origenesの日記

読書感想文を淡々と書いていきます。

荒俣宏『広告図像の伝説 フクスケもカルピスも名作!』(平凡社新書)

2008-10-25 14:53:14 | Weblog
森永のエンゼルマーク、カルピスの黒人マーク、花王のお月様マーク、福助の大黒マーク……。図像学的な方法論を応用しながら、著者が日本の著名な広告図像を論じた本である。広告図像11個を対象にここまで自由奔放に語ることができたのか、と驚いた。
森永のエンゼルマークは天使のマークであるかのように思われているが、実はこのマークはギリシア神話の愛の神であるクピドだという。決してキリスト教の天使ではないのだ。なぜクピドを天使として用いたのか。それはバロック時代に、カトリックの美術家たちによってクピドのイメージをカトリックの天使として用いていたことに起因していたという。
花王石鹸は顔石鹸から来ている、ということを初めて知った。

『プラネテス』

2008-10-25 02:23:29 | Weblog
見た。
原作に比べて、宇宙防衛戦線の存在感がぐっと増している。宇宙開発が先進国と発展途上国の格差を推進してしまうという宇宙解放戦線の指摘にはリアリティがある。それは、現実の社会で技術革新が国の間の格差を押し広げているという事実を投影しているからだ。現実社会の事実を投影したSF作品としては、『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』もそう。ここでは旧厚生省と薬事会社との癒着という現実の事実が投影されている。
谷口監督は良い作品つくるなあ。

『マクロス・フロンティア』

2008-10-25 02:04:19 | Weblog
見た。
原マクロスでは、主人公に恋する女性が軍人と歌手だったけれども、今回は2人とも歌手。とにかく作中でランカ・リーとシェリル・ノームが歌いまくる。菅野よう子作曲のミュージカルのようだった。「愛おぼえていますか」「私の彼はパイロット」も菅野の編曲により、新たな魅力を得ている。
井上喜久子が悪役(グレイス・オコナー)というのが意外性があって良かった。最初は良い人かと思ったんだけどなあ。
CGも綺麗で、製作の予算が潤沢にあったのだろうなあと思う(人気のシリーズものはこの点が良い)。
何だか、マクロスってシェイクスピアのマクベスから来ているらしい。