おりおん日記

電車に揺られて、会社への往き帰りの読書日記 & ミーハー文楽鑑賞記

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「明日の記憶」荻原浩

2008年02月20日 | あ行の作家
「明日の記憶」 荻原浩著  光文社文庫 (08/02/20読了)

 そもそものキッカケは映画の予告編の映像が印象的だったのです。渡辺謙と樋口可南子が夫婦役。若年性アルツハイマーとなり、記憶の機能が失われていくことに戸惑い、焦る夫。同じように戸惑いながら、現実を受け入れざるをえない妻。予告編のほんの15秒のCMにもその情景はとても美しく映し出されていました。(でも、映画は見てません)

 原作の小説も期待に違わぬ秀作でした。しかし、映画の配役に引きずられすぎました。配役にケチをつけるつもりはありません、というか、ツボにはまりすぎているのです。小説を読みながら、台詞部分をいちいち、渡辺謙調、樋口可南子調で読んでしまうという罠から抜け出せませんでした。

これまで荻原浩さんの小説を何冊か読んでいますが、これは、他のものとはちょっと違うなという印象でした。ありきたりのハッピーエンドではないけれど、ほろ苦く、でも、こんな道があってもいいんじゃない-と思えるような、アナザー・ハッピー・エンドを提示してくれる人というのが、私の、荻原浩像です。しかし、重いテーマだけに、「明日の記憶」にはアナザー・ハッピー・エンドはなかったような…。でも、決して、読後感が悪いわけではありません。それでも、やっぱり、生きて行く強さが伝わってくる、そんな、小説でした。

「ララピポ」「明日の記憶」と、私には“やや重め”が続きました。次は、ちょっと、気分を変えてお気楽に読めるものを…。


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