タッパナガ36頭、マゴンドウ50頭、ハナゴンドウ20頭と厳しく制限。
日本捕鯨協会URLに書かれていました⇒ http://www.whaling.jp/qa.html#01_03

一方、日本では南極において、「調査捕鯨」と称し、大型船(1000トン)で捕鯨が行なわれています。
建造費と調査費には税金が使われて、一隻38兆円だとか(天下り団体など合計して200人以上のぶら下がりを税金を使って養っているそう)。年に1200頭獲っていると。
これも、先の捕鯨協会の説明を見ると、商業捕鯨モラトリアムに対し、科学的データを蓄積してその不確実性を覆るために開始され、資源量の豊かなミンククジラを対象に調査を行なっているとか。
これに対する疑義も出ています。
もっと詳しく知りたい方は→http://icrwhale.org/03-A.htm#s
右のURLにも鯨の説明があります⇒ http://www.cypress.ne.jp/jf-taiji/sub03.html

畠山さんはアイヌ民族の伝統的な捕鯨を17年前から訴えておられます。
アイヌと捕鯨の関わりの歴史を学者に頼んで調べてもらい、蓄積されているそうです。
さらに捕鯨と並行して、若いアイヌの資格習得学習(船の操作の仕方)の場を作る事も国に要請しています。

オホーツクでは凪で日の光が海面にまぶしく反射する様を「海がでらでらしている」と言うそうです。
そんな時は鯨が見えない日はないそうです。それだけ鯨は多くいる、と。ある時などは視界360度に約40頭見つけたこともあるそうです。
そういえば、この夏に知床アイヌ民族エコ・ツアーに行ったことを報告しましたが、その際、ちょうど「でらでら」の日で、過去ブログ(09/6/25 blog)には「イルカ」と半信半疑で書いたのですが、実は相当大きかったのです。シャチかとも思ったのですが、あれは鯨だったかも・・・
ただ、いずれも潮は吹いていませんでした(やっぱり違うのかな・・・)。


その時の「でらでら」した海・・・分かりにくい写真ですがよ~く見ると「鯨」が見える・・・この写真では無理ですね

鯨といえば、数年前の二風谷でのフィールド・ワークの際に、沙流川の河口である門別で鯨が獲れたら沙流川をイオル(生活や狩猟のテリトリー)としている川上のアイヌにも鯨肉が振舞われたんだ、と聞いたことがあります。鯨の恵みは広範囲に分けられたのに驚きました。
それと、鯨のアイヌ舞踊がありますね。カラスだかが次々と肉をついばんでいくのを踊りにしたやつ。アイヌにとっては身近であり、貴重なタンパク源だったのでしょう。

それと、畠山さんの話で興味深かったのは、アイヌの古くからの捕鯨方法はヤリの先にスルク(トリカブトの根の毒)を付け、さらにその上にキツネの糞をつけて射たそうです。キツネの糞はなんでも鯨を陸に迎えるための印(儀式)だ、と。興味深いですね。
オホーツク沿岸だったか、鯨のイオマンテの跡が見つかった事もどこかで聞いた記憶があるのですが、調べてみます。

わたしも小さい頃はよく赤と白の鯨ベーコンをきざんで醤油をかけただけのものをご飯にかけて食べたのを思い出します。留萌では正月は鯨肉(脂身)を使ってサンペイ汁を食べるのが恒例だとか。

今日から一泊で道北三愛塾が行なわれます。農業を営む方たちの勉強と交流の時です。名寄まで出かけます。台湾の報告も少ししろとのことですから資料を持っていこうと思います。
ガソリン? もちろん満タンにしましたよ!今日も荒れています。

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