おりおん日記

電車に揺られて、会社への往き帰りの読書日記 & ミーハー文楽鑑賞記

「警官の紋章」 佐々木譲

2008年12月22日 | さ行の作家
「警官の紋章」 佐々木譲著 角川春樹事務所 (08/12/21読了)

 面白かった~! 冷静に読むと、突っ込みどころ多数ありって気もしますが、「笑う警官」「警察庁から来た男」に続く、大大大好きな「道警シリーズ」なので、ちょっと採点甘めになってしまいます。基本的に、シリーズの前の2冊を読んでいることが前提となっているストーリーです。佐伯に小島百合、津久井、新宮など「懐かしいメンバー」が勢ぞろい。みんなが同じ部署にいて力合わせて頑張って事件解決というありがちな警察モノではなく、それぞれが別々の部署で孤軍奮闘、ややスタンドプレー。でも、最後は、一点に集結していくという感じです。

 佐々木譲スゴイ!! と思ったのは、シリーズ1冊目の「笑う警官」のエピソードが伏線になっているということ。彼は、その時点から、この3冊目を想定していたのだろうか?その一方で、今年あった洞爺湖サミットが今回のストーリーのメインの舞台となっているのです。どう考えても小池百合子先生がモデルとしか思えない、いい年してミニスカートの女性サミット担当相が登場したり…結構、楽しめます。そして、あくまでも、小説の設定上ですが、北海道警、相変わらず、病んでいます。こんなに、散々に書いていて、クレーム来ないのかな??と心配になってしまうほど。それは、そうと、シリーズはこのへんでオシマイにした方が良いような気がしました。やっぱり、「笑う警官」のあまりのおもしろさで受けた衝撃は、徐々に薄れてきています。

 本の中に「笑う警官」映画化のお知らせが入っていました。佐伯が大森南朋で、小島百合が松雪泰子-。松雪泰子は、私のイメージの小島さんより美人で強い人すぎる印象ですが…佐伯はイメージピッタリ。芯が太くて、ちゃらちゃらしていなくて、いわゆる美男ではないけれど、いい顔してますよねぇ。カッコイイっす。ちょっと、見に行きたくなってしまう誘惑にかられます。



コメントを投稿